blog201404、不動産法 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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blog201404、不動産法

・借地非訟事件手続規則
・大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法
・『不動産取引判例百選』有斐閣
・『よくわかる都市計画法(改訂版)』
・都市計画法に関する最高裁判例(平成元年以降)


借地非訟事件手続規則
第1条(この規則の解釈及び運用)
第2条(管轄の合意の方式・法第四十一条)
第3条(参加・法第四十三条等)
第4条(脱退)
第5条(主任鑑定委員・法第四十七条)
第6条(鑑定委員の立会い・法第四十七条)
第7条(鑑定委員会の決議・法第四十七条)
第8条(鑑定委員会の意見・法第四十七条)
第9条(鑑定委員会の意見等の記録・法第四十七条)
第10条(申立ての方式)
第11条(申立書の送達・法第五十条)
第12条(建物等の譲受けの申立期間等)
第13条(申立ての変更に係る書面等の送付)
第14条(審問期日・法第五十一条)
第15条(期日の通知)
第16条(審理の準備及び計画)
第17条(当事者の陳述)
第18条(提出書類の直送)
第19条(調査の嘱託等)
第20条(申立ての取下げの合意の方式)
第21条(申立ての取下げがあった場合の取扱い等)
第22条(裁判書の送達・法第五十五条)
第23条(申立書の送達の規定の準用・法第六十条)
第24条(大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法の規定による事件の手続への準用)


大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法
(平成25年6月26日法律第61号)
第1条(趣旨)
第2条(特定大規模災害及びこれに対して適用すべき措置等の指定)
第3条(借地契約の解約等の特例)
第4条(借地権の対抗力の特例)
第5条(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可の特例)
第6条(強行規定)
第7条(被災地短期借地権)
第8条(従前の賃借人に対する通知)


『不動産取引判例百選』有斐閣
判例百選シリーズ。主に不動産の売買に関する判例が採録されている。民法でも重要判例とされている判例が多いし、刊行年が古いので、民法をしっかり勉強していれば不要であろう。

『よくわかる都市計画法(改訂版)』
本文277頁。平成24年刊。ぎょうせい刊。
第1章 都市計画法の位置づけと概要
都市計画法の条文を引用する。
(定義)
第4条 「都市計画」とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で、次章の規定に従い定められたものをいう。
2 「都市計画区域」とは次条の規定により指定された区域を、「準都市計画区域」とは第5条の2の規定により指定された区域をいう。
3 「地域地区」とは、第8条第1項各号に掲げる地域、地区又は街区をいう。
4 「促進区域」とは、第10条の2第1項各号に掲げる区域をいう。
5 「都市施設」とは、都市計画において定められるべき第11条第1項各号に掲げる施設をいう。
6 「都市計画施設」とは、都市計画において定められた第11条第1項各号に掲げる施設をいう。
7 「市街地開発事業」とは、第12条第1項各号に掲げる事業をいう。
8 「市街地開発事業等予定区域」とは、第12条の2第1項各号に掲げる予定区域をいう。
9 「地区計画等」とは、第12条の4第1項各号に掲げる計画をいう。
10 「建築物」とは建築基準法 第2条第1号 に定める建築物を、「建築」とは同条第13号 に定める建築をいう。
11 「特定工作物」とは、コンクリートプラントその他周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物で政令(施行令第1条)で定めるもの(以下「第1種特定工作物」という。)又はゴルフコースその他大規模な工作物で政令で定めるもの(以下「第2種特定工作物」という。)をいう。
12 「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。
13 「開発区域」とは、開発行為をする土地の区域をいう。
14 「公共施設」とは、道路、公園その他政令(施行令第1条の2)で定める公共の用に供する施設をいう。
15 「都市計画事業」とは、第59条の規定による認可又は承認を受けて行なわれる都市計画施設の整備に関する事業及び市街地開発事業をいう。
16 「施行者」とは、都市計画事業を施行する者をいう。

(都市計画区域)
第5条  都道府県は、市又は人口、就業者数その他の事項が政令(施行令第2条)で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。この場合において、必要があるときは、当該市町村の区域外にわたり、都市計画区域を指定することができる。
2  都道府県は、前項の規定によるもののほか、首都圏整備法 による都市開発区域、近畿圏整備法 による都市開発区域、中部圏開発整備法 による都市開発区域その他新たに住居都市、工業都市その他の都市として開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。
3  都道府県は、前二項の規定により都市計画区域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。
4  二以上の都府県の区域にわたる都市計画区域は、第1項及び第2項の規定にかかわらず、国土交通大臣が、あらかじめ、関係都府県の意見を聴いて指定するものとする。この場合において、関係都府県が意見を述べようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない。
5  都市計画区域の指定は、公告することによって行なう。
6  前各項の規定は、都市計画区域の変更又は廃止について準用する。

(準都市計画区域)
第5条の2  都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の建築・建設又はこれらの敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに農業振興地域の整備に関する法律 その他の法令による土地利用の規制の状況その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定することができる。
2  都道府県は、前項の規定により準都市計画区域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない。
3  準都市計画区域の指定は、公告することによって行う。
5  準都市計画区域の全部又は一部について都市計画区域が指定されたときは、当該準都市計画区域は、廃止され、又は当該都市計画区域と重複する区域以外の区域に変更されたものとみなす。

・都市計画の内容
(区域区分)
第7条  都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、「市街化区域」と「市街化調整区域」との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。ただし、次に掲げる都市計画区域については、区域区分を定めるものとする。
一  次に掲げる土地の区域の全部又は一部を含む都市計画区域
イ 首都圏整備法に規定する既成市街地又は近郊整備地帯
ロ 近畿圏整備法に規定する既成都市区域又は近郊整備区域
ハ 中部圏開発整備法に規定する都市整備区域
二  前号に掲げるもののほか、大都市に係る都市計画区域として政令(施行令第3条)で定めるもの
2 「市街化区域」は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。
3 「市街化調整区域」は、市街化を抑制すべき区域とする。

(地域地区)
第8条  都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる。
一  第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域(以下「用途地域」と総称する。)
二  特別用途地区
二の二  特定用途制限地域
二の三  特例容積率適用地区
二の四  高層住居誘導地区
三  高度地区又は高度利用地区
四  特定街区
四の二  都市再生特別措置法 第36条第1項の規定による都市再生特別地区
五  防火地域又は準防火地域
五の二  密集市街地整備法第31条第1項 の規定による特定防災街区整備地区
六  景観法 第61条第1項 の規定による景観地区
七  風致地区
八  駐車場法 第3条第1項 の規定による駐車場整備地区
九  臨港地区
十  古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法 第6条第1項 の規定による歴史的風土特別保存地区
十一  明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法 第3条第1項 の規定による第1種歴史的風土保存地区又は第2種歴史的風土保存地区
十二  都市緑地法 第5条 の規定による緑地保全地域、同法第12条 の規定による特別緑地保全地区又は同法第34条第1項 の規定による緑化地域
十三  流通業務市街地の整備に関する法律 第4条第1項の規定による流通業務地区
十四  生産緑地法 第3条第1項 の規定による生産緑地地区
十五  文化財保護法 第143条第1項 の規定による伝統的建造物群保存地区
十六  特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法 第4条第1項 の規定による航空機騒音障害防止地区又は航空機騒音障害防止特別地区
2  準都市計画区域については、都市計画に、前項第1号~第2号の2、第3号(高度地区に係る部分に限る。)、第6号、第7号、第12号(都市緑地法第5条 の規定による緑地保全地域に係る部分に限る。)又は第15号に掲げる地域又は地区を定めることができる。
3  地域地区については、都市計画に、第1号及び第2号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第3号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
一  地域地区の種類(特別用途地区にあっては、その指定により実現を図るべき特別の目的を明らかにした特別用途地区の種類)、位置及び区域
二  次に掲げる地域地区については、それぞれ次に定める事項
イ 用途地域 建築基準法第52条第1項第1号~第4号に規定する建築物の容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合をいう)並びに同法第53条の2第1項及び第2項 に規定する建築物の敷地面積の最低限度(建築物の敷地面積の最低限度にあっては、当該地域における市街地の環境を確保するため必要な場合に限る。)
ロ 第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域 建築基準法第53条第1項第1号 に規定する建築物の建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合をいう)、同法第54条 に規定する外壁の後退距離の限度(低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため必要な場合に限る。)及び同法第55条第1項 に規定する建築物の高さの限度
ハ 第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域 建築基準法第53条第1項第1号~第3号又は第5号 に規定する建築物の建ぺい率
ニ 特定用途制限地域 制限すべき特定の建築物等の用途の概要
ホ 特例容積率適用地区 建築物の高さの最高限度(当該地区における市街地の環境を確保するために必要な場合に限る。)
ヘ 高層住居誘導地区 建築基準法第52条第1項第5号 に規定する建築物の容積率、建築物の建ぺい率の最高限度(当該地区における市街地の環境を確保するため必要な場合に限る。次条第16項において同じ。)及び建築物の敷地面積の最低限度(当該地区における市街地の環境を確保するため必要な場合に限る。次条第16項において同じ。)
ト 高度地区 建築物の高さの最高限度又は最低限度(準都市計画区域内にあっては、建築物の高さの最高限度。次条第17項において同じ。)
チ 高度利用地区 建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限(壁面の位置の制限にあっては、敷地内に道路(都市計画において定められた計画道路を含む。以下この号において同じ。)に接して有効な空間を確保して市街地の環境の向上を図るため必要な場合における当該道路に面する壁面の位置に限る。次条第18項において同じ。)
リ 特定街区 建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限
三  面積その他の政令(施行令4条)で定める事項
4  都市再生特別地区、特定防災街区整備地区、景観地区及び緑化地域について都市計画に定めるべき事項は、前項第1号及び第3号に掲げるもののほか、別に法律で定める。

第9条  第1種低層住居専用地域は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。
2  第2種低層住居専用地域は、主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。
3  第1種中高層住居専用地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。
4  第2種中高層住居専用地域は、主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。
5  第1種住居地域は、住居の環境を保護するため定める地域とする。
6  第2種住居地域は、主として住居の環境を保護するため定める地域とする。
7  準住居地域は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域とする。
8  近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域とする。
9  商業地域は、主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域とする。
10  準工業地域は、主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域とする。
11  工業地域は、主として工業の利便を増進するため定める地域とする。
12  工業専用地域は、工業の利便を増進するため定める地域とする。
13  特別用途地区は、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区とする。
14  特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする。
15  特例容積率適用地区は、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域又は工業地域内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において、建築基準法第52条第1項~第9項の規定による建築物の容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区とする。
16  高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域でこれらの地域に関する都市計画において建築基準法第52条第1項第2号 に規定する建築物の容積率が400%又は500%と定められたものの内において、建築物の容積率の最高限度、建築物の建ぺい率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区とする。
17  高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区とする。
18  高度利用地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区とする。
19  特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区とする。
20  防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。
21  風致地区は、都市の風致を維持するため定める地区とする。
22  臨港地区は、港湾を管理運営するため定める地区とする。

第10条  地域地区内における建築物その他の工作物に関する制限については、この法律に特に定めるもののほか、別に法律(建築基準法など)で定める。

(促進区域) 第10条の2
(遊休土地転換利用促進地区)第10条の3
(被災市街地復興推進地域)第10条の4

(都市施設)
第11条  都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる施設を定めることができる。この場合において、特に必要があるときは、当該都市計画区域外においても、これらの施設を定めることができる。
一  道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設
二  公園、緑地、広場、墓園その他の公共空地
三  水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設
四  河川、運河その他の水路
五  学校、図書館、研究施設その他の教育文化施設
六  病院、保育所その他の医療施設又は社会福祉施設
七  市場、と畜場又は火葬場
八  一団地の住宅施設(一団地における50戸以上の集団住宅及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
九  一団地の官公庁施設(一団地の国家機関又は地方公共団体の建築物及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
十  流通業務団地
十一  一団地の津波防災拠点市街地形成施設(津波防災地域づくりに関する法律 第2条第15項 に規定する一団地の津波防災拠点市街地形成施設をいう。)
十二  一団地の復興拠点市街地形成施設(大規模災害からの復興に関する法律 第2条第9号 に規定する一団地の復興拠点市街地形成施設をいう。)
十三  その他政令で定める施設
2  都市施設については、都市計画に、都市施設の種類、名称、位置及び区域を定めるものとするとともに、面積その他の政令(施行令6条)で定める事項を定めるよう努めるものとする。
3  道路、河川その他の政令(施行令6条の2)で定める都市施設については、前項に規定するもののほか、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要があるときは、当該都市施設の区域の地下又は空間について、当該都市施設を整備する立体的な範囲を都市計画に定めることができる。この場合において、地下に当該立体的な範囲を定めるときは、併せて当該立体的な範囲からの離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度(当該離隔距離に応じて定めるものを含む。)を定めることができる。
4  密集市街地整備法第30条 に規定する防災都市施設に係る都市施設、都市再生特別措置法第19条の4の規定により付議して定める都市計画に係る都市施設及び同法第51条第1項 の規定により決定又は変更をする都市計画に係る都市施設、都市鉄道等利便増進法 第19条 の規定により付議して定める都市計画に係る都市施設、流通業務団地、一団地の津波防災拠点市街地形成施設並びに一団地の復興拠点市街地形成施設について都市計画に定めるべき事項は、この法律に定めるもののほか、別に法律で定める。
5  次に掲げる都市施設については、第12条の3第1項の規定により定められる場合を除き、第1号又は第2号に掲げる都市施設にあっては国の機関又は地方公共団体のうちから、第3号に掲げる都市施設にあっては流通業務市街地の整備に関する法律第10条に規定する者のうちから、当該都市施設に関する都市計画事業の施行予定者を都市計画に定めることができる。
一  区域の面積が20ヘクタール以上の一団地の住宅施設
二  一団地の官公庁施設
三  流通業務団地
6  前項の規定により施行予定者が定められた都市施設に関する都市計画は、これを変更して施行予定者を定めないものとすることができない。

(市街地開発事業)
第12条  都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる事業を定めることができる。
一  土地区画整理法 による土地区画整理事業
二  新住宅市街地開発法 による新住宅市街地開発事業
三  首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律(昭和三十3年法律第9八号)による工業団地造成事業又は近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律 による工業団地造成事業
四  都市再開発法 による市街地再開発事業
五  新都市基盤整備法 による新都市基盤整備事業
六  大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 による住宅街区整備事業
七  密集市街地整備法 による防災街区整備事業
2  市街地開発事業については、都市計画に、市街地開発事業の種類、名称及び施行区域を定めるものとするとともに、施行区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。
3  土地区画整理事業については、前項に定めるもののほか、公共施設の配置及び宅地の整備に関する事項を都市計画に定めるものとする。
4  市街地開発事業について都市計画に定めるべき事項は、この法律に定めるもののほか、別に法律で定める。
5  第1項第2号、第3号又は第5号に掲げる市街地開発事業については、第12条の3第1項の規定により定められる場合を除き、これらの事業に関する法律(新住宅市街地開発法第45条第1項 を除く。)において施行者として定められている者のうちから、当該市街地開発事業の施行予定者を都市計画に定めることができる。
6  前項の規定により施行予定者が定められた市街地開発事業に関する都市計画は、これを変更して施行予定者を定めないものとすることができない。

(市街地開発事業等予定区域)第12条の2
(市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画に定める事項) 第12条の3
(地区計画等)第12条の4、第12条の5  
(建築物の容積率の最高限度を区域の特性に応じたものと公共施設の整備状況に応じたものとに区分して定める地区整備計画) 第12条の6
(区域を区分して建築物の容積を適正に配分する地区整備計画) 第12条の7
(高度利用と都市機能の更新とを図る地区整備計画) 第12条の8
(住居と住居以外の用途とを適正に配分する地区整備計画) 第12条の9
(区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物の整備を誘導する地区整備計画) 第12条の10
(道路の上空又は路面下において建築物等の整備を一体的に行うための地区整備計画) 第12条の11
(適正な配置の特定大規模建築物を整備するための地区整備計画) 第12条の12
(防災街区整備地区計画等について都市計画に定めるべき事項) 第12条の13

(都市計画基準)
第13条  都市計画区域について定められる都市計画(区域外都市施設に関するものを含む。次項において同じ。)は、国土形成計画、首都圏整備計画、近畿圏整備計画、中部圏開発整備計画、北海道総合開発計画、沖縄振興計画その他の国土計画又は地方計画に関する法律に基づく計画(当該都市について公害防止計画が定められているときは、当該公害防止計画を含む。第3項において同じ。)及び道路、河川、鉄道、港湾、空港等の施設に関する国の計画に適合するとともに、当該都市の特質を考慮して、次に掲げるところに従って、土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを、一体的かつ総合的に定めなければならない。この場合においては、当該都市における自然的環境の整備又は保全に配慮しなければならない。
一  都市計画区域の整備、開発及び保全の方針は、当該都市の発展の動向、当該都市計画区域における人口及び産業の現状及び将来の見通し等を勘案して、当該都市計画区域を一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全することを目途として、当該方針に即して都市計画が適切に定められることとなるように定めること。
二  区域区分は、当該都市の発展の動向、当該都市計画区域における人口及び産業の将来の見通し等を勘案して、産業活動の利便と居住環境の保全との調和を図りつつ、国土の合理的利用を確保し、効率的な公共投資を行うことができるように定めること。
三  都市再開発の方針は、市街化区域内において、計画的な再開発が必要な市街地について定めること。
四  住宅市街地の開発整備の方針は、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第4条第1項 に規定する都市計画区域について、良好な住宅市街地の開発整備が図られるように定めること。
五  拠点業務市街地の開発整備の方針は、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律第8条第1項 の同意基本計画において定められた同法第2条第2項 の拠点地区に係る市街化区域について、当該同意基本計画の達成に資するように定めること。
六  防災街区整備方針は、市街化区域内において、密集市街地整備法第2条第1号 の密集市街地内の各街区について同条第2号 の防災街区としての整備が図られるように定めること。
七  地域地区は、土地の自然的条件及び土地利用の動向を勘案して、住居、商業、工業その他の用途を適正に配分することにより、都市機能を維持増進し、かつ、住居の環境を保護し、商業、工業等の利便を増進し、良好な景観を形成し、風致を維持し、公害を防止する等適正な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする。
八  促進区域は、市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、主として関係権利者による市街地の計画的な整備又は開発を促進する必要があると認められる土地の区域について定めること。
九  遊休土地転換利用促進地区は、主として関係権利者による有効かつ適切な利用を促進する必要があると認められる土地の区域について定めること。
十  被災市街地復興推進地域は、大規模な火災、震災その他の災害により相当数の建築物が滅失した市街地の計画的な整備改善を推進して、その緊急かつ健全な復興を図る必要があると認められる土地の区域について定めること。
十一  都市施設は、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位置に配置することにより、円滑な都市活動を確保し、良好な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び下水道を定めるものとし、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域及び準住居地域については、義務教育施設をも定めるものとする。
十二  市街地開発事業は、市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域について定めること。
十三  市街地開発事業等予定区域は、市街地開発事業に係るものにあっては市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域について、都市施設に係るものにあっては当該都市施設が第11号前段の基準に合致することとなるような土地の区域について定めること。
十四  地区計画は、公共施設の整備、建築物の建築その他の土地利用の現状及び将来の見通しを勘案し、当該区域の各街区における防災、安全、衛生等に関する機能が確保され、かつ、その良好な環境の形成又は保持のためその区域の特性に応じて合理的な土地利用が行われることを目途として、当該計画に従って秩序ある開発行為、建築又は施設の整備が行われることとなるように定めること。この場合において、次のイからハまでに掲げる地区計画については、当該イからハまでに定めるところによること。
イ 市街化調整区域における地区計画 市街化区域における市街化の状況等を勘案して、地区計画の区域の周辺における市街化を促進することがない等当該都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないように定めること。
ロ 再開発等促進区を定める地区計画 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とが図られることを目途として、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備が実施されることとなるように定めること。この場合において、第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域については、再開発等促進区の周辺の低層住宅に係る良好な住居の環境の保護に支障がないように定めること。
ハ 開発整備促進区を定める地区計画 特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進が図られることを目途として、一体的かつ総合的な市街地の開発整備が実施されることとなるように定めること。この場合において、第2種住居地域及び準住居地域については、開発整備促進区の周辺の住宅に係る住居の環境の保護に支障がないように定めること。
十五  防災街区整備地区計画は、当該区域の各街区が火事又は地震が発生した場合の延焼防止上及び避難上確保されるべき機能を備えるとともに、土地の合理的かつ健全な利用が図られることを目途として、一体的かつ総合的な市街地の整備が行われることとなるように定めること。
十六  歴史的風致維持向上地区計画は、地域におけるその固有の歴史及び伝統を反映した人々の活動とその活動が行われる歴史上価値の高い建造物及びその周辺の市街地とが一体となって形成してきた良好な市街地の環境の維持及び向上並びに土地の合理的かつ健全な利用が図られるように定めること。
十七  沿道地区計画は、道路交通騒音により生ずる障害を防止するとともに、適正かつ合理的な土地利用が図られるように定めること。この場合において、沿道再開発等促進区(幹線道路の沿道の整備に関する法律第9条第3項 の規定による沿道再開発等促進区をいう)を定める沿道地区計画については、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とが図られることを目途として、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備が実施されることとなるように定めることとし、そのうち第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域におけるものについては、沿道再開発等促進区の周辺の低層住宅に係る良好な住居の環境の保護に支障がないように定めること。
十八  集落地区計画は、営農条件と調和のとれた居住環境を整備するとともに、適正な土地利用が図られるように定めること。
十九  前各号の基準を適用するについては、第6条第1項の規定による都市計画に関する基礎調査の結果に基づき、かつ、政府が法律に基づき行う人口、産業、住宅、建築、交通、工場立地その他の調査の結果について配慮すること。
2  都市計画区域について定められる都市計画は、当該都市の住民が健康で文化的な都市生活を享受することができるように、住宅の建設及び居住環境の整備に関する計画を定めなければならない。
3  準都市計画区域について定められる都市計画は、第1項に規定する国土計画若しくは地方計画又は施設に関する国の計画に適合するとともに、地域の特質を考慮して、次に掲げるところに従って、土地利用の整序又は環境の保全を図るため必要な事項を定めなければならない。この場合においては、当該地域における自然的環境の整備又は保全及び農林漁業の生産条件の整備に配慮しなければならない。
一  地域地区は、土地の自然的条件及び土地利用の動向を勘案して、住居の環境を保護し、良好な景観を形成し、風致を維持し、公害を防止する等地域の環境を適正に保持するように定めること。
二  前号の基準を適用するについては、第6条第2項の規定による都市計画に関する基礎調査の結果に基づくこと。
4  都市再開発方針等、第8条第1項第4号の2、第5号の2、第6号、第8号及び第1号から第1六号までに掲げる地域地区、促進区域、被災市街地復興推進地域、流通業務団地、一団地の津波防災拠点市街地形成施設、一団地の復興拠点市街地形成施設、市街地開発事業、市街地開発事業等予定区域(第12条の2第1項第4号及び第5号に掲げるものを除く。)、防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画、沿道地区計画並びに集落地区計画に関する都市計画の策定に関し必要な基準は、前3項に定めるもののほか、別に法律で定める。
5  地区計画を都市計画に定めるについて必要な基準は、第1項及び第2項に定めるもののほか、政令で定める。
6  都市計画の策定に関し必要な技術的基準は、政令で定める。

第4章 都市計画制限等
1 開発行為等の規制
開発行為の許可(都市計画法29条)は、1000平方メートル以上(例外的に300平方メートル以上)の土地に建物建築、形質変更等をする場合に必要である。
2 開発行為の許可が不要な例外
例外的に、開発許可が不要な場合がある。例えば、50戸連担の場合など。なお、既存宅地の例外は平成12年に廃止された。
3 不服申立て
開発行為の不許可に対する不服申立ては、開発審査会に対する審査請求を行う必要がある(不服申立前置主義)(都市計画法50条)。


都市計画法に関する最高裁判例(平成元年以降)

○違法性
 小田急線連続立体交差事業認可処分取消,事業認可処分取消請求事件
 平成18年11月2日  最高裁第一小法廷  判決
棄却、 民集 第60巻9号3249頁
【判示事項】
 都知事が行った都市高速鉄道に係る都市計画の変更が鉄道の構造として高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないとされた事例
【裁判要旨】
 都知事が都市高速鉄道に係る都市計画の変更を行うに際し鉄道の構造として高架式を採用した場合において,(1)都知事が,建設省の定めた連続立体交差事業調査要綱に基づく調査の結果を踏まえ,上記鉄道の構造について,高架式,高架式と地下式の併用,地下式の三つの方式を想定して事業費等の比較検討をした結果,高架式が優れていると評価し,周辺地域の環境に与える影響の点でも特段問題がないと判断したものであること,(2)上記の判断が,東京都環境影響評価条例(昭和55年東京都条例第96号。平成10年東京都条例第107号による改正前のもの)23条所定の環境影響評価書の内容に十分配慮し,環境の保全について適切な配慮をしたものであり,公害対策基本法19条に基づく公害防止計画にも適合するものであって,鉄道騒音に対して十分な考慮を欠くものであったとはいえないこと,(3)上記の比較検討において,取得済みの用地の取得費等を考慮せずに事業費を算定したことは,今後必要となる支出額を予測するものとして合理性を有するものであることなど判示の事情の下では,上記の都市計画の変更が鉄道の構造として高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるということはできない。
【参照法条】
 都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの)13条1項,都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの)21条2項,都市計画法(平成11年法律第87号による改正前のもの)18条1項,公害対策基本法19条,東京都環境影響評価条例(昭和55年東京都条例第96号。平成10年東京都条例第107号による改正前のもの)23条


○違法性
事業認可処分取消請求事件
 平成18年09月04日 最高裁第二小法廷  判決
 破棄差戻し、  裁判集民事 第221号5頁
【判示事項】
 建設大臣が林業試験場の跡地を利用して設置される公園に関する都市計画を決定するに当たって上記試験場の樹木の保全のためには上記試験場の南門の位置に上記公園の南門を設けるのが望ましいという前提の下に南門と区道との接続部分として利用するため国有地ではなくこれに隣接する民有地を上記公園の区域に定めたことについて裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものということはできないとした原審の判断に違法があるとされた事例
【裁判要旨】
 建設大臣が,林業試験場の跡地を利用して設置される公園に関する都市計画を決定するに当たって,上記試験場には貴重な樹木が多くその保全のためには上記試験場の南門の位置に上記公園の南門を設けるのが望ましいという前提の下に,南門と区道との接続部分として利用するため,上記試験場と区道とに挟まれた土地のうち,国家公務員宿舎の敷地として利用されている国有地ではなく,これに隣接する民有地を上記公園の区域に定めたことについて,南門の位置を変更し上記民有地ではなく上記国有地を上記公園の用地として利用することにより上記試験場の樹木に悪影響が生ずるか,悪影響が生ずるとしてこれを樹木の植え替えなどによって回避するのは困難であるかなど,建設大臣の判断が合理性を欠くものであるかどうかを判断するに足りる具体的な事実を確定することなく,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものということはできないとした原審の判断には,違法がある。
【参照法条】
 旧都市計画法(昭和43年法律第100号による廃止前のもの)3条,都市計画法18条1項


○違法性
 建築物撤去等請求事件
 平成18年3月30日  最高裁第一小法廷  判決
 棄却、 民集 第60巻3号948頁
【判示事項】
 1 良好な景観の恵沢を享受する利益は法律上保護されるか
2 良好な景観の恵沢を享受する利益に対する違法な侵害に当たるといえるために必要な条件
3 直線状に延びた公道の街路樹と周囲の建物とが高さにおいて連続性を有し調和がとれた良好な景観を呈している地域において地上14階建ての建物を建築することが良好な景観の恵沢を享受する利益を違法に侵害する行為に当たるとはいえないとされた事例
【裁判要旨】
 1 良好な景観に近接する地域内に居住する者が有するその景観の恵沢を享受する利益は,法律上保護に値するものと解するのが相当である。
2 ある行為が良好な景観の恵沢を享受する利益に対する違法な侵害に当たるといえるためには,少なくとも,その侵害行為が,刑罰法規や行政法規の規制に違反するものであったり,公序良俗違反や権利の濫用に該当するものであるなど,侵害行為の態様や程度の面において社会的に容認された行為としての相当性を欠くことが求められる。
3 南北約1.2kmにわたり直線状に延びた「大学通り」と称される幅員の広い公道に沿って,約750mの範囲で街路樹と周囲の建物とが高さにおいて連続性を有し,調和がとれた良好な景観を呈している地域の南端にあって,建築基準法(平成14年法律第85号による改正前のもの)68条の2に基づく条例により建築物の高さが20m以下に制限されている地区内に地上14階建て(最高地点の高さ43.65m)の建物を建築する場合において,(1)上記建物は,同条例施行時には既に根切り工事をしている段階にあって,同法3条2項に規定する「現に建築の工事中の建築物」に当たり,上記条例による高さ制限の規制が及ばないこと,(2)その外観に周囲の景観の調和を乱すような点があるとは認め難いこと,(3)その他,その建築が,当時の刑罰法規や行政法規の規制に違反したり,公序良俗違反や権利の濫用に該当するなどの事情はうかがわれないことなど判示の事情の下では,上記建物の建築は,行為の態様その他の面において社会的に容認された行為としての相当性を欠くものではなく,上記の良好な景観に近接する地域内に居住する者が有するその景観の恵沢を享受する利益を違法に侵害する行為に当たるとはいえない。
【参照法条】
 (1~3につき)民法709条,憲法13条,景観法2条1項,東京都景観条例(平成9年東京都条例第89号)1条,国立市都市景観形成条例(平成10年国立市条例第1号)1条,都市計画法(平成12年法律第73号による改正前のもの)12条の4,都市計画法(平成12年法律第73号による改正前のもの)12条の5第3項,建築基準法(平成14年法律第85号による改正前のもの)68条の2,国立市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例(平成11年国立市条例第30号。平成12年国立市条例第26号による改正前のもの)7条(3につき)建築基準法(平成14年法律第85号による改正前のもの)3条2項


○補償請求権
市道区域決定処分取消等請求事件
 平成17年11月1日  最高裁第三小法廷  判決
 棄却 、 裁判集民事 第218号187頁
【判示事項】
 昭和13年に決定された都市計画に係る計画道路の区域内にその一部が含まれる土地に建築物の建築の制限が課せられることによる損失について憲法29条3項に基づく補償請求をすることができないとされた事例
【裁判要旨】
 昭和13年に旧都市計画法(昭和43年法律第100号による廃止前のもの)3条に基づき決定された都市計画に係る計画道路の区域内にその一部が含まれる土地が,当初は市街地建築物法の規定に基づき,後に建築基準法(昭和43年法律第101号による改正前のもの)44条2項に基づいて建築物の建築等の制限を課せられ,現に都市計画法53条に基づく建築物の建築の制限を受けているが,同法54条の基準による都道府県知事の許可を得て建築物を建築することや土地を処分することは可能であることなど原判示の事情の下においては,これらの制限を超える建築物の建築をして上記土地を含む一団の土地を使用することができないことによる損失について,その共有持分権者が直接憲法29条3項を根拠として補償請求をすることはできない。
【参照法条】
 都市計画法53条,旧都市計画法(昭和43年法律第100号による廃止前のもの)3条,市街地建築物法7条,市街地建築物法9条,市街地建築物法26条,市街地建築物法施行令30条,建築基準法(昭和43年法律第101号による改正前のもの)44条2項,憲法29条3項


 裁決取消請求事件
 平成14年10月24日  最高裁第一小法廷  判決
 破棄自判 、 民集 第56巻8号1903頁
【判示事項】
 行政処分が通知ではなく告示をもって画一的に告知される場合における行政不服審査法14条1項にいう「処分があったことを知った日」の意義
【裁判要旨】
 行政処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合には,行政不服審査法14条1項にいう「処分があったことを知った日」とは,告示があった日をいう。
【参照法条】
 行政不服審査法14条1項,都市計画法(平成11年法律第87号による改正前のもの)59条1項,都市計画法(平成11年法律第87号による改正前のもの)62条1項


○訴えの利益
 開発行為許可処分取消等請求事件
 平成11年10月26日  最高裁第三小法廷  判決
 棄却 、 裁判集民事 第194号907頁
【判示事項】
 市街化区域内における開発行為に関する工事が完了し検査済証が交付されたが予定建築物についていまだ建築確認がされていない場合における開発許可の取消しを求める訴えの利益
【裁判要旨】
 市街化区域内にある土地を開発区域として都市計画法(平成四年法律第八二号による改正前のもの)二九条による許可を受けた開発行為に関する工事が完了し、当該工事の検査済証の交付がされた後においては、右開発区域内において予定された建築物についていまだ建築基準法六条に基づく確認がされていないとしても、右許可の取消しを求める訴えの利益は失われる。
【参照法条】
 行政事件訴訟法9条,都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの)29条,建築基準法6条


○訴えの利益
開発許可処分等取消
 平成5年9月10日  最高裁第二小法廷  判決
 棄却 、 民集 第47巻7号4955頁
【判示事項】
 工事が完了し検査済証が交付された後における開発許可の取消しを求める訴えの利益
【裁判要旨】
 都市計画法29条による許可を受けた開発行為に関する工事が完了し、当該工事の検査済証の交付がされた後においては、右許可の取消しを求める訴えの利益は失われる。
【参照法条】
 行政事件訴訟法9条,都市計画法29条,都市計画法81条1項1号


○処分性
大阪都市計画事業等事業計画決定取消
 平成4年11月26日 最高裁第一小法廷  判決
 棄却 、 民集 第46巻8号2658頁
【判示事項】
 都市再開発法に基づく第二種市街地再開発事業の事業計画の決定と抗告訴訟の対象
【裁判要旨】
 都市再開発法51条1項、54条1項に基づき地方公共団体により定められ公告された第二種市街地再開発事業の事業計画の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
【参照法条】
 行政事件訴訟法3条2項,都市再開発法51条,都市再開発法54条1項