日経記事;『パナソニック、ノキアに携帯基地局事業を売却』に関する考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;『パナソニック、ノキアに携帯基地局事業を売却』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月20日付の日経新聞に、『パナソニック、ノキアに携帯基地局事業を売却』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは携帯電話の基地局関連の事業をフィンランド通信機器大手、ノキアに売却することで大筋合意した。

NEC、富士通に次ぐ国内メーカー3位だが、海外勢との価格競争で採算が悪化していた。非中核事業の整理を一段と進め、成長の柱に据える自動車や住宅関連分野に経営資源を集中する。

売却するのは子会社のパナソニックシステムネットワークス(東京・中央)が手掛けるアンテナや無線制御装置などの通信機器からなる基地局関連事業。NTTドコモを中心に提供し、直近の売上高は200億円強とみられ2013年度の国内シェアは約9%だった。

ノキアと近く基本合意の覚書を交わす。細部を詰め年内に最終合意し、今年度末までに売却する方針だ。売却額は未定だが数十億円規模とみられる。

調査会社のMCAによると、13年度の国内の基地局関連市場は約2600億円で、ノキアはシェア26%で首位。

07年からパナソニックとドコモ向け高速通信サービス「LTE」用の製品開発で提携関係にある。買収後はパナソニックの持つドコモ向け販路を生かし、日本市場でのさらなるシェア拡大を目指す。』


パナソニックは、大手家電業界ではソニーやシャープと共に、集中と選択作業が日立製作所や東芝と比べると遅れを取っていた企業でした。

しかし、パナソニックは、昨年来、新経営陣の下、集中と選択作業を精力的に行った結果、事業収益性は大幅に改善しています。

パナソニックの集中と選択作業は、ソニーやシャープより先行しています。収益力の改善が明確になっていることによります。

パナソニックの基本的な集中と選択のやり方は、汎用化して価格競争力が落ちた事業からの撤退と、自動車や住宅関連事業分野への経営資源の集中にあります。

白物家電は、パナソニックの競争力が強い事業分野であり、今後も強化・拡大していく方針のようです。

今のパナソニックにとって重要なことは、コア事業の更なる競争力強化にあります。そのためには、コア事業でない分野は、売却や撤退を積極的に行って不要なコスト圧縮と、人材や資金のコア事業へのシフトを進める必要があります。

パナソニックより、集中と選択作業が先行した日立や東芝の場合、その作業速度が市場の期待より遅かったので、先行きが懸念された時期がありました。

一般的に国内メーカーの集中と選択作業の速度は、欧米企業と比べると、遅い状況になっています。日立と東芝の集中と選択作業の速度も、当該作業過程では遅いとの印象をもたれたのだと理解しています。

パナソニックの場合、新経営陣の下、収益性が急激に改善していますので、最近は集中と選択作業の速度は遅いとの印象をもたれていないようです。

パナソニックの今の課題は、集中と選択作業をさらに進めることにあります。競争力が落ちた事業、収益改善がみえない事業などは、早期に売却や撤退を進めることが肝要になります。特に、コア事業でない分野では、その作業を徹底的に行うことが重要になります。

売却や撤退には、社内から慎重論や反対が必ず出ます。しかし、市場が縮小しつつある環境下で、競争力が落ちた事業や収益性が落ちた非コア事業でない分野をもち続けることは、過剰在庫をもっている状態と同じであり、自己中毒に陥ります。

従って、パナソニックが本日の記事にありますように、非コア事業でない分野で、競争力が落ちたものを他社に売却して撤退することは合理的です。

どの企業もすべての事業分野に対して、事業継続するためのガイドラインをもっておき、そのガイドライン通りに事業ができない判断をしたら、即時に売却や撤退を実行することが重要になります。

私は、ベンチャーや中小企業の新規事業立上げと海外市場・販路開拓を主に支援しています。実行する前に、入念な情報収集と分析を行って、必ず事業計画を作成するようにアドバイスしています。

その事業計画の中に、必ず事業撤退指針を入れるようにしています。事業撤退指針の内容は、企業ごとに異なります。例えば、3年後の売上目標、市場シェア、利益目標などを設定して、その設定目標に到達しないことが明確になった場合、例外なく売却や撤退を実施する指針になります。

ベンチャーや中小企業は、中堅・大手と比べると、経営資源に余裕がありませんので、迅速な意思決定と実行が、上記する自己中毒から身を守る最善策になります。

何度か本ブログ・コラムで書きましたように、インターネットやITの急速普及が進む事業環境下では、既存事業基盤の変化や消失が迅速に進みます。

企業がこのような事業環境下で事業するには、客観的な情報収集と分析を行って、早め早めの意思決定と行動力が求められます。

特に、海外市場で事業展開する国内企業は、海外勢との激しい競争に直面しますので、事業を前に進める動きと、冷静に自社の経営・市場・事業環境をみて、次の行動を着実に行うブレーキ機能をバランスよくもつ工夫が必要であり、重要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

 

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