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日経記事;『カネカのフィルム、スマホ画面の消費電力半減 液晶通過する光量を2倍に』に関する考察

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皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月2日付の日経新聞に、『カネカのフィルム、スマホ画面の消費電力半減 液晶通過する光量を2倍に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『スマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)の省エネにつながる部材の開発が進んでいる。カネカは液晶パネルの光源となるバックライトの光を従来の2倍通し、スマホ画面の消費電力を従来の半分程度に抑えるフィルムを開発した。

日東電工なども省エネ部材を強化。年内にも国内携帯電話に占めるスマホ比率が5割を超すとみられるなか、使いやすさを高める。

スマホでは通常、消費電力の4~5割程度を画面の液晶パネルが占めるといわれる。カネカの新型フィルムは液晶パネルの主要部材で光を調整する「偏光板」の保護に使う。

従来のフィルムは成型時のひずみや熱などの影響で光を通しづらくなる「複屈折」現象が起き、光源から発せられる光の10%しかパネル内を通せなかった。カネカは樹脂改質剤の技術を生かし、アクリル系樹脂を使い複屈折が起こらないようにした。

色むらも少ないため色や明るさを調整する専用の位相差フィルムも不要になり、光の透過性を世界最高水準の20%に高めたという。その結果、画面の明るさが同じなら半分の光の量ですみ、電池の持ちが良くなる。

カネカは国内のパネル大手にサンプル出荷を始め、新フィルムを2015年1月をメドに主力の大阪工場(大阪府摂津市)で本格生産に入る。

液晶画面の大きさが標準的な5インチサイズのスマホなら1億台分に相当する年1千万平方メートル生産できる。その後も数十億円程度投じて能力を引き上げ、17年3月期に年間売上高で200億円を狙う。

スマホ関連の省エネ部材の開発、販売は相次ぐ。日東電工は通常、偏光板が吸収する光を反射し、光源として再利用するフィルムを販売。製紙用薬品大手の星光PMCは、スマホやタブレットのタッチパネル用部材の電気抵抗を約3割減らす素材を開発した。タッチパネルの反応が早まり省エネにつながると7月から量産に入る。

スマホに使う各種部材では韓国メーカーなどの追い上げもあるが、依然として日本メーカーが強みを持つ。各社は得意分野に一段と注力し、体に装着して使うコンピューター機器「ウエアラブル端末」の普及をにらみ、優位性を確保する。』


本日の記事は、カネカや日東電工などのスマホやタブレット端末に使用する部材や部品の供給メーカーが、省エネや使い勝手などを向上しながら、コストダウンも可能にするものを開発・製造する動きについて書いています。

スマホやタブレット端末を外出中に使用する時に問題となるのが、消費電力の高さです。これらの端末機器を使い続けていると、あっという間に電池の残量表示が少なくなっていきます。

外出先でスマホやタブレット端末を再充電したりするのは面倒くさいことだし、不便です。端末機器の蓄電時間を延ばすには、電池性能の向上と消費電力の削減が必要になります。

本日の記事は、消費電力を削減する能力をもつ新素材や部品について述べています。国内メーカーが、現在成長をとげているスマホやタブレット端末機器の小型・軽量化・省電力化を実現するために、日々新素材や新部品の開発・実用化に注力しています。

これらの不断の努力により、国内素材・部品メーカーは世界市場で勝ち組になっています。本日の記事にありますカネカ、日東電工だけでなく、村田製作所、TDKなどのメーカーも、スマホやタブレット端末需要を取り込んでいます。

製品本体では、国内メーカーは世界市場で勝ち組になっていませんが、素材・部品分野では、多くの国内メーカーが勝ち組になっています。

電気・電子部品は、スマホやタブレット端末だけでなく、自動車関連需要も伸びています。自動車は、ますます電子化・IT化が加速していますので、電気・電子部品に対する需要が大きいものがあります。

日本電産、京セラ、アルプス電気、日東電工などがセンサーや車載カメラなどの安全を高める部品や、軽量化を可能にする新素材を自動車メーカーに提供しています。

国内電気・電子部品や素材メーカーは、世界市場でスマホやタブレット端末、自動車、各種家電機器などを素材や部品レベルでささえています。いわばこれら製品のプラットフォームを提供することになります。

素材や部品の提供者としてみますと、国内メーカーは製品レベルでは勝ち組にならなくても、勝ち組になる製品メーカーを支える事業機会を与えられます。国内メーカーの支えなしには、どの製品メーカーも世界市場で勝ち組になれないことになります。

上記しました国内メーカーは、世界市場で事業している製品メーカーを支えていますので、安定した事業環境を作れています。

このためには、国内メーカーは不断の開発・実用化の努力を継続して行っています。韓国、台湾、中国などの新興メーカーが出てきても、国内メーカーが現在の経営姿勢を変えない限り、国内メーカーの地位に変化はないと考えます。

別の視点から国内素材・部品メーカーの動きをみますと、その実力が少々誇張して言いますと国難も救います。

最近の代表例では、中国によるレアアースの輸出規制です。両国の国境紛争に端を発した問題は、中国による一種の経済制裁としてレアアースの輸出規制となりました。

この輸出規制に対して、国内素材メーカーは、電子材料、触媒・電池材料などの分野で、一斉にレアアース代替品の開発・実用化に動きました。

その結果、多くの素材・部品メーカーから、レアアースを使わない多くの素材や新規部品が供給されるようになっています。

完全にレアアースを不要にする素材や部品開発にはまだ至っていませんが、関連メーカーは、不断の努力を行っていますので、将来レアアースを必要としない事業環境を構築できる可能性があります。

他国も中国によるレアアース輸出規制の動きをみていまので、国内素材・部品メーカーによる代替品に対する潜在需要は高いものがあります。

レアアースについても、国内素材・部品メーカーは、脱レアアースの事業プラットフォームを世界市場に供給する形になります。

ここに、ベンチャーや中小企業が世界市場で勝ち組になるためのヒントがあります。事業や社会を支える素材・技術・部品などを供給して、BtoBタイプの事業モデルを維持強化するやり方になります。

市場規模が小さくても、ベンチャーや中小企業が提供する素材・技術・部品なしには存在しえない事業環境を作れれば、安定した収益の確保が可能になります。

国内メーカーは、事業を支えるプラットフォーム提供が得意です。ベンチャーや中小企業は、自社技術・ノウハウに磨きをかけて、競合他社を寄せ付けないようにすることが重要です。

本日の記事にあります日本電産、京セラ、アルプス電気、日東電工、TDK、日本電産などの動きを参考にしつつ、徹底的な差別化・差異化を可能にする技術・ノウハウを維持強化するやり方になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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