世田谷美術館 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

増井 真也
建築部門代表
建築家
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世田谷美術館

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チョット気になるデザイン
朝家族を連れて世田谷美術館へ。今、世田美では石山修武氏の建築が見る夢展が開催されている。300枚に及ぶ石山さんの絵とさまざまなプロジェクトの模型が展示されていた。

石山修武氏はますいいリビングカンパニーの生みの親である。当時、設計する工務店を作りたいという私の思いを汲み取って会社の基盤づくりに多大なる知恵を注いでくれたばかりか、その後も顧問として名前を残してくれた。この奇妙な会社名も石山さんの考案だ。増井と石山の「い」をつけて「ますいい」。なんとも単純な名前なのだが一度この名前を聞いた人は必ず何で「い」が二つなのですかと聞いてくる。そして名前を覚えてくれる。「まずは名前を覚えてもらいなさい」そんな考えがあったのだろう。

石山さんはまさに前衛の建築家である。今の石山さんは環境問題が深刻化し人々の生活スタイルが変化を余儀なくされる20XX年を見ているのだろう。展示されている作品のすべてに現代社会から逸脱したユートピア的自立社会が感じられた。開発されるさまざまな工業技術を組み合わせることにより、環境負荷のない自給自足型の農村社会の可能性を探る、この可能性は人類の次のステージを表現しているものだ。今の日本の政治体制の中でこのようなユートピア社会ができる可能性は少ないだろう。しかし、みんなの心の中にある夢を建築を通して形にしたい、そういう思いが強く伝わってくるものであった。そして、屋久島などの一部の地域ではこの夢に似たような社会ができつつあることも事実である。

私が以前建築した屋久島の家は東京での生活を捨て屋久島に移住した夫婦のための住宅である。この小さな住宅の前にはその夫婦の妹夫婦も住んでいる。周りには同じように移住した人々がいて、それぞれの得意分野を生かして物々交換、半自給自足の社会コミュニティーが出来上がっている。島であるということでエネルギーは本土よりも高い。多くの家には太陽熱を利用した給湯設備が設置されており、ガスの使用をできるだけ抑える工夫をとっている。世界遺産となったこの島には多くの観光客が訪れる。その観光客が持ってくるお金を島の住民で分け合い、力を合わせて生活する、そんな理想的な社会なのである。