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源泉徴収制度の法的意義

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税制改正 現行制度批判
今日は、私の税制への不満の1つについて、その法的構造を考えてみたい。
それは「源泉徴収制度」についてである。
私は、源泉徴収制度の存在が、
納税者を税に対して無関心にさせてきた元凶ではないかと考えている。
ひいては、法がどのようになっているのかについてさえ考えようともしない
わが国国民の政治的無関心を増幅させているような気がしてならないのである。

わが国の納税者では、給与所得者がかなりの割合を占めている。
給与所得のみの納税者は、給与を支払う雇用主から給与を支給されるときに、
税金分や社会保険等を天引きされて支給される。
そのため、税金をいくら払っているのか、関心が薄れてしまうのである。

それも、通常は年末調整において、会社が給与所得者の年税額を計算して、
12月分の給与の支給時に、天引きされる税額を調整して支給を受けることになり、
通常は、年末調整の際、天引き過大として還付される。

年末調整で還付される所得税額を、支払い過大による還付ではなく、
臨時の収入、つまりボーナスの一部であるかのような
錯覚を起こしている給与所得者が多いのではないだろうか。
その結果、自分が支払っている所得税額がいくらであるのか、
源泉徴収票を書いてあるにもかかわらず、
分からないし、関心もない納税者が増えてしまうのである。

本当にこのような状態でいいのだろうか?

また、源泉徴収制度の法的構造にも問題がある。

源泉徴収制度においては、
国に代わって納税者の租税を徴収することが許された源泉徴収義務者(雇用主)と
納税者との雇用関係に基づく私法関係と
納税者から集めているはずの税額を国に納付する義務を課された
源泉徴収義務者(雇用主)と国との租税債権を挟んだ公法関係とが存在するのみであり、
国と納税者との関係は断絶されているのである。

そのため、納税者は、税額を過大徴収されていたことに気付いても、
国に直接その過大分の還付を請求することが出来ないのである。
最高裁平成4年2月18日判決(平成2年(行ツ)155号)(民集46巻2号77頁)
において、原告が敗訴したことからもこのことは確認されるところである。
つまり、雇用主が過大徴収している場合には、
雇用主に還付請求しなければならないのである。

また、源泉徴収票の記載も納税者を混乱させる要因である。
源泉徴収票には税額欄があるが、ここに記載される税額は、
雇用主が納税者から天引きした税額ではない。
雇用主が国に対して納付するべき税額でしかないのである。

私は講義で学生に「給与明細をとっておけ」と繰り返し訴えている。
給与明細には、給与から天引きされた税額が記載されるからであり、
給与明細に記載された税額の合計と源泉徴収票の税額を
比較することを薦めています。

一年間、給与明細を取っておき、年末調整後に、
自己診断しているサラリーマンはどれだけいるのでしょうか?
大手企業では問題行動はないでしょうが、
労働組合もない中小零細企業では、どうでしょうか?

うちの事務所では、源泉税の納付時期に、アルバイトも含めて、
給与台帳の確認をさせて頂くよう顧問先にお願いしております。
手間がかかるかもしれませんが、全員の確認をすることが
適正な申告、納税の推進に繋がると信じているからです。

サラリーマンにも自分が納税者であることの自覚と責任を持って頂きたいものです。

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