「Aさん、15番のテーブルのお客様、そろそろお帰りになりますね。次のお客様の準備しておいていいですか?」
新人ホールスタッフのCさんが、言った言葉にスタッフリーダーのAさんはビックリしました。と言うのは、Aさんは、そのテーブルのお客様が「そろそろ帰られる」と言うことには気がつかなかったからです。
ほどなくして、そのテーブルのお客様は、食事と食後の会話を終えて、立ち上がりました。Cさんは、そのテーブルの近くまで寄っていたのですぐにお客様が、テーブルから離れやすいようにイスを引き、すぐ横で「ありがとうございました。またお越し下さいませ。」と、笑顔でお見送りの挨拶をしたのです。
実は、スタッフリーダーAさんの新人スタッフCさんへの評価は、さほど高いものではありませんでした。Cさんは、動きがやや緩慢でのんびりした感じなので、ランチタイムなどの忙しい時間帯では、Aさんのペースにあわず、いつもイライラさせられていたからでした。そんなCさんに対して、Aさんは、Cさんが一歩でも早めに動き出せるように、ホールをよく見て、お客様の動きを観察するように指導していました。
ところが、Cさんは、Aさんが教えた「お客様の観察方法」の通りにせずに、まるで注意力が散漫なひとのように何かを感じるとピクッとすぐにそちらの方を見てしまうのです。その為、Aさんは、観察力のないスタッフだと評価していたのです。しかし、店長から言われた「自分好みの能力をスタッフに要求しない」そして「スタッフの強みを発見するために『観察』をする」と指導されていたAさんは、冒頭の発言を聞いて、こう感じたのです。
「あれ?これって、もしかしてCさんの『強み』??」
そうです。Cさんは、眼ではなく耳で、お客様の様子を感じ取れる能力があったのです。
もちろん、ベテランのスタッフならば、眼と耳と空気感でお客様の様子を瞬時に把握します。もっと凄くなると、お客様が次に何をするかを「予測」「想像」出来る様になります。
Aさんは、Cさんの「耳による観察力は」、この「予測」に近い凄い能力だと感じたのです。実は、Aさん自身は、この「耳で観察」する方法が、今ひとつ苦手なのでした。なので、「眼で観察」する方法を磨き上げてきたのです。その為、部下に対してもそれを知らず知らずのうちに自分の得意な方法を指導していたのでした。しかし、Cさんは、自分の苦手な「耳の観察力」が高いのです。
「店長がおっしゃっているのはこう言うことか・・・・」
店長は、「スタッフ育成の6ステップ」をAさんに教えた時に、「観察のコツ」を聞いていました。それは、
「部下の強みを見つけようと観察する時は、『自分が苦手なところ』を中心に見ておくと気がつきやすいよ」という方法でした。Aさんは、「眼で観察する」のは得意ですが「耳で観察する」のは、苦手です。なので、店長の言葉の通りに、Cさんが、「音にどう反応するのか?」「音をどれくらい捕まえているのか?」について観察していたのです。そして、冒頭のシーンで、自分には気がつかなかったお客様の会話を、Cさんは自然と聴き取り、次の行動を予測する力を持っていることに気がついたのです。
「部下の強みを見つめるために観察する」
自分の苦手なポイントを中心に、部下が難なくそれをこなしていると、「あ、コイツ凄い」と思えますよね。
あなたの部下にも「あなたの苦手なところを得意とする」。そんな、凄い部下がいるかも知れませんよ。と言うか、実はみんな凄いんです。
「自分と同じではないからダメなのではなく、自分とは違うから凄い!」
あなたがこれを理解したら、あなたのチームは最強になりますよ!
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