- 森 幸夫
- 低コスト・リフォーム研究会
- 埼玉県
- 代表
対象:リフォーム・増改築
- 木下 泰徳
- (アップライフデザイナー)
- 溝部 公寛
- (建築家)
第三項
『それぞれの屋根材の良い点、悪い点』
陶器瓦1枚の重さはどれくらいあるかご存知でしょうか?
『1kg?2kg?』
いえいえ、そんなもんじゃありません。
実は普通の陶器瓦で3~4kgあります。
大きな鉄アレーを想像していただければ、イメージが湧くと思われます。
では、また質問です。
『屋根全体となると、陶器瓦の全重量はどれくらいになると思いますか?』
だいたい、1坪当たり200kgですので、屋根の面積が仮に20坪だとすると
200kg×20坪で4000kg(4t)にもなります。
これは2tトラック1台分の重さに相当します。
『1頭の大きなアフリカ象を屋根の上で飼っている』と思ってよいかもしれません。
想像しただけで、怖いと思うのは私だけでしょうか??
もちろん、土台(基礎や構造)がしっかりしていれば問題はありません。
但し、前回で書いた通り築20年以上経過した住宅というのは、
建物がかなり老朽化してきている上に、基礎がしっかりしていない建物が多いため
最近多い地震で震度5や震度6クラスの大きな地震が来ると、屋根の重さに耐えられません。、
先の阪神・淡路大震災や東日本大震災級の震災では、20年経過した建物では耐えられない
ことが事実としてみられました。
そこで、20年近く経過したご自宅に住む方と対策として
■屋根材を軽くする
■建物の補強工事をする
のいずれかの対応を早急に講じる必要があります。
ちなみに、補強工事で多い間違いが『瓦止め(ラバーロック)による補強』です。
瓦止め(ラバーロック)による補強は、あまり意味がない方法です。
瓦止めというのは、シリコンで瓦を1枚1枚止めていく工事のことですが、
これをやると全ての瓦がつながってしまいます。
これは何を誘発するかというと、
大きな地震が来たとき、瓦の重みが全て建物に掛ってしまうので、非常に危険性が増えるという訳です。
大きな地震が来た時のことを考えた場合、
瓦はズレるからいいのであって、全てつなげてしまうと非常に危険である、といったことを覚えておかれれば良いと思います。
上記の理由から私が最もお勧めしたい工法は、
『屋根材を軽くする』
といった工法なのです。
では、軽い屋根材にはどのような種類があるのかというと、
代表的なものは、ほぼ次の2つです。
■コロニアル(スレート)
先日ご説明したように、セメントに繊維質を混ぜて成型した屋根材で、
陶器瓦の約3分の1の重さです。
■金属屋根
金属屋根は、陶器瓦の
約8分の1から10分の1と非常に軽量なのが特長です。
素材は、鉄・銅・ステンレス・アルミ・鋼板・合金などがあります。
最近は、各メーカーが色々なデザインの商品を出しております。
では、屋根材を選ぶ場合どのような基準で選べばよいのでしょうか?
だいたい下記の4つの基準で比較検討してみるのが良いと思います。
重量:できれば軽量のもの
耐水性:吸収性の高い素材だと腐る原因に
耐久性:割れたり、溶けたりしないものを
メンテナンス:メンテナンスの周期・費用も考えて
上記の基準をもとに、私なりに評価してみたのが下記となります。
ご参照いただければ幸いです。
陶器瓦 | コロニアル | 金属屋根 | |
重量 | × | △ | ◎ |
耐水性 | ○ | △ | ○ |
耐久性 | ◎ | △ | ○ |
メンテナンス | ○ | △ | ◎ |
個人的には、軽くて、耐水性、耐久性も十分あって、メンテナンスも楽で、尚且つ色々な種類デザインが豊富な金属屋根をお勧めしています。
次回、第四項は『安く仕上げる方法の落とし穴とは?』です。
ではまた次回をお楽しみに!
屋根の修理なら
雨どいの修理なら
このコラムに類似したコラム
屋根のリフォーム・修理で絶対に失敗したくない方へ【特集】(全7回特別講座) 第四項 森 幸夫 - 代表(2014/08/13 11:33)
屋根のリフォーム・修理で絶対に失敗したくない方へ【特集】(全7回特別講座) 第一項 森 幸夫 - 代表(2014/07/22 12:27)
屋根板金・雨樋工事 練馬区 森 幸夫 - 代表(2015/05/04 07:00)
屋根外壁塗装を火災保険で6 森 幸夫 - 代表(2015/04/30 08:26)
屋根外壁塗装を火災保険で4 森 幸夫 - 代表(2015/04/25 07:50)