「Cさんって凄いね。耳で客席の様子を的確につかんでいるんだね。私は音で判断するのが苦手だから眼を鍛えてきたんだけれど、あなたは、耳を鍛えていけばもっと凄い力になりそうね。素晴らしいわ。」
いつもはスタッフを褒めることなど全然しないスタッフリーダーのAさんです。なので、褒められたCさんは、一瞬何事かと目を丸くしましたが、すぐに褒めてもらったことに気がつき感謝の言葉を言いました。
「Aさん、ありがとうございます。Aさんが、ホールをよく見て、とおっしゃるので見なくちゃ見なくちゃとは思うんですが、なぜか私は耳の方が、つまり音を拾って反応する方が早いんです。なぜだかわかりませんが、本当は聴いちゃいけないんでしょうけれど、お客様の会話の声が自然と耳に入ってくるんです。だから、お客様が『じゃあ、そろそろ行こうか』なんて話されたら、『あ、このお客様お帰りになるんだ』と、わかるんです。やっぱり、お客様の会話を聴くなんていけないですよね・・・」
Cさんにとっては、ごく自然に耳に入ってくるお客様の会話を自分の判断材料にしていただけです。もちろんその会話に入るわけでもないし、誰かに話すわけでもありません。また、全部克明に覚えているわけでもなく、次から次へと入ってくる会話から、サービスに必要だと感じた物だけに反応しているだけなのです。
スタッフリーダーのAさんは、ここで店長から教えられた「スタッフ育成の6ステップ」の3つめ「ステップ3:部下に自分の強みに気づかせる」を行うことにしました。
「Cさんは、音や会話を拾って判断できる才能があるので、それをもっと伸ばせば良いのよ。眼で見て把握するのは、そのサポート的な感じで十分だと思うよ。あなたは、自分の得意な方法でお客様の要望や動きをつかめば良いのよ。だって、私たちが客席に注意を払う目的は『お客様にご満足いただくポイントを見つけること』だからね。」
「わかりました。ありがとうございます。Aさんにそう言われるとなんだか自信になります。私は聴く力をもっともっと鍛えて、お客様にご満足頂けるようがんばります!」
上司は部下の持っている「チカラ」「強み」「特徴」を発見し、それを引きだし、伸ばして、それを活用して成果を上げること、が仕事です。しかし、いくら部下の「強み」を見つけても、それを伸ばしたり活用したりするには、本人がそのことに気づかない限り出来ないのです。
しかし、この大切な「部下に自分の強みに気づかせる」と言う作業を積極的に行わない上司が多いのです。一度伝えただけとか、ちょっと褒めただけでは、「伝えた」だけにすぎません。「気づかせる」とは「伝えて」「伝わって」「自覚して」「自信を持つ」と言うことです。「強みに気づかせる」目的は、その「強み」を伸ばして活かす為なのです。
私自身の経験で言えば、私は何事にもポジティブな側面で判断する癖があり、ひとの行動も性善説でとらえるのですが、その「特徴」を「強み」として自覚させて下さったのは、私がマクドナルドで店長をしていた時の上司であったSさんです。私にいつも「まっちゃんは、スーパーポジティブやなあ~」と、会うたびに言って下さったことが、私の自覚と自信に繋がっているのです。何回も何回も言って下さいました。今思い出してもありがたい気持ちが湧いてきます。
さて、あなたは如何でしょうか?
あなたの目の前にいる部下に対して、彼ら彼女らの「特徴」をつかみ、それを「強み」として「自覚」するまで徹底的に伝えていますか?
部下は、自分の「強み」をあなたに気づかせてもらったことを一生忘れません。
そのことを忘れずに、部下をしっかりと「観察」いたしましょう!
※「6ステージ従業員満足」「360度評価」に関するご相談、従業員満足度調査、セミナー、研修、コンサルティングなどについては、弊社までメールかこのホームページの「お問い合わせ」「お気軽にご相談下さい」から、お問い合わせ下さい。ご連絡をお待ちしております。
いつもお読み頂きありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
※クリックして人気ブログランキングへ
■松下雅憲の著書について詳しくお知りになりたい方はこちらの画像をクリック!
■松下雅憲への「コンサルティング依頼」「講演・セミナー・研修依頼」についてはの公式ホームページへどうぞ
■松下雅憲が紹介されたページはこちら