日経記事;『車載情報システム グーグル陣営、トヨタが参加』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『車載情報システム グーグル陣営、トヨタが参加』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月25日付の日経新聞に、『車載情報システム グーグル陣営、トヨタが参加』、『関連記事;トヨタ、車載情報で全方位戦略 アップルとも協力』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車は米グーグルと車載情報システム開発で提携する。グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を使い、カーナビゲーションやカーオーディオの機能を充実させる。

パイオニアやアルパイン、パナソニックなど国内のカーナビ大手もグーグルと組む。クルマと通信の融合をにらみ、自動車業界とIT(情報技術)大手の連携が活発になってきた。

クルマが外部と通信でつながると、カーナビに最新の地図情報を随時受け取ったり、車内で楽しむ音楽や映像を取り込んだりできる。車の位置情報を発信すると、渋滞情報や周辺案内のサービスを受けやすくなる。

トヨタはグーグル主導の開発組織「オープン・オートモーティブ・アライアンス」(OAA)参加も視野に、加盟済みのホンダ、米ゼネラル・モーターズ(GM)、独アウディなどに追随する。

米アップルもクルマと自社のスマホを連動させるサービス「カープレー」の普及を狙い、トヨタを含む数多くの車メーカーと連携している。トヨタはグーグルとも組むことで、スマホの二大陣営の両方に足場を築く。


・関連記事;トヨタ、車載情報で全方位戦略 アップルとも協力

トヨタ自動車が車載情報システムで全方位戦略を鮮明にする。米アップルの陣営に入りながらも、今月18日には独自の車向け情報サービス「T―Connect」を発表したばかりだった。一見相反するトヨタの動きの背景には、次世代の車載情報システムを巡る主導権争いがある。

クルマをより便利な乗り物にするうえでスマートフォン(スマホ)など情報通信技術との融合は欠かせない。車内でメールや交流サイト(SNS)を楽しむニーズが高まっているうえ、通信でアプリ(応用ソフト)やデータを随時取り込めるようになれば車載機器の機能向上も容易になる。

問題はスマホの世界が事実上アップル陣営とグーグル陣営に二分されている点だ。どちらか一方にくみした車載システムの場合、もう一方のスマホに慣れ親しんだ人には使いにくい。トヨタは双方と組む必要があった。

そこへあえて独自サービスをぶつけるのがトヨタ流だ。T―Connectは音声認識技術を活用し、会話感覚でカーナビなどを使う。「自ら技術を持たないことはありえない」(幹部)。アップルなどに車載システムの主導権を渡さないという意思が透けてみえる。

車載情報システムの先には「走る・曲がる・止まる」のクルマの基本機能を担う電子制御システムがある。将来の自動運転の礎になる技術だ。

トヨタやホンダの開発幹部は「絶対に外部に頼らない領域」と語るが、将来は車載情報システムと制御システムの境界線が曖昧になる可能性もある。

2030年以降に本格化する自動運転の時代をにらみ、自動車メーカーとIT大手のせめぎ合いがもう始まっている。』


IoTについては、何度か本ブログ・コラムで取り上げています。IoTは、Internet of Things のことであり、すべての製品や部品、装置がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みを意味しています。

IoT化された代表的な製品が、パソコン、スマホやタブレット端末機器になります。今後、IoT化は多くの家電製品や、産業機器などで普及が進むことが予想されています。

産業用途でIoT化を積極活用しているのは、米GE、日本の小松製作所、英ロールスロイス社などです。

何れもIoT化で製品やサービスの付加価値を向上して、他社と徹底的な差別化・差異化を可能にしようとしています。

インターネットやITは、既存事業基盤を根底から大きく変えようとしています。米大手ITベンダー、マイクロソフト、グーグル、アップル、アマゾンなどは、ITを武器に既存事業基盤を変えつつ、新規事業立上げを行って、主導権を取ろうとあらゆる機会を利用しようとしています。

残念ながら、現時点では、国内ITベンダーは、IoT化の動きの中で主導的な役割を果たしている企業はありません。


今まで自動車は、ITやIoT化の動きとは一線を画してきましたが、グーグルとアップルがその垣根を変えつつあります。

グーグルの場合は、自動車の自動運転の開発・実用化を本気で進めています。グーグルは米国内で数年かけて、自動運転の開発・実用化に関するノウハウ蓄積を進めています。

自動運転は、IoT化の典型的な応用例の一つになります。クラウドと通信技術の向上、センサーデバイスの技術向上、データの高速解析技術の進化・発展などが自動運転の開発・実用化を支えています。

将来的には、クラウドや通信環境が整った日本や米国などの市場で、自動車の自動運転の開発・実用化される可能性があります。

完全自動化はできなくても、安全走行、渋滞を避ける道路選択、車庫入れ、経済的な走行、災害時の緊急連絡と退避方法の連絡などの自動車の基本機能を自動化することは確実です。

米大手ITベンダーは、今まで国内市場のモノづくりの常識をITで切り崩してきました。特に、AV商品がメインの家電製品分野は、この影響をまともに受けました。

ソニーの家電メーカーとしての苦境が象徴しています。残念ながら現時点では、ソニーは、パソコン、スマホやタブレット端末機器で、アップルの後塵を拝す結果になっています。

米大手ITベンダーの強みは、製品企画力と開発力にあります。必要な人材は、外部から新規雇用して獲得します。

自社内には、ハードウェアの製造拠点はもたずに、すべて製造専業事業者に発注します。品質管理は徹底して行いますので、国内家電メーカーが自社内工場で製造したものと同じ品質・信頼性を担保した製品を市場に提供できます。

ソニーが現時点でアップルに負けているのは、製品企画力と開発力の差によります。ソニーがアップルや他の米大手ITベンダーと世界市場で競争して勝ち組になるためには、製品企画力と開発力を磨く必要があることは明白です。

もう一つ、米大手ITベンダーの強みは、ITやIoTを活用して、あらゆる事業分野で制限かけずに、新規事業立上げを行うやり方を取っていることです。

上記しましたように、ITやIoT化は、世の中の既存事業基盤を変革・破壊していきます。米大手ITベンダーが、それを実践しています。

ソニーが復活するには、自社の既存事業基盤にこだわらないで、ITやIoTをフル活用した新規事業立上げを行うことが重要になるとみています。

私の支援先企業にも同じことを言っています。すべての装置や製品をIoT化した付加価値やサービス提供を可能にする技術・ノウハウを持てと言っています。

今回、トヨタがグーグルと提携した理由の一つが、自動車のIoT化の動きで主導権を取られることへの警戒感があると考えます。

米国では、電気自動車メーカーのテスラモーターズのようなベンチャー企業が今後も生まれます。また、グーグルなどの米大手ITベンダーは、その資本力と潤沢な資金力で、中堅クラスの自動車メーカーの買収も可能です。

自動車は、既存の自動車メーカーだけしか、高信頼性・安全性・操作性などを担保したものを開発・実用化できないという前提は崩れつつあります。

トヨタは、世界最大の自動車メーカーとして、グーグルやアップルなどと連携・協業しつつ、自動車のIoT化と事業基盤の維持・拡大に向き合っていくことになります。

なお、自動車のIoT化も、国内ベンチャーや中小企業には、多くの新規事業機会が生まれます。

これらの視点から、自動車メーカーと米大手ITベンダーのIoT化の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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