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日経記事;『患者情報、病院間で共有 クラウド使い導入負担軽く ドコモ、来月開始』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月6日付の日経新聞に、『患者情報、病院間で共有 クラウド使い導入負担軽く ドコモ、来月開始』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『NTTドコモは8月から、患者の画像データや診察結果などを複数の病院で共有するクラウドサービスを始める。まず東京慈恵会医科大学付属病院など有力15病院が導入する。

電子カルテシステムで共有するより導入負担が軽く、画像などをスマートフォン(スマホ)で確認でき医師が協力しやすい。病院の垣根を越え連携できれば迅速で的確な治療に役立つ。

ドコモが医療システム開発のスキルアップジャパン(東京・渋谷)と共同開発した。クラウド上に保存された患者の磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)の画像データ、検査データなどを、医師や看護師がスマホやパソコンで見られる。治療方針や診断などに関するコメントのやり取りも可能だ。

迅速な処置が求められる脳卒中治療などでの利用を想定する。脳卒中治療の専門医が院内にいなくても、同じCT画像などを見ながら外出先の専門医や外部の病院と治療方針などを相談できる。

大学病院や大規模病院では若手医師が夜間の当直にあたることが多い。電話で症状を説明して指示を仰いだり専門医が戻ってくるのを待ったりして、治療開始までに時間がかかることもあった。

新サービスは東京医科歯科大学、東京都済生会中央病院、虎の門病院なども導入。情報共有可能な病院や医師の裾野が広がればより多くの知見が集まり、患者は素早く適切な治療を受けられる。ドコモは今夏にも法人営業部の中に専門組織を設け、他の病院にも導入を働き掛ける。

病院側の導入負担は数百万円の初期費用のほか、利用料として月額5万円程度。別に医師らが持つスマホ1台あたり月額数百円を支払う。サービス開始から3年をめどに医師、看護師など100万人の利用、年間売上高100億円をめざす。

従来も院内にサーバーを設置したり電子カルテシステムを使ったりして情報共有をする例はあるが、導入するには1千万円以上の費用がかかる。高額なコストが壁になり、病院間の連携は進んでこなかった。クラウドは専用システムが不要なため、情報共有に参加する病院を随時増やせる。

情報共有の範囲はあらかじめ設定するグループ内に限り、患者の個人情報が漏れないように配慮する。そのうえで必要に応じてグループ外の病院や医師が参加できる仕組みにする。

ドコモが医療システムの販売を手掛けるのは初めて。専門性が高い法人向けサービスを強化する方針で、医療向けはその先駆けとなる。

新サービスは日本語のほか英語、ポルトガル語版を用意する。ブラジルでもすでに複数の病院が採用を決めた。将来、国内外の病院や医師の間でも情報共有が進む可能性がある。』

昨日は、本ブログ・コラムでNTTが東南アジアでクラウドサービス事業を強化して、当該地域でデータセンターの面積を現行比1.4倍にすることについて書きました。

本日もNTTのクラウドサービス事業に関するものになります。本日の記事は、NTTがクラウドサービス事業を医療用途に拡大する動きについて書いています。

医療分野では、以前から過疎地域での医療水準を維持するため遠隔医療などを実現することが必要であり、ITを積極的に導入することが言われてきました。

さらに、毎年増大し続ける医療費抑制のために、事務能率の改善や、患者へのより適切、かつ効率的な治療法の提供や医薬品投与を実現する必要があり、この実現方法の一つとしてIT導入検討も行われています。

しかし、ITの医療分野への導入は、一部の大病院を除いてはそれほど普及していません。本来ならば、日本中の病院や診療所が、ITを活用して共通のデータベースを活用することで、患者に対してもっと適切かつ効率的な治療法と医薬品投与を実現できる可能性があります。

全国レベルでのIT導入を遅らせているのは、病院や診療所にとって巨大な設備投資費が必要になることと、患者の個人情報が漏えいしたり、不適切に使用されるリスクを懸念して、導入できていないことによります。

患者の個人情報保護は、重要な課題であり、この課題は現在電子カルテなどのITを導入している病院や診療所が厳正に対処・実行する必要のあることは明白です。


一方、昨日ブログ・コラムで書きましたように、国内外でクラウドサービス活用が本格化しています。

これは、クラウドサービス活用により、企業、行政府、病院、診療所などがデータや情報を自前で用意するサーバーやパソコンなどにもつ必要はなく、インターネット環境があれば、パソコン、スマホやタブレット端末機器から何時でも引き出して、閲覧・加工・編集などができるメリットがあることによります。

個人生活でも、クラウドサービス活用で、写真や音楽、eメールなどの情報をパソコンや外付けハードディスクに保管する必要がありません。

私も、仕事で使うデータ・情報の蓄積や検索、スケジュール管理にクラウドサービス事業を活用しています。クラウドサービスの利便性を大いに満喫しています。

国内では、ITベンダーだけでなく、多くの製造事業者、流通、サービス事業者がクラウドサービス事業を活用しています。

NTTは、このクラウドサービス事業を物理的に支えるプラットフォームとなるデータセンター事業で、国内だけでなく、ASEAN地域などの海外市場で勝ち組になるため積極的な投資と事業展開を進めています。

NTTは、クラウドサービス事業の有望な潜在市場である、国内医療分野に注力し始めたとみます。
医療業界がクラウドサービス事業を活用すれば、上記したように多くのメリットをもたらします。

カメラ、モニター、各種手術機器・治療器、各種診断装置、内視鏡などの医療機器の技術革新は、目覚ましく、医療技術向上に貢献しています。

これらの最先端医療機器を導入できるのは、一般的に大病院です。クラウドサービス事業活用で、地方の診療所にかかっている患者の診察データが、大病院の医師と共有することができれば、当該医師の判断で地方にいる患者を大病院に搬送して必要な手術を早期に行える可能性があります。

また、大病院同士で手術予定や患者データを共有することで、必要な手術を場所に限定されないで行える可能性があります。

さらに、各装置や機器の技術向上は、より高精細度の映像情報を医師に提供できますので、ITを使った遠隔医療でも治療や診察レベルの維持向上寄与します。


一般的に多くの患者は、風邪などの軽度な症状であっても大病院に来る傾向があります。これは、通院している診療所の医師が患者のホームドクターの役割をできていないケースに多く起こるようです。

要は、患者が診療所の医師を信頼できないケースに発生します。診療所と大病院がクラウドサービスで患者データを共有していれば、診療所の医師が判断に迷うとき、大病院の専門医の助けを借りて診察できます。

この体制が国内に定着すると、患者はその症状に応じて適切な場所で必要な治療を受けることができますので、大病院への患者の集中化を防ぐと共に、総合的に医療効率が上がり、医療費抑制につながる効果が期待できます。

クラウドサービス事業を医療分野に適用すると、大きなメリットがあります。しかし、同時に患者データ・情報の保護は、徹底的に行う必要があります。

患者や病院内のデータ・情報をクラウド上に置くと、悪意のある人や団体からサイバー攻撃を受けて、データ・情報の流出や改ざんなどの破滅的な被害を受けるリスクがあります。

NTTなどの国内クラウドサービス事業者が、医療分野を開拓する場合、上記データ・情報の流出や改ざんから守る仕組みの開発・実用化が必要になります。

徹底的なセキュリティシステムの仕組みが必要になります。もし、国内ITベンダーが、現存するセキュリティシステム以上の機能・性能をもつ仕組みを開発・実用化できれば、新規事業機会獲得につながります。

クラウドサービス事業の利便性とサイバー攻撃によるデータ・情報漏えいのリスクは、表裏一体の関係にありますので、クラウドサービス事業者が事業する上でのリスク最小化は、確実に行うことが必要になります。

クラウドサービス事業は、今後、医療分野も含めて拡大していきますので、今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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