日経記事;『中外時評 イノベーションを競え 新旧交代が経済を元気に』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『中外時評 イノベーションを競え 新旧交代が経済を元気に』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月20日付の日経新聞に、『中外時評 イノベーションを競え 新旧交代が経済を元気に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米シスコシステムズといえば通信機器のガリバー企業だ。データを受け取って最適な経路を探して送り出す、ルーター(経路選択装置)というインターネットに欠かせない機器では世界で圧倒的なシェアを握る。

そのトップ企業の優位を、ひっくり返そうという挑戦が始まっている。サーバーの中に入れたソフトウエアで通信機器を制御して、データが流れる経路を自在に変えられるようにする新技術が登場した。ルーターが不要になるという。

「SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーク)」と呼ばれるこの技術の開発で先頭を走る企業のひとつが、ミドクラというベンチャー企業だ。法人向け通信事業会社のソフトバンクテレコムと共同で、ソフトでネットワークを操る実証実験を始めた。ちなみに社名は「クラウド」と、省資源を表すグリーン(緑)の合成語。

ミドクラは携帯電話向け情報配信会社社長やCSKホールディングス(現SCSK)執行役員を務めた加藤隆哉・現会長が、エンジニアのダン・ドミトリウ氏とともに2010年に創業した。

事業化までに必要な資金をざっと100億円と見込み、リスクマネーを呼び込むため最初から国際展開。本社をスイスに置き、東京と米サンフランシスコ、スペインのバルセロナの3拠点で開発を進める。

技術革新をけん引するのは世界の頭脳だ。「シスコの牙城を崩す」という旗の下に、3拠点合わせソフト開発者ら約30人が集う。国籍は米国、ロシア、フランス、ボスニア・ヘルツェゴビナなど十数カ国。米グーグルなどでの実績を引っ提げて移ってきた技術者が少なくない。

古くは石油が石炭に、鉄道が馬車に取って代わったような新旧交代劇が、産業にダイナミズムをもたらしてきた。いまもネット・デジタル分野を中心に、これまでなかった商品やサービスで勢力図を塗り替えようとする動きは止まらない。

ネット通販大手の米アマゾン・ドット・コムは無人のミニヘリコプターを使い、自前で商品を消費者に届ける構想を打ち出した。アマゾンから配送業務を引き受けている物流会社にとっては脅威だ。

残念なのはそうしたイノベーション(技術革新)競争で、既存の日本企業の影が薄いことだ。

先立つものは企業家精神。「6重苦」の被害者意識を引きずっていては何も生まれない。経団連の「日本の国際競争力」調査で、改革が必要だとして経営者が挙げた分野には、「税・社会保障負担」「規制」など6重苦関連が上位にずらりと並んだ。企業活動の環境整備は大事だが、経営革新の意欲が経営者にあってこそ生きる。

新興国市場など「目の前にある」需要を開拓するのに一生懸命で、新しい需要をつくり出すことが抜け落ちがちなきらいもある。電子部品から鉄道システムや発電設備などのインフラ関連まで、日本企業は手広く新興国に売り込んでいるが、そこにもイノベーションのチャンスは転がっている。

経営学者のビジャイ・ゴビンダラジャン氏らが著した「リバース・イノベーション」は、途上国市場の開拓を通じて、先進国にも通用する製品の革新を起こした例を紹介している。

米ゼネラル・エレクトリックグループのGEヘルスケアはインド市場向けに低価格の心電計を考えるなかから、携帯型を開発。開業医も使いやすくなり、欧州などで販売を急速に伸ばした。

多様な人材を集めれば異質な者同士が刺激し合い、イノベーションの起きる確率が高まるという昨今の通説も、吟味する必要がある。ミドクラの例ではネットワークの世界に「地殻変動を起こす」という目的が最初にあって、これに共感した技術者らが集まった。志を同じくする者の集団とそうでない集団では、モチベーション(動機づけ)や成果に違いが出て当然だ。

じっとしている企業は攻め込まれる危険も高まっている。樹脂や金属粉末を使い、デジタル技術で立体物を自動的に製作する3D(3次元)プリンターは、繊維を材料に服も自作できるマシンへと進化しつつある。

アパレルメーカーや衣料品店はどう対抗するか。服づくりを指導・助言するサービスの開発など、変化への対応が試される。

日本の経済は、企業がいかに自律的な成長軌道に入っていくかが問われる局面になった。期待を裏切ってほしくない。』


何度か本ブログ・コラムで、インターネットは既存事業の基盤をある日突然に根底から突き崩す変革パワーを持っていると述べてきました。

本日の記事にあります、ミドクラというベンチャー企業は、サーバーにSDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーク)を組み込むことで、ルーターなしに「データを受け取って最適な経路を探して送り出す自動機能」をもたせようとしています。

このSDNの実証試験が成功すると、現在、多くの企業やデータセンターで稼働しているサーバーに導入されることは確実です。

企業やデータセンターにとっては、ルーターへの新規設置やメンテナンスに必要なコストを払う必要がなくなるので、さらにサーバー設置台数が増えて、インターネット普及を加速させることになります。

ルーターの不要は、データセンターの消費電力使用量の削減にも貢献しますので、データセンター事業者だけでなく、社会全体にとっても節電効果が見込めます。

当然のごとく、ルーターを主事業としている米シスコシステムズは、SDSが急速普及した場合、既存事業の基盤がなくなりますので、新規事業立上を早急に行わないと、コダック社のように、市場からの撤退を余儀なくされます。

ミドクラは、ルーターの不要化を事業目的に特化していますので、今回行おうとしている実証試験がうまく行けば、地殻変動は急速に進む可能性があります。ミドクラの動きは、ITが既存事業の基盤を突然覆す事例の一つになる可能性があります。

また、ITの先端を走る世界的ベンチャー企業のトップに、日本人経営者が中核にいる稀な例になります。残念ながら、ITを使った変革企業の多くは、アマゾン、グーグル、アップル、などの米国企業が多く、日本企業は一般的にその役割をになっていないことが大半です。

国内では、事業税が高い、電気料金が高い、規制が厳しいなどの多くの制約条件があります。国内企業にとっては、そのような制約条件が少ないほど経営がしやすいことは確実です。

しかし、海外市場に目を向けると、特にこれから新規市場として開拓する必要のあるASEANなどの新興国市場では、さらに不合理な多くの規制や制約があります。

国内企業が海外市場開拓を行うには、これらの規制や制約を解決していく不断の努力が必要になります。

かって、出光興産の出光佐三さん、クロネコヤマトの小倉昌男さん、ソニーの盛田昭夫さんなどの創業経営者は、多くの規制や制約下で新規事業立上を行ってきました。

新規事業立上は、本日の記事にありますように、経営者の姿勢と積極さでこれらの規制や制約を乗り越えていくことで可能になります。

特に、中小企業が新規事業立上を行う場合、資金や人材などの面で中堅や大手企業と比べると、更に厳しい条件下で実行することになります。

ここに、中小企業経営者の意志の強さや積極的姿勢などが必要になります。多くの中小企業経営者、特に製造事業者にとって、自社ブランドの商品を最終顧客に売ることは、切実なものになっています。

中堅や大手企業の下請けや孫下請けでは、収益拡大が図れない実態があることによります。私の支援先企業には、下請け事業の依存度を下げるため、自社ブランド品の新規事業立上と販路開拓を行っているところが複数あります。

インターネットやITを積極活用することで、投資やリスクを抑えて新規事業立上と販路開拓を行うことが可能になっています。

もちろん、そのための大前提は、当該企業が競争力があり、徹底的な差別化・差異化を可能にする技術・商品をもっていることになります。

インターネットの活用で、今まであった販路基盤を変えることも可能です。

自社ブランドの商品事業を立上たい中小企業経営者は、米国のITベンダーの動きも参考にして、事業変革を考え、実行する積極さも必要です。この視点から、ミドクラの今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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