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中舎 重之
建築家

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稲垣 史朗
稲垣 史朗
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閲覧数順 2024年04月24日更新

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 木と音の話
 
  洋の東西を訪わず、楽器には木材が多く用いられています。

木材が共鳴体として優れており、振動した時に音としての放出エネルギーが大きく、

ロスになるエネルギーが少ない事にあります。

これは木材が軽い上に弾性が大きいからなのです。

ヴァイオリンの表甲で最高とされる欧州トウヒ(日本のアカエゾマツ)は特別に軽く弾性が高いことによるようです。

 ピアノは響版だけでなく、楽器全体も共鳴します。

しからば、ピアノが置かれる床も木にしてはと考えた人がおります。

東京の材木屋さんで試行錯誤の末に、表と裏にカバの材、中心にスプルースを貼り合わせた床材を開発しました。  

この床板の上で演奏するピアノの音は格別との事です。もちろんヴァイオリンを弾いても素晴らしいでしょうし、

特にチェロが奏でる音色は聞き手として、是非にあじわい深く聞いてみたいものです。


 音の話のついでに、もうひとつ話をさせて下さい。

 人間の耳には周波数が2万を超す音は聞こえないのだそうですが、

その様な超高音がカットされると人間は生理的 不快感におちいり、イライラするとの事です。  

最近のCDは人間の耳には聞こえない、この超高音をカットする事なく

録音することで、音楽が本来持っている癒しを付加しています。


 今日、住宅の設計では遮音、遮音と要求されますが、それも程度の問題かもしれません。

何故なら鉄筋コンクリート造の住宅では、超高音がカットされますので、

人間の精神を阻害する危険性があります。

それに引き替えて木造住宅では、その超高音が入ってくるので精神的には安定するそうです。

 日本人は、木の葉のざわめきや、虫の声などを聞き分けて、

脳のなかの神経を和らげる独特の感覚を持っているようですよ。

 では、そよ風にも、耳お澄ませてみましょう。 


                                      中 舎 重 之
                                      綜合企画設計工務 一級建築士事務所
                                      TEL:046-263-5029
                     FAX:046-263-9324




 

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