日経記事;『ミャンマー、小売り自由化 外資規制、年内にも撤廃 イオンなど好機』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ミャンマー、小売り自由化 外資規制、年内にも撤廃 イオンなど好機』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月27日付の日経新聞に、『ミャンマー、小売り自由化 外資規制、年内にも撤廃 イオンなど好機』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ミャンマー政府が流通業の外資規制を撤廃する方針を固めた。小売業の出店を自由化し、現在国内企業にしか認めていない輸入品の販売も外資に解禁する。

近く閣議決定し、年内にも規制の一部は撤廃する見通し。イオンなど日本の小売り大手は人口6000万のミャンマーを有望市場と位置づけており、現地進出の追い風となりそうだ。

ミャンマー政府高官が明らかにした。同国では外国投資の許認可権を持つミャンマー投資委員会(MIC)などの通達の中で外資参入を規制する分野を定めている。

政府はこの通達を全面的に刷新し、小売業、卸売業、貿易業、倉庫業を規制対象から除外する。ミャンマーの経済開放が一段と進むことになる。

現状では海外企業は代理店やフランチャイズチェーン(FC)店を通じた事業活動しか認められておらず、流通ビジネスは現地企業に独占されている。

ミャンマー政府は2015年以降にショッピングセンター(SC)など大規模な店舗形態でのみ小売業の進出を認めたが、出店地域や投資額には細かな規制を設けていた。

今回の規制緩和が実現すれば、外資のコンビニエンスストアや外食産業が自由に出店できるようになる。貿易業の解禁により、海外からの仕入れも機動的に行える。東南アジア広域で事業展開する企業にとっては、他国で開発・調達した商品をミャンマーに導入しやすくなる。

イオンはすでに金融子会社のイオンフィナンシャルサービスがヤンゴン市内で、個人向けに家電などの分割払いサービスを始め、消費動向の把握に乗り出している。規制が撤廃されれば、現在検討を進めているSCやスーパーなど小売業での進出の環境が整う。

イオンはマレーシアとタイでスーパーなど約130店を運営してきた。さらに今年1月にベトナム、6月にはカンボジアに大型SCで進出するなど、東南アジア事業を急拡大している。ローソンなどもミャンマーへの進出を検討中。代理店を通じた委託販売を始めたトヨタ自動車なども独自に新車を輸入販売することが可能になる。

ミャンマーの1人当たり国内総生産(GDP)は900ドル程度と東南アジアで最低水準にとどまるが、人口規模は隣国タイに匹敵する。テイン・セイン政権下の経済開放政策を背景に都市部で嗜好品や耐久消費財の需要が急増し、流通分野のビジネスチャンスが広がっている。

今後はインフラ整備が課題となる。ミャンマーでは冷蔵物流などのインフラが未整備で、商品を輸入する際の港湾設備や倉庫設備なども貧弱。進出企業にとってはサプライチェーンの構築がカギとなる。』


ミャンマーを含めたASEAN加盟国は、2015年ごろを目指して経済統合を行います。これは、ASEAN域内での事業や貿易などの経済活動を可能な限り自由化して、経済活性化と域内の経済格差是正を図ることを目的にしています。

この経済統合では、多くの規制を緩和あるいは撤廃する動きが期待されています。例えば、ASEAN域内の輸出入に関する税金(関税)が撤廃か、ゼロに近づくことが期待されています。

経済統合の内容については、現在ASEAN内で検討されています。国内企業は、経済統合に関する施策が発表されたら、域内でより効果的な事業展開の方法について、検討し順次実行していくことになります。

現在、ASEAN域内で、人口数や経済力などの点からみますと、最大の経済力をもっているのは、タイです。

タイが最大の経済力をもてたのは、日本企業、特に電気・電子機器や自動車関連の製造事業者が50年間の長期に渡って継続的に投資し続けてきたことによります。

多くの日系企業が集中投資した結果、産業集積が起こり、タイではバンコク周辺を中心に日本と同じように、4次下請けまでそろった産業構造が出来上がりました。

タイの製造業界は、日本と同じようインフラ整備ができましたので、中堅・大手製造事業者が、今からタイに進出しても、関連企業との連携で必要な外部委託先を探すことができます。

また、タイでの産業集積は、15歳から64歳までの生産年齢人口層がほぼ完全に就業できる社会環境を作り上げました。

その結果、上記生産年齢人口層の所得水準が大幅に向上して、巨大な中間所得層が構築されました。タイでは、大きな消費者市場ができあがっています。

タイの周辺国である、ラオス、カンボジア、ミャンマーなどから、多くの人が労働者として、タイに移住して働くようになっています。いわゆるタイプラスワンと言われる現象です。

インドネシア、ベトナム、フィリピンなどの国は、タイと同じように製造事業の産業集積を狙って、日系企業などからの外資導入を積極的に進めています。

ASEAN域内の国は、外国企業に対する投資優遇制度を設けています。特に、経済発展の基礎となる製造事業に対しては、手厚い優遇制度を実行しています。製造事業の場合、基本的にどの国でも、製造事業は業種に関係なく投資優遇の対象になります。

もっとも、タイの場合、一般製造事業の場合、産業集積がほぼ完了したとの考えをもっており、2015年ごろをめどに、投資優遇制度を見直して、今後は、医療、バイオ、環境などの高度製造事業のみを対象とするやり方に変える計画です。

このタイでも、地元企業が脆弱な産業分野、例えば、サービス、流通業などには、外資規制をもっており、外国企業が進出する場合には、地元企業との合弁で行うなどの制約があります。

この地元企業を保護するやり方は、他のASEAN加盟国でも一般に行われています。

本日の記事は、ミャンマー政府が小売業、卸売業、貿易業、倉庫業などの流通業を規制対象から除外する動きについて書いています。

ミャンマーは、道路、鉄道、港湾、電力などの社会インフラが、他のASEAN加盟国と比べて脆弱です。このため、繊維などの一部の労働集約型産業を除けば、日系製造事業者の投資は活発になっていません。

ミャンマーの大きな課題は、社会インフラの早急な整備にあります。このような事業環境下で、ミャンマー政府は、流通業の自由化を行おうとしています。

確かに、ヤンゴンでは一部の富裕層の購買意欲が向上しているようですが、中間所得層の経済力向上はまだ先のことになります。

ASEAN経済統合で、域内の貿易がより活性化して、ミャンマーの中で低価格商品が数多く流通するようになると、消費者市場はある程度活性化する可能性があります。

少なくとも、外資規制撤廃で、外国から流通事業者が参入すれば、多くの新規雇用が生まれますので、生産年齢人口層の所得が増えることになります。


国内企業は、日本では生産年齢人口層の減少から起こる市場縮小に直面していますので、ASEANなどの海外市場を開拓する必要性が高くなっています。

従って、今後ASEANでの事業展開を計画しているベンチャーや中小企業は、今回のミャンマーでの動き、ASEAN経済統合、他のASEAN加盟国の投資優遇制度、社会インフラの整備状況などの最終情報を可能な限り収集して、冷静に状況分析を行ったうえで、しっかりとした事業計画を作成・実行することが重要になります。

ASEANは、目まぐるしく変化していますので、インターネット活用によるしっかりとした情報収集が大事になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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