日経記事;『革新力 The Company混沌を制する(2)コカ・コーラの浄水器 需要,冷たいうちに打て』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『革新力 The Company混沌を制する(2)コカ・コーラの浄水器 需要,冷たいうちに打て』に関する考察

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皆様、

おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月1日付の日経新聞に、『革新力 The Company混沌を制する(2)コカ・コーラの浄水器 需要,冷たいうちに打て』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『海水や廃水を含むどんな水も真水に浄化できる。しかも浄化のコストは1ガロン(約3.8リットル)当たりわずか約1セント――。こんな夢の浄水装置「スリングショット」がアフリカやインドの農村部で広まっている。

14年かけて開発したのは、電動二輪車「セグウェイ」の開発者で発明家のディーン・ケーメン(63)。セ氏100度で沸騰させ、気化した真水を取り出す。配っているのは米コカ・コーラだ。

「2020年までに女性の起業を500万件に増やす」(最高経営責任者のムーター・ケント、61)。農村部の女性に低価格で提供し、飲料水や浄化の際に生じる電気を売って収入を得られるようにする事業だが、単なる社会貢献ではない。

インドやアフリカの農村部にいる約40億人の世帯収入は年3千ドル未満。だが経済成長でいずれは自社商品の顧客となり、コカ・コーラ製品を売るパートナーともなり得る。ケントが見据えるのは「未来の市場作り」だ。

「産業革命以来の変化が続く」と話すのは米経営コンサルタントのラム・チャラン。震源は新興国、特に北緯31度以南のアジアやアフリカで進む「南」発経済成長や技術革新だと言う。

グローバル化時代を予言したのは「フラット化する世界」(05年刊行)だった。だがチャランは「傾いた世界」を近著(邦題「これからの経営は『南』から学べ」)で描く。今後20~30年間に10億人単位で中間層が育つ可能性もあるという。

バングラデシュでファーストリテイリングが運営する社会貢献型の格安衣料品店「グラミンユニクロ」。最近売り出したのは、現地で「サロワカミューズ」とよばれる女性向けの伝統衣装だ。

世界共通デザインが基本の同社にとって現地企画の衣料品は初。あえて取り組むのは「バングラ向けの商品づくりができればアフリカでも現地に合った商品開発が可能」(会長兼社長の柳井正、65)との判断がある。

「常温ヤクルトを開発せよ」。ヤクルト本社でこんな試みが進む。同社の主力品はセ氏10度以下の低温管理が必要。気温が高く流通網が未整備な中東、アフリカにも商品を売り込むためだ。

開発現場は宇宙にも及ぶ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と4月に乳酸菌の共同研究を始めた。宇宙飛行士にヤクルトの乳酸菌を摂取してもらい、腸内や免疫機能への効果を調べる。宇宙が先かアフリカが先か。先進国では及ばなかった発想が新領域を開く。

国際通貨基金(IMF)の予測では、今年の新興国の経済成長率は4.9%。陰りが見えるとはいえ先進国より倍以上高い。新車販売や携帯電話の市場規模も新興国が逆転した。大市場にどう向き合うか。試されるのは経営者の本気度だ。

インド北部のグルガオン。パナソニックは1月、開発センターを設置し公募した10人を派遣。4月からは副社長も常駐させた。「インドで第2のパナソニックをつくる」と社長の津賀一宏(57)は言う。

現地向けの製品のほか食糧、エネルギー関連の新規事業や世界戦略も練る。「傾き」を活用する経営の革新。日本企業にも成長の新たな道筋が見えてくる可能性は十分ある。』


現在の海外市場で、最もホットな地域は、ASEANを中心とする新興国市場です。これは、15歳から64歳までの生産年齢人口増加と彼らの所得水準向上が、消費者市場の柱となる中間所得層の拡大を実現したことによります。

ASEANの中で、最も発展したシンガポールを除くと、人口数や多くの日本企業が進出して、自動車や電気・電子機器の産業集積が実現したタイが、最も成功した国と言えます。

現在のタイは、昨年から続いている政治的混乱から、一部の行政機能や経済活動に影響が出ていますが、日系企業や現地企業の事業活動に大きなマイナス影響は出ないとみています。

このタイを目指して積極的に動いている国が、インドネシア、ベトナム、フィリピンです。タイを手本にして、日系企業などの外国企業からの投資を呼び込んで成長しようとしています。

多くの日系企業も、これらの3国への投資により、収益拡大を狙っています。

これら3国では、生産年齢人口増加していますので、タイに比べると比較的安い賃金で労働者確保ができますので、多くの日系企業が新規投資先として高い関心をもっています。

国内市場は、生産年齢人口の急激な減少から縮小しており、国内企業が収益拡大を行うには、現時点ではASEANを中心とする新興国市場、欧米市場での需要獲得が必要になります。

ASEANは、政治的に大きな問題がなければ、2015年以降に経済統合を行い、まずは域内の関税撤廃を実現する計画をもっています。

経済統合後のASEANは、域内貿易がさらに活性化することになりますので、日系企業は投資や販路開拓などの事業展開を加速させることになります。

この発展するASEANの隣に位置していますのが、バングラデシュ、インドです。両国とも、ASEAN以上のペースで、人口増加が進んでおり、生産年齢人口層が、ASEANと同じように巨大な中間所得層を形成すれば、大きな新規事業機会が生まれます。

バングラデシュでは、日系企業が繊維などの労働集約型事業の工場を展開しており、繊維産業は同国の大きな産業基盤になりつつあります。

繊維産業は、以前、中国が主要生産国でしたが、高騰する賃金や困難になっている労働者確保の問題から、現在はバングラデシュ、インドネシア、ミャンマーなどに関連企業が工場を移管しています。

インドネシアでは、毎年二桁の率で労働者賃金が上昇していますので、近い将来、繊維などの労働集約型事業の生産拠点は、バングラデシュやミャンマーに移管されるとみています。

バングラデシュは、ASEAN加盟国ではありませんが、ASEANの隣国であり、地政学的にも経済的な結びつきが強まるとみています。

本日の記事にあります、浄水装置「スリングショット」のインドでの販売事業は、長期間な視点から、女性企業家の数を増やしていき、将来的には中間所得層を構築する起爆剤の一つとして計画されていることに特徴があります。

また、浄水装置「スリングショット」の提供企業であるコカコーラ社は、当該事業を通じて同社のブランド浸透を図り、将来多くのコカ・コーラ信奉者をつくるやり方を取っています。

これは、女性の社会的地位と収入上昇を行う社会貢献事業から、将来は同社商品の大きな消費者市場を獲得を狙うやり方になります。基本的には、このやり方への反対はなく、受け入れられます。

コカコーラ社のやり方は、バングラデシュにあるグラミン銀行がマイクロファイナンスで事業化した、「マイクロクレジット」と呼ばれる貧困層(主に農村部の女性)を対象にした比較的低金利の無担保融資を行って、自立化を支援しつつ顧客層を増やしている方式に近いものです。

今後、国内企業がインド、バングラデシュ、あるいはアフリカに進出して事業する場合、長期的な思考とやり方で、情報収集して事業計画を作成し、実行することが重要であり、必要になります。

例えば、ASEANでは、最後のフロンティアと呼ばれるミャンマーへの関心が高くなっています。ミャンマーは、政治・経済の両面で、不安定さがあることと、電力や物流インフラがぜい弱です。

特に、中小企業がミャンマーへの進出を検討する場合、十分な情報収集と分析、周到な事業計画作成と実行が必要になります。

安易にミャンマーに進出することは、絶対に避ける必要があります。バングラデシュやインドへの進出も、同じように動くことが必要です。リスクを最小限にすることが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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