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日経記事;『格安スマホ2人で創った ベンチャー,少数精鋭で安さ実現 アジアと分業,企画に特化』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月2日付の日経新聞に、『真相深層 格安スマホ2人で創った ベンチャー,少数精鋭で安さ実現 アジアと分業,企画に特化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『大手携帯電話会社に比べ月額料金を半額以下に引き下げた格安のスマートフォン(スマホ)が続々登場している。

サービスを提供する企業は高価な通信設備を持たず、通信大手から回線を借り受けることで通信料金を安くする仕組みだが、端末価格も米アップルなど大手の半分以下。

その担い手は、マンションの一室で起業した社員数人のベンチャー企業だ。どんな方法で格安端末を消費者に届けているのか。

「スマホは生鮮」

東京都港区のマンションの一室。ヨドバシカメラなど多くの家電量販店で格安スマホ「フリーテル」を販売するプラスワン・マーケティングの本社がある。2012年10月の設立で、社員は社長を含めてわずか2人。部屋には応接セットがあるだけで、メーカーのオフィスには見えない。

その身軽さが1万円台の低価格端末を実現する。新製品の企画やデザインに特化し、開発は中国CPU(中央演算処理装置)大手の展訊通信(スプレッドトラム)と連携したスマホ設計会社に委託。製造も中国のEMS(電子機器の製造受託サービス)に任せる。

品質維持の仕組みも外注だ。国内電機大手の生産管理の元担当者らと契約してEMSの製造現場に常駐してもらい品質を厳しくチェック。家電量販店などへの営業もIT(情報技術)機器の専門商社と提携。プラスワンはすべてのまとめ役という位置づけだ。

「スマホはサバと同じ生鮮食品」。外資系IT大手出身の増田薫代表と大仲泰弘取締役がアジアを飛び回り、提携先や外注先のフル活用によって企画着手から発売までの期間はわずか3カ月。多くの社員を抱え、1年以上の時間をかける大手とは一線を画す。

「ポラロイド」ブランドのスマホを玩具販売のトイザらスや家電量販店で販売するクロスリンクマーケティング(東京・千代田)も少数精鋭だ。丸紅でパソコン事業を手掛けていた平石鳳志代表が13年8月に設立。本社は東京・神田の雑居ビルの一室で、社員は10人に満たない。

社員数人のベンチャー企業がなぜスマホ事業に参入できるのか。その背景にあるのはスマホの分業体制だ。例えば、クロスリンクのCPUは台湾大手、聯発科技(メディアテック)製。メディアテックはCPUの販売を増やすため、顧客企業に対してスマホの設計図も提供する。

スマホ向けCPUはメディアテックやスプレッドトラムのほか、米クアルコム、米ブロードコムを加えた4社がほぼ独占するが、各社とも取引先が依頼すれば設計図の提供に応じる。スマホビジネスに精通し信用される経営者がいれば、自社で開発部門を持たなくても端末は商品化できるのだ。

機能絞り込む

開発コストを抑制するため、「できるだけ余計な手を加えない」(台湾の設計会社幹部)ことも安さにつながっている。通信規格は従来型の第3世代(3G)を採用することがほとんど。完全防水、決済機能、近距離無線通信規格「NFC」を省くことも多い。

製造面では、中国を中心にEMSが100社以上あり、スマホの組み立てを請け負う。世界スマホ大手が年間に数千万台を生産するのに対し、格安スマホが委託する年間数量は1万台から多くても数十万台にとどまる。しかし、EMSは世界から類似のスマホ生産を受注して、全体として製造台数を増やすことで採算を確保しているのだ。

14年度の国内スマホ出荷台数見通しは約3千万台。格安スマホのメーカーが目指すのは「まずは国内市場の1%のシェア」(幹部)と現状では小さいが「機能は少なくていいから、安くスマホを利用したい」という高齢者などの需要をつかみつつある。新たな商機をつかもうと、いまも新しいマンションベンチャーが生まれようとしているかもしれない。』


私は、3カ月に1度くらいの頻度でASEANを中心とするアジアを訪問しています。バンコク、ジャカルタ、ハノイなどの大都市に行くたびに感じることは、スマホをもつ人の数が非常に多くなっていることです。

スマホをもつ利用者は、2年くらい前ではほとんど若い人たちでした。しかし、最近では、日本と同じように多くの高齢者もスマホを使っています。

これは、販売価格が日本円で数千円単位のスマホが、数多く出回っていることによります。ASEAN地域で売れているスマホは、ほとんどが中国製かインド製です。

アップルやサムスンのスマホは、大きなシェアをとっていません。多くのスマホ顧客は、安い商品で満足しており、壊れれば新商品を買い直せばよいと割り切っています。

中国やインドの格安スマホは、他社商品を徹底的に模造して、市場に出回っている汎用部品を使うことで実現しています。また、多くの場合、格安スマホの製造は、EMS(電子機器の製造受託サービス)に委託しています。

格安スマホは、音声通話に加えてインターネットにつながって、eメールのやり取り、LineなどのSNS使用、Webサイト閲覧が可能であれば、消費者満足を獲得できます。

アップル、日本メーカー、サムスンなどの高級スマホの需要は、現時点ではASEAN市場に存在しません。

インターネットやITは、誰でも簡単に製造セットメーカーになれることも可能にしました。現在、アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどの米大手ITベンダーは、スマホ、タブレット端末機器、ゲーム機などを開発・実用化しています。

多くの場合、これら米大手ITベンダーは、商品の事業化に成功しています。スマホでは、ソニーを除けば、ほとんどの国内家電メーカーは、世界市場で事業できなくなりました。

米大手ITベンダーが、スマホやタブレット端末機器市場で勝ち組になったのは、徹底的な差別化・差異化を可能にする商品企画力・開発力・デザイン力を自前でもったことと、製造は台湾勢を中心とするEMSに委託したことです。

米大手ITベンダーがスマホやタブレット端末機器の事業化で採用しているビジネスモデルは、「水平分業事業」のやり方です。

自前で製造設備をもたずに、EMS事業者との強固な連携・協業で収益を共有するやり方になります。お互いに得意な分野に経営資源を集中して、「Win/Win」の関係を築いて事業・収益拡大を図ることになります。

スマホの製造をEMSに委託するやり方は、中国やインドメーカーと米大手ITベンダーは同じです。異なるのは、商品企画力・開発力・デザイン力にこだわるか、単に安くつくることに特化するかです。

ASEAN地域の場合、現在、安いスマホが市場を席巻しています。


本日の記事は、国内ITベンチャーが格安スマホを、米大手ITベンダーや中国やインドメーカーとは異なるやり方で事業化しつつあることについて書いています。

プラスワン・マーケティングやクロスリンクマーケティングのような国内ITベンチャーは、スマホの開発や商品の企画・デザインに経営資源を集中し、その他の開発・試作、設計、製造、販売を他の専門事業者に委託して、事業化しています。

国内ITベンチャーは、スマホの差別化・差異化を開発・企画力で実現しようとしています。他の事業分野は、徹底的に安くする方法を選択します。

これらの格安スマホの通信料金は、通信大手から回線を借り受けることで通信料金を安くする仕組みにしています。

国内ITベンチャーの格安スマホの実現方法は、中国やインドメーカーとは根本的に異なります。現在は、これらの格安スマホは、イオンや家電量販店の店頭で国内市場を中心に販売されています。

日本製は、2020年に開催される東京オリンピックに向けて、格安のブロードバンド環境を実現するため無線LAN設備普及を進めています。

無線LANが国内に普及すると、観光客だけでなく、多くの国内消費者がスマホを格安通信料金で使用できるようになります。

国内ITベンチャーがさらに積極的に、個性的で魅力的な格安スマホを商品化・事業化して、国内市場で一定規模のシェアを獲得することを期待します。

国内市場は、ソニーを除けば、ほぼアップルとサムスンの独壇場になっています。ここに国内ITベンチャーが格安スマホで勝ち組になるように成長することを期待します。

多分、国内ITベンチャーは、格安スマホだけでなく、エンターテインメント用ロボットでも、格安だが個性的な商品を事業化すると予測しています。

インターネットやITをフル活用して、個性的な格安商品の提供が成功のポイントになります。

さらに近い将来、これらの格安スマホがASEANなどの海外市場でも、インターネット通販の仕組みを利用して、販売されることを大いに期待します。

今後の国内ITベンチャーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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