英検1級道場-シャーロックホームズの 「緋色の研究」の 研究 - 英語全般 - 専門家プロファイル

山中 昇
英検1級道場 
千葉県
英語講師

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対象:英語

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英検1級道場-シャーロックホームズの 「緋色の研究」の 研究

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シャーロックホームズの「緋色の研究」の研究

知人から宿題をもらった

シャーロックホームズのシリーズに「緋色の研究」というタイトルがあるが、このタイトルは誤訳ではないかという議論が、昔からあり、一部の出版社は、別のタイトルで出版している。貴方の意見はどうかという、謎解きのような宿題だった

偏見を持たないように、原文のペーパーバックをアマゾンで買い、精読し、下記の回答を送った

参考:読み終わった後、ネットで調べると、英文で書いたダイジェストがありました

なかなか良くできていました

http://encyclopedia.thefreedictionary.com/A+Study+in+Scarlet

 

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○○さん 

山中です、

A study in scarlet をペーパーバックで読みました 

本の記述で注目したのが下記の点です 

■Page 23 The Lauriston Garden Mystery

I had imagined that Sherlock Holmes would at once have hurried into the house and plunged into a study of the mystery

犯行現場に着くや否や、家の中に入り、調査(捜査)を始めると思っていた(のだが、彼はそうせず、家の周りを詳しく調査した)

ここのa studyは(犯行現場の)調査(捜査)という意味で使われており、「研究」という日本語は不適切と言わねばなりません 

■Page 32 What John Rance had to tell

I have made a special study of cigar ashes

ここも、studyが、煙草の灰を詳しく調べるという意味で使われており、「研究」という日本語では違和感があります

「調査(捜査)」に該当する単語は、他の場所で investigate, research, inquiry が使われています 

■studyについては、もう一つの発見がありました

Page 36 What John Rance had to tell

I must thank you it all. I might not have gone but for you, and so have missed the finest study I ever came across: a study in scarlet, eh?

ここは、前後関係からすると、「決定的証拠」という日本語が最適だと思います 

ここはさらに次の文章が続き、scarletの意味が鮮明になります

Why shouldn’t we use a little art jargon.

There’s the scarlet thread of murder running through the colourless skein of life, and our duty is to unravel it, and isolate it, and expose every inch of it. 

ここでは、糸(thread)の束(skein)を染料で染めるときの表現が使われています

私達の(Holmes, Watson)役割はそれ(複雑にからまる、人の一生の糸を)を解きほぐし、複雑にからまっている(どろどろとした)もの(この場合は、燃えたぎる憎悪と復讐の誓い)をえぐり出し、そのすべてを暴きだして難事件を解決することだ と言っています 

■この物語の最後に、もう1回だけstudyが出てきます

ロンドン警視庁の刑事たちの活躍でこの難事件が解決したというように報道されるという点を受けて、下記の表現が出て終わります

ここは、現場に残された証拠を手掛かりとして事件の背景や犯人像を推理し、事件を追いかけ、解決させた(のだから、それでいいじゃないか、刑事たちが解決したことにしておこうよ)という意味です

注:ワトソンはそれに我慢できず、あとから真実を明らかにするという設定になっています

Didn’t I tell you so when we started? cried Sherlock Holmes with a laugh.

That’s the result of all our Study in Scarlet: to get them a testimonial!

 

■上記から言えることは、「緋色の研究」とうタイトルは適切とは言えそうにないということです

この本は、Sherlock Holmsが関わった、難事件解決のための調査、捜査、現場検証、手掛かり、証拠、推理のやり方について詳しく述べています

研究という日本語は通常、別のことを意味します

一方、 study in という表現に注目して、緋色の研究というタイトルに難癖をつけている人も居ますが、目の付けどころとしては間違ってはいないし、決定的証拠、珠玉の作品と言った日本語がぴったりの個所もあるのですが、これも説得力に欠けると言わざるをえません 

まとめると、studyscarletは、本の中で、下記の文脈で使われています、

因みにscarletは「緋色」と訳され、「やや黄色みのある鮮やかな赤を意味する」と辞書に出ています

Holmesが、殺人現場に残された決定的な証拠(現場の壁に残されていた、血で書いたRACHEという文字)を手掛かりにし、どろどろとした人間の心模様(恋人を奪われて殺された男が、復讐の鬼となって2人の男を追跡し、ついに思いを果たす)を解きほぐす中で推理を進め、犯人検挙に至った 

つまり、「緋色の研究」というタイトルは適切ではないと考えるのですが、作者の意図を正確に伝え、しかもタイトルとしてパンチがある適当な表現が見つかりません!

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