建築:木造住宅の屋根の話 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

中舎 重之
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建築:木造住宅の屋根の話

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          建築:木造住宅の屋根の話

 旅に出て、列車の窓から見える建物の屋根を眺めて居て気づく事があります。

昔ながらの富士山の形をした瓦葺きの屋根を見ると何故かほっとします。  

最近建築した現代風の水平の鋼板葺き屋根を見ると何故か心配になるのです。


 雨の日にホテルの窓からお寺の大きな屋根を見ていると屋根に雨が降り注ぎ、

雨が屋根の美しく反った勾配に倣い、流線を描いて流れ下る様子は見事であり、美しくもあります。 

日本の茶道の開祖である千利休は、「家は漏らぬほど、食事は飢えぬほどにて足る事なり」

と深みのある言葉を残しています。

  屋根の勾配は、屋根の水平の長さ1尺に対して垂直に1寸上がったものを、1寸勾配と呼んでいます。   

瓦葺きの屋根の場合、雨の多い関東地方では5寸勾配が基準であり、

雨の少ない関西地方では3寸勾配が標準のようです。

これが、銅板やアルミ、カラー鉄板等の継ぎ目の少ない金属板葺きの屋根になると関東で3寸5分、

関西で2寸と勾配が緩くなります。


  屋根葺きの材料の働きには、雨、風を防ぐのが第一とすると、

防火、防音、断熱性能等が第二であり、軽さ、丈夫さ、美しさ、工事のし易さが第三であると思います。 

瓦は粘土が原料で、防水性、防火性、断熱性、遮音性に富み、色調も美しく耐久性もあります。

ただし重さがある事で風には抵抗しますが、地震の時の重量に若干の不利がありす。


 金属性の材料は、断熱と雨の音等に難点があります。

軽くて施工しやすく、耐久性と耐火の面で優れています。   

銅板は腐食がなく薬品にも強く美しいのですが、価格が高いのが難点です。 

アルミは弱酸やアルカリに弱いのが気になります。

カラー鉄板は錆の問題が少し残り、断熱・防音のために下地材を付加して問題を解消しつつあります。


 屋根の形の話をします。

雪の多い所では、切り妻が基本です。

台風の本場の南の島は寄せ棟が主流です。軒が低いので嵐の時にも安心です。 

片流れは軒を出すと嵐の時に凧のように屋根を飛ばされたり、

高い方の軒先(棟)の納まりが難しく風向きにより雨を呼び込みます。


 屋根の形は単純なものほど雨漏りはなく、複雑な形や奇妙な屋根ほど雨漏りがしやいのです。

作家の曾野綾子さんが、「最近、著名な建築家の作品の建物を二つ、しみじみと見る機会があった。

どちらも、個性的で造形美の世界を持っていて、中に居ると建物の持つ詩のテーマが感じられた。

しかし、 そのどちらにも雨漏りに悩んでいる事にびっくりした」 と話されていました。


以上です。  2014年6月  中舎重之  

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