日経記事;『ソフトバンク、洋上風力発電に参入 茨城県沖で、17年稼働 主力の太陽光補う』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ソフトバンク、洋上風力発電に参入 茨城県沖で、17年稼働 主力の太陽光補う』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月30日付の日経新聞に、『ソフトバンク、洋上風力発電に参入 茨城県沖で、17年稼働 主力の太陽光補う』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『ソフトバンクは洋上風力発電事業に参入する。茨城県の沖合で計画する企業へ子会社を通じて5月中に出資する。年内に建設に入り、2017年に発電を始める計画。総事業費は数百億円の見通し。

ソフトバンクは再生可能エネルギー事業に力を入れるが、主力の太陽光発電所の新設に適した土地は残り少ない。風力発電も加え、再生エネ事業の拡大を続ける。

風力発電所の出力は9万キロワット。茨城県神栖市の海岸から600~1600メートル離れた沖合に、出力5000キロワットの発電機を18基設置する。日本で初めての商業用の洋上風力発電所となる見通し。総事業費は500億円を上回る可能性が高い。

稼働後に第2期として発電設備を増やし、25万キロワットへ増強する計画もある。資金は複数の金融機関による大型事業への融資(プロジェクトファイナンス)で調達する。

風力発電所の立地開発などを手がけるウィンド・パワー・エナジー(茨城県神栖市)を改組する特別目的会社(SPC)がプロジェクトを進める。ソフトバンクの電力事業子会社SBエナジー(東京・港)はSPCに5億円程度を出資し、2~3割の大株主となる。

日本風力発電協会(東京・港)によれば、13年度末の風力発電の国内設備は271万5000キロワット。ほぼすべて陸上に置かれている。ただし同協会は20年代から洋上風力の普及が進み、40年度には風力全体の5割弱が洋上になるとみている。

SBエナジーは主に大規模太陽光発電所(メガソーラー)で再生エネ事業を手がけ、稼働中の出力は6万5000キロワットを超えている。

政府は4月、再生可能エネルギーを固定価格で買い取る制度の対象に洋上風力発電を加えた。価格は1キロワット時当たり36円(税抜き)。大規模太陽光発電より同4円高く、採算性が良いとされる。

国内の洋上風力発電は官民共同で実証実験をしている段階。ノルウェー国営石油会社のスタットオイルが日立造船と組み、日本で浮体式の実証設備の建設を計画しているが、沖合に風車を置いた本格的な洋上風力は商用化されていない。』


以前に本ブログ・コラムで書きましたように、福島県楢葉町や長崎県五島列島の沖合で洋上風力発電の実証試験が行われています。

日本は、周りを海に取り囲まれていますので、、基本的には洋上風力発電には適した環境条件をもっています。

洋上風力発電の場合、投資運営コストは、浅瀬に直接固定する「着床式」が安くなります。欧州では、イギリスのような複数の国で、洋上風力発電装置が稼働しています。欧州では浅瀬が多いので、技術的に容易でコストが安い「着床式」が採用できることによります。

日本の場合、浅瀬がほとんどありません。周りは深海ですので、「着床式」が採用できません。従って、上記しましたように、福島県楢葉町や長崎県五島列島の沖合で「洋上風力発電設備」実証試験を行っています。

「洋上風力発電」の方が、「着床式」に比べてはるかに技術的難易度が高くなります。「洋上風力発電」は、耐久性や信頼性だけでなく、コストが大きな課題になります。

いくら良い発電装置でも、発電コストが高くては、実用向けではありません。日本は、現時点でほとんどの天然資源を輸入に頼っており、火力発電に要する天然ガスの調達コストは高くなる一方です。

必然的に発電コストが高くなります。日本企業の競争力強化のためには、安い電力が必要不可欠になります。

発電コストだけを考えると、現時点では原子力発電が最適なものの一つになります。しかし、現時点では原子力発電の再稼働のめどはたっていません。

現時点では、天然ガスや石炭などの火力発電に頼らざるを得ない状況にあります。

火力発電のもう一つの課題は、CO2排出にあります。

地球環境の悪化を食い止めるには、CO2排出量抑制が必要になります。火力発電の多用は、CO2排出量抑制に逆行するやり方になります。

化石燃料の使用を抑制するためには、太陽光、風力、地熱などの再生可能エネルギー発電への依存性を高める必要があります。

現在の日本では、最も普及が進んでいる再生可能エネルギー発電は、太陽光利用です。技術的難易度が最も低いことによります。

太陽光発電の課題は、気象条件の変化により発電能力が安定しないことと、現時点では発電コストが高いことです。

洋上風力発電の場合、耐久性と信頼性が担保できれば、多少の気象条件の変化があってもほぼ一定の発電能力をもてます。火力発電と同じように、一日24時間稼働が可能になります。発電コストが安くなれば、洋上風力発電は、再生可能エネルギー発電の代表格になります。

現在の洋上風力発電は、実用化したものではありません。福島県楢葉町や長崎県五島列島の沖合で実証試験を行っているのみです。

本日の記事では、ソフトバンクが2017年度から洋上風力発電事業を開始すると書いています。ソフトバンクがこの計画通りに洋上風力発電を実現すると、業界一番乗りになる可能性があります。

洋上での風力発電装置の設置には、漁業関係者の理解獲得が必要であり、船舶航行や港湾などの規制も複雑で、関係する省庁は複数にまたがりますので、ソフトバンクはこれらの規制対応も確実に行う必要があります。

しかし、ソフトバンクのような民間企業が本格的な洋上風力発電事業に参入する意義は大きいものがあります。

ソフトバンクの動きが、他の企業を刺激して洋上風力発電への事業参入が加速すると、競争により技術革新が起こり、新技術・新素材の採用により、高耐久性、高信頼性、低コスト化が実現します。

洋上風力発電は、日本国内だけでなく、海外市場でも大きな潜在需要が見込まれます。インターネットやITを駆使して、より高効率な発電・送電の仕組み作りを行うことも重要になります。米GEが積極的に実用化しようとしているIoTも解の一つになります。

米国では、ITベンダーが中核となって、エネルギー、環境、自動車などの分野で革新を起こしつつあります。

日本では、大手ITベンダーであるソフトバンクが、太陽光発電や洋上風力発電事業に積極参入しようとしています。ソフトバンクには、IoTを含めてインターネットやITをフル活用するビジネスモデルの構築と実施を期待します。

洋上風力発電事業は、周辺事業への波及効果が大きく、ベンチャーや中小企業にも大きな新規事業機会が生まれます。

福島県楢葉町や長崎県五島列島の沖合で実証試験結果や茨城県沖でのソフトバンクの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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