支出面での節約に関し、一つの考え方を説明します。
下図の左が消費支出になります。(グラフは総務省家計調査2013より)
まずはご自身の家計が、どのようになっているかをとらえてください。捉え方は、このグラフにある費目ごとに捉えます。家計簿をつけていない方は、これから2ヶ月の買い物のレシートを保存して、それぞれの金額を二月分記載ください。三か月分であれば、より正確になります。それぞれの金額が出ましたら、消費支出の比率をだし、予め表に基づく比率と比較ください。
比較した比率が大きく異なる項目が、節約の目安となります。実際の支払い率が少ないものはその比率をキープする(=節約できている費用)、比率がはみ出ている項目が節約の対象とお考えください。ただし、お子様がいらっしゃる場合には、食費は除外されるのが宜しいかと考えます。もし、比率が少なければ、増やすこともお考えください。
食の偏りで家族が病気になる方が、家計にとってリスクが増大します。
そして、絶対金額の多いものから並べ、それぞれの削減計画を検討ください。
その検討の中で「これだけは譲れない」と思われるものは除外して、節約できそうなものから金額を記入ください。簡易家計表には、例としての数値が記載されています。下段にある返済額は住宅ローンを想定しています。
そして、半年程度、目標と実際の乖離を確かめながら、家計簿をつけていただきますと、節約が出来ているのでは。これはご自身の意識下に、節約するという意思が植えつけられる一つの方法です。この時に、節約目標はそれぞれの項目で10%程度に抑えてください。
節約額が多ければ多いほど、良いというものではありません。
ライフプランの作成は、それぞれの家庭の「夢や希望」実現のための手段で、そのライフプランの中の一つの手段が節約です。節約のために「夢や希望」の実現が速まらなければ、節約は止めとして、収入増を図ることが望ましいと考えています。
ところで、今までライフプランを作成した際に、お客様の殆どの方は保険のかけ過ぎでした。保険は、図示します通り、最も補償額が必要な時期はお子様が生まれた時です。ご夫婦が二人だけの場合には、目標とされる資金例えば住宅ローンの頭金に回す方がより効率的です。
また、生命保険も図にありますように、死亡部分の積立金である死亡保険料は、保険料の支払いから、付加保険料を引いた純保険料のうち、生存保険料を引いたものです。死亡保険料は予定死亡率と予定利率を基礎にして算定されますので、保険料の占める割合は各社の大きな差はありません。むしろ、付加保険料(企業の経営費用)の多寡によって保険料の高い安いが決まります。一度ネット保険、各種共済を検索し、今かけている保険と比べることをお勧めします。
何れかの機会に、生命保険の掛け金の保険金の関係のコラムを掲載します。
次回は、総務省家計調査から分かる高齢者世帯の家計収支を紹介します。
文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨
FPプラス投資助言で人生設計から資産形成まで一貫してサポート
保険や投資信託を販売しないファイナンシャル・プランニングの専門家。
あなたのセカンドライフ・プランに適した期待リターンとリスク許容度で資産配分とポートフォリオ構築を口座開設から銘柄選定までサポートします。
【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定 プライマリー プライベート・バンカー
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