日経記事;『ニッポンの製造業 新たな挑戦三菱重工業(上) 「総花的経営」から脱却』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ニッポンの製造業 新たな挑戦三菱重工業(上) 「総花的経営」から脱却』に関する考察

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皆様、

おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月28日付の日経新聞に、『ニッポンの製造業 新たな挑戦三菱重工業(上) 「総花的経営」から脱却』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『三菱重工業の広島製作所(広島市)が米国のシェールガス革命に沸いている。豊富なガスを使った化学プラントの建設が相次ぎ、その心臓部となる圧縮機(コンプレッサー)の受注が舞い込んでいるためだ。

エチレンを年100万トン以上生産できる「メガエチレン」。三菱重工はこの巨大設備に搭載する世界最大のコンプレッサーを製造する。日本ならではの「擦り合わせ技術」を生かした製品。今年の受注は前年比4割増の1千億円に達する見込みだ。

「中小の集合体」

原子力・火力発電プラント、大型ロケット「H2A」、リニア中央新幹線――。戦前から現在に至るまで三菱重工は先端技術の担い手としてその都度、国の要請に応えてきた。その結果、製品群は700以上にも膨らんだ。しかし、その全てが世界で通用するわけではなく「中小企業の集合体」ともいわれる。

「実態が全然わからないじゃないか」。リーマン・ショックによる景気低迷で売上高が3兆円を割り、利益が急速に落ち込むなか、当時の社長である大宮英明氏(現会長)は各事業を厳しく格付けする「評価制度」の導入を決めた。歴史的に工場や事業部の権限が強く、トップまで詳しい情報が上がってこないためだ。

約60の事業を成長性やライバルとの比較、財務内容などで採点。「半分」もの事業で変革や縮小・撤退が必要だとの結果が出た。

現場からは反発の声もあがったが、大宮氏を昨年継いだ宮永俊一社長は制度の適用を徹底、商業印刷機やリチウムイオン電池などで分離や売却に踏み切った。

2013年度は新規事業に948億円を投資しながら1446億円の純現金収支(フリーキャッシュフロー)の黒字を確保。「社内に緊張感が高まり、こうやってお金を回すんだという意識が浸透した」(宮永社長)。連結純利益も1604億円と17年ぶりに過去最高を更新した。

M&A辞さず

現状には満足していない。売上高14兆円の米ゼネラル・エレクトリック(GE)や同10兆円の独シーメンスに比べ「まだまだ小さい会社」(宮永社長)。強みを極めるためにはライバルとの提携も辞さない。

「製鉄機械事業を統合してほしい」。今年1月、三菱重工の幹部が訪れた相手はシーメンスだ。同業界では欧州の三強と三菱重工がしのぎを削る。危機感が背中を押し、数カ月の交渉で今月、合意にこぎ着けた。

13年には米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)の中小型ガスタービン事業を買収、今年2月には日立製作所と火力発電システム事業を統合。矢継ぎ早の買収でGEに対抗できる事業拠点の広がりと製品群をそろえた。

「GDP(国内総生産)銘柄」。日本経済の歴史とともに歩んできた三菱重工はこう呼ばれる。日本が低成長時代に入ると売上高も3兆円で頭打ちになった。

再編で巨大化する海外勢には規模の拡大に加え、「参入障壁の高い事業や、長年の技術蓄積がないとできない事業」(宮永社長)に経営資源を集中投入して対抗する考えだ。「中小企業の集合体」から抜け出し、部門間の相乗効果を発揮できる総合力をどう引き出すか。宮永社長の挑戦は続く。』


エネルギーや環境分野などの分野で事業展開する重工業企業は、自動車メーカーと共に、国内経済を支える重要な柱の一つになります。

重工業企業としては、本日の記事にあります三菱重工業、日立製作所、東芝、IHI、富士重工業、川崎重工業などが大手企業となっており、多くの関連企業をもっており、自動車と同じようにすそ野の広い事業分野です。

国内重工業企業の競争力は、国内経済に重要なものになります。大手重工業企業が世界市場で勝ち組になると、素材・部品メーカーにも大きな新規事業機会が生まれますので、中小企業にも事業拡大の機会が生まれます。

また、国内重工業企業は、エネルギーや環境対応で、世界市場で勝ち組になれる技術・ノウハウをもっています。

国内市場は、人口減少による市場縮小化にありますので、事業拡大を図るには必然的に海外市場開拓を行なう必要があります。

世界市場での海外競合企業は、米GE、独シーメンスなどが代表例となります。

世界市場での成長領域は、エネルギーや環境であり、ASEANを中心とする新興国市場が当面の重要市場となります。なお、最近、シェールガス・シェールオイル革命に沸く米国やカナダも対象国となっています。

国内重工業企業は、単独でGEやシーメンスなどの世界企業と競争するのは、事業規模や事業展開力、さまざまな技術力・ビジネスノウハウなどの点で、まだ難しい状況です。

そこで、例えば、以前本ブログ・コラムで取り上げましたように、三菱重工は、2014年2月に日立製作所と火力発電システム事業を統合して、規模の拡大と高効率な事業体制確立により、上記世界企業と対抗しようとしています。

かっての国内重工業企業は、総合電機メーカーと同じように総花的な事業分野をもっており、幅の広いビジネスをしていました。

これは、市場が右肩上がりで拡大しているときには、1社で顧客の要望に応じることができるので、顧客満足度が高まると共に、収益拡大を図れるメリットがありました。また、国内市場を中心に事業展開しても、十分な収益をあげることができました。

しかし、上記しましたように、国内市場が縮小化すると、国内重工業企業同士の競合が厳しくなると共に、十分な収益確保ができななりました。

そこで、国内重工業企業は、海外市場開拓を積極的に行うようになりました。しかし、世界市場では、GEやシーメンスなどの欧米重工業企業がしっかとした事業展開を行っており、国内企業は後発組になっていました。

国内重工業企業がGEやシーメンスなどの世界企業と競争するには、総花的な企業ではなく、エネルギーや環境事業分野で、圧倒的に差別化・差異化を可能にする技術・ノウハウを構築・強化する必要があります。

そこで、ここ数年間の間に、三菱重工業、日立製作所、東芝、IHIなどの国内大手重工業企業は、企業連携・連合、海外企業の買収などを積極的に行って、得意分野を強化する動きを強めています。

最近では、本日の記事も含めて三菱重工の動きがより活発化している印象をもっています。現および前社長の指示の下、各事業を見直して、競争力強化を図る動きが加速していることを示しています。

これらの大手重工業企業の動きは、少々多めの事業分野をもつ中小・中堅企業にも大いに参考になります。

得意分野をますます強化して、徹底的な差別化・差異化を可能にする技術・ノウハウをもって、国内だけでなく海外市場開拓を行う積極姿勢が重要になります。

この視点から、今後の国内重工業企業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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