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日経記事;『挽回の主役、中小のリーダー 日本には俺たちがいる 「世界で通用する会社に」』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月12日付の日経新聞に、『挽回の主役、中小のリーダー 日本には俺たちがいる 「世界で通用する会社に」』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日立製作所のお膝元、茨城県常陸那珂港。「RORO船」とよばれる大型運搬船が月に2~3回、海外に向けて出港する。

積み荷は日立建機の油圧ショベルやトラック。建機は現在、日立グループ最大の輸出品だ。

日立の輸出は10年ごとに主役が交代してきた。30年前はカラーテレビ、20年前は半導体、10年前は薄型テレビだった。「日本からモノを大量輸出する時代は終わった」。会長の中西宏明(68)は言う。実際、家電や半導体を切り出す構造改革で最高益をたたき出した。

だが、中西にも日本の位置づけはまだみえない。「国内に残る産業は究極的に農業と医療、教育」とみるが、この分野で日本を支えられるか。

そんな中西の先を快走するのが米ゼネラル・エレクトリック(GE)会長ジェフ・イメルト(58)。仏アルストム買収で日独連合に競り勝ち、重電でも存在感を高めた。

日立の輸出の主役が目まぐるしく変わるのを尻目にGEは電力設備、航空機エンジンで稼ぎ続けた。特にエンジンは世界シェアが6割に迫る。

米国は貿易赤字国。だがGEやボーイングなど航空機産業でみると約6兆円もの黒字を稼ぐ。一方、国際収支統計によると日本は昨年の貿易収支が8.8兆円の赤字だ。

8.8兆円をどう挽回するか。サービス、配当や知財と稼ぎ方は様々だが、どれも中心にモノがないと収入は得られない。日本で何をつくるか。

「これはすごい」。成長戦略の発表が迫っていた6月19日、グローリーの埼玉工場(埼玉県加須市)を訪問した首相の安倍晋三(59)は声を上げた。

レジの釣り銭機の製造ライン。人型ロボットが作業員と一緒に働く。左手で持った基板に右手でネジをはめ込む滑らかな動きはまるで映画に登場する未来のロボットだ。

工程の80%をロボットが担うラインもある。工場長の辻利文(51)は「海外で生産する必要がない圧倒的なコスト体質が目標」と話す。

一つの解はドイツにある。売上高順に世界企業を番付する米フォーチュン誌の「世界500社」に入ったドイツ企業は日本の半分の約30社にとどまるが、貿易黒字だ。主役は世界で稼げる「中小企業群」だ。

京都市に世界の医療関係者が注目する中小企業がある。精密部品試作のクロスエフェクト。3次元(3D)プリンターを使い、心臓手術のシミュレーションに使う樹脂製の模型を開発。米独などから月20件近い問い合わせを受ける。

患者のコンピューター断層撮影装置(CT)データをもとに作る模型は表面の血管や心室・心房など内部の構造も本物そっくり。手術前に医師は「予行演習」ができる。

社長の竹田正俊(40)は大学卒業後、米国に留学、「世界で通用する会社」の起業を志してきた。今回の開発話が舞い込んだ際、医療は門外漢だった竹田は専門書を読み、独学で開発した。「ものづくりで人命救助の一端を担いたい。ビジネスは地球規模」と話す。

一橋大教授の楠木建(49)は「大企業の踏ん張りと同様、競争力のある中小企業がいくつも必要」と話す。米国も実は新規雇用の3分の2を設立5年以内の中小企業が生んでいるとの調査結果がある。

変化を恐れず、強い意志をもって革新に挑むリーダーたち。失われた成長力を取り戻す試みが始まった。』

上記記事に関連して、国内製造事業者が今後世界市場で勝ち組になるやり方について述べます。

私は、製造業やIT事業が日本経営を支える屋台骨になるとみています。そのため、一経営コンサルタントとして、ベンチャーや中小企業の製造事業者やITベンダーを支援しています。

この製造事業のあり方が、インターネットやITの登場によって大きく変わりつつあります。従来、伝統的な製造業の考え方は、徹底的な差別化・差異化を可能にする技術力と製品力があれば、売上拡大が可能になるというものでした。

この考え方が、BtoCタイプの事業では大きく変わりました。米大手ITベンダーが相次いでスマホやタブレット端末機器などの電子機器を開発・実用化して売上拡大を実現しています。

電子機器事業の売上拡大を実現しているポイントは、開発力と商品企画力にあります。このやり方の先陣を切ったのは、アップルです。

アップルは、もともとマックPCを事業化して、パソコンメーカーとして、一定規模のビジネスを行っていました。

アップルがパソコン以外の電子機器で大きく事業を伸ばしたきっかけは、iPodの商品化でした。徹底的にこだわったデザインや商品企画により、消費者の琴線を掴んで新事業分野を確立しました。

アップルは、続いてスマートフォンであるiPhone、タブレット端末であるiPadを新事業として立上げ、大きな成功を収めました。

アップルがどの電子機器分野でも大成功を収めたのは、優れた開発力と商品企画力です。商品に搭載されるOSやアプリケーションソフトは、アップルのお家芸であり、さらに販売やサービス提供は、インターネットを駆使しています。

アップルは、開発力と商品企画力を実現するため、多くの技術者を雇い、養成しています。製造は、大手台湾メーカーなどに委託しています。

アップルは、製造事業所をもたないことで、設備投資や高い固定費負担を軽減しています。

アップルのやり方がプラットフォームになって、アマゾン、マイクロソフトなどの米大手ITベンダーが、スマホやタブレット端末機器を事業化して一定の成果を出しています。

エンターテインメント系の電子機器分野では、ソニーやキャノンを除いて世界市場で戦えるメーカーはほとんどいません。

白物家電分野でも、国内製造事業者が遅れを取っている商品があります。掃除機では、ダイソンの強力なサイクロン方式の商品やアイロボット社の掃除機ルンバの商品企画力は、残念ながら現時点では国内大手家電メーカーの能力を超えています。

白物家電のような成熟産業とみられる分野でも、欧米企業に遅れを取っているは、商品企画力や開発力の差によります。

片一方、国内家電ベンチャーや中小企業の中には、バルミューダ株式会社(扇風機など)、株式会社Cerevo(デジタルカメラなど)、株式会社グラモ(ネットワーク接続型高機能リモコンなど)、ビーサイズ株式会社(デスクスタンドなど)などの独創的な企業が誕生しつつあります。

いずれのベンチャーも、既存の商品にとらわれない、開発力と商品企画力をもっています。これらのベンチャーや中小企業が、起爆剤となってエンターテインメント用ロボット事業も含めて独創的な商品を出していけば、国内家電業界も変わっていけます。

自社内に工場をもたないファブレス企業として事業すれば、製造工場に対する投資や固定費負担の軽減が可能になります。

これらのベンチャーや中小企業の課題は、世界市場での販路開拓と開発投資に必要な資金調達です。

販路開拓については、インターネット通販の徹底的な活用が必要になります。例えば、アマゾンのネット通販の仕組みを活用すれば、アマゾンが対応している13カ国に販売していけます。

また、ASEANを中心とする新興国市場では、楽天やヤフーが拡充しつつある国際的なネット通販の仕組み利用も可能です。

さらに、自社のWebサイトを充実させて情報発信力を高めて、知名度などが上昇したら、自社のWebサイトにネット通販の仕組みを取り入れて世界市場で販売するやり方もあります。

ベンチャーや中小企業の中で、ネット通販の仕組みを利用して世界市場に販路開拓する動きが活発化していることは、とても良い兆候です。

開発投資の調達は、多くのベンチャーや中小企業にとって大きな課題になっています。製造設備をもたなくても、優秀な開発エンジニアやITエンジニアを雇用するには、一定規模のコストがかかります。

事業収入が見込めるまでの資金調達は、難しい状況になっています。本日の日経記事に、「ベンチャー育成へ大手14社連携  KDDIが資金、セブン&アイなど参加 ネットサービス事業化 」のタイトルで記事が掲載されました。

大手企業が資金調達を手助けしてくれると、ベンチャーや中小企業には大きな援軍になります。

このような動きが活発化してくると、資金調達支援だけでなく、大手企業経験者による経営やマーケティングのノウハウ伝授や大手企業との協業・連携も可能になります。

この大手企業による支援がうまく機能することを期待します。


さて、本日の記事では、世界に通用する企業が紹介されています。

BtoBタイプの事業例として、テレビでもたびたび紹介されていますレジの釣り銭機の製造メーカーであるグローリーは、製造コスト圧縮を徹底化するため、多くのヒト型産業用ロボットを導入しています。

この会社では、「海外で生産する必要がない圧倒的なコスト体質が目標」とのこと。

大手企業では、ノートパソコンを作る富士通子会社の島根富士通、キャノン、ファナックなどが大規模な自動化工場を稼働させています。これらの大手企業の目標は、グローリーと同じです。

国内で製造事業を継続して、海外特に、中国、台湾、韓国メーカーとの競合に打ち勝つためには、その施策の一つとして、製造コスト圧縮が必要です。

また、国内では今後慢性的に人手不足が起こります。製造コスト圧縮と人手不足解消の施策の一つとして、産業用ロボットなどの導入による自動化工場が必要になります。

米大手ITベンダーは工場をもたないファブレス企業です。

これらのファブレス企業と対称的に、上記のように複数の国内製造事業者が行っている自社工場の自動化によるコスト圧縮と競争力強化があります。

さらに、徹底的な差別化・差異化を可能にする部材、部品や加工方法などで、多くの製造事業者が収益拡大を実現しています。

中小企業では、例えば、井口一世は金型を使わないで、金属を加工する技術を確立しました。これにより、当社の加工費は大幅に安くなり、競合他社を圧倒しています。

村田製作所やTDKなどの電子部品は、アップルの商品に数多く採用されており、他の米大手ITベンダーの商品を支えています。

このような部材、部品、加工技術で、電子機器などのプラットフォーム提供者になることも、国内製造事業者の生きる道の一つになります。

ベンチャーや中小企業のトップには、いろいろな企業の動き方を参考にして、自社の強みを最大化するやり方を計画・実現することを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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