階段の設計が出来れば一人前。 - 住宅設計・構造全般 - 専門家プロファイル

杉浦 繁
Atelier繁建築設計事務所 代表
愛知県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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階段の設計が出来れば一人前。

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たかが階段されど階段・・2

 


 

そんな階段なのですが・・


実は適当に階段を作ることなど絶対に出来ません。


もちろん構造的にもディテール的にも非常に難しい部分なのですが・・

その構造や材質や形や大きさなどは細かく法律で規定されているからです。




階段は建物の種類・・


つまり住宅なのかマンションなのかショッピングセンターなのかによって大きく異なります。




まず踏面:


踏面というのは階段の段の足をのせる板部分の奥行きのこと。

これは建物の種類によって何cmから何cmの間などと決められています。




それから蹴上げ:


蹴上げというのは階段の一段の高さのこと。

これももちろん細かく定められています。


低すぎても高すぎても駄目・・

幼稚園や小学校などでは非常に低めに、ビルなどでは高めにと決まっています。




有効巾:


階段の通れる部分の巾。

4人家族しかいない住宅とマンションではおのずとその巾は大きく変わります。


さらには不特定多数の人が使う階段や避難のための階段などだと非常に大きな巾が要求されたりします。




踊り場の位置:


踊り場というのは階段の途中にある平坦な部分。

これも高さ何m以内に一カ所作らなければならないなどと決まっています。




手摺り:


これも建物の種類によるのですが高さや手摺り子の間隔や種類などが決められています。

ただ住宅ではかなり緩和されているので手摺りのない階段なども可能です。


ま、そんな馬鹿な階段が欲しい人はどうぞってことで・・




材質・構造:


住宅の階段ですとかなり自由ですが・・

それでも耐火要求がある場合や省令準耐火なんかで建てる場合だと木製でも裏側は防火材料なんかでいろいろと大変です。


もちろん外階段や避難階段なんかだと燃えない壊れない落ちない頑丈な階段ってことになります。




吹き抜け:


階段は階段であるがためにそこは必ず吹き抜けになります。

吹き抜けというのは何も部屋の上部のことだけではありません空間が上方につながっていればそこは吹き抜けです。


2階建て程度では問題ありませんが、吹き抜けは火事の際に煙突になってしまいますので建物の規模によってはそうならないようしなければなりません。




あ~面倒くさい!




で、さらに面倒くさいのは・・


階段というのは建物の種類や大きさによってその数、つまり何個階段を作らなければならないか・・


さらにはそれが直通階段なのかどうか、つまり降りたらそのまま外に出られる階段なのか・・


なんてのまで法律で決められています。




ま・・


こういうのは相当大きな建物の場合ですけど。




いやはや・・


思いの外大変でしょ階段って。



それだけ階段っていうのは建物にとって重要な部分であるってことで・・




建築の設計をする者にとっては階段の設計が出来るようになれば一人前とさえ言われる所なのです。







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