日経記事;『暖化ガス、2050年に40~70%削減必要 IPCC 現状のままなら気温3.7~4.8度上昇』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『暖化ガス、2050年に40~70%削減必要 IPCC 現状のままなら気温3.7~4.8度上昇』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月14日付の日経電子版に、『暖化ガス、2050年に40~70%削減必要 IPCC 現状のままなら気温3.7~4.8度上昇』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は13日、温暖化ガスの排出削減に関する報告書を公表した。国際社会が温暖化防止に向けて一段の削減努力をしなければ、地球の気温は2100年には産業革命前から3.7~4.8度上昇するとの見解を示した。

各国は産業革命前からの気温上昇を2度以内に抑える目標で合意している。報告書は各国に排出削減に向けた具体策を早急に取るように求めた。

7日から始まったIPCC総会には、各国政府の政策担当者や科学者らが参加。最終的な文言の調整を進め、12日に報告書がまとまった。13日にベルリンで記者会見したIPCCのパチャウリ議長は「この報告書を読めば、国際社会が一段の取り組みをしなければならないのは明らかだ」と訴えた。

報告書は気温上昇を2度以内に抑えるには、大気中の温暖化ガスの濃度を450PPM(PPMは100万分の1)に抑える必要があると説明。現在の水準は430PPMで毎年1~2PPM増えており、具体的な対策を取らなければ、数十年で達してしまう。

450PPM以内にとどめるには、50年には10年比で40~70%の温暖化ガスの排出削減をする必要があると主張。エネルギー効率の改善に加え、再生可能や原子力といった低炭素エネルギーを3~4倍にする必要があると分析した。2100年には温暖化ガスの排出はゼロか、温暖化ガスの回収によってマイナスになると指摘した。

IPCCは昨年9月に第1作業部会が気候変動の科学的評価に関する報告書を、3月末には第2作業部会が温暖化による被害の軽減策についての報告書をまとめた。今回はその第3弾で、7年ぶりの改訂。国際社会は15年末に、20年以降の温暖化対策の次期枠組みの合意を目指しており、この報告書が交渉に影響を与えることが予想される。』


地球規模での温暖化対策は、非常に重要な課題になっていることは間違いありません。産業の重要な基盤となる発電からみますと、日本では、低炭素エネルギー発電の代表格だった、原子力発電が福島原発事故以降、地震や津波対策の見直しや、更なる安全確認の必要性などから本格稼動する目処が立っていません。

国内の発電は、CO2排出量抑制が可能な天然ガスに大きく依存しています。輸入される天然ガスは、中東に依存しており、輸入価格が石油の価格に連動する仕組を採用していることも含めて貿易赤字の大きな要因になっています。

政府は、米国からのシェールガス輸入、ロシアからの天然ガスの調達など、輸入先を多様化して輸入コスト削減を図りつつあります。

天然ガスへの依存度を下げるための施策として、石炭火力発電が注目をあびています。従来、石炭火力発電は、CO2などの地球環境に悪影響を与える有害物質の排出量が、天然ガスより多いことと、高い輸送コストなどから、日本では敬遠されてきました。

日立製作所、東芝、三菱重工業、IHIなどの国内重電メーカーは、従来の石炭火力発電の欠点を改善した「超臨界圧石炭火力発電」を開発・実用化して、国内外で販売・設置を進めています。

最近の「超臨界圧石炭火力発電」は、天然ガスとほぼ同じCO2排出量まで抑制可能と言われています。

化石燃料の調達コストの視点からみますと、当面の間、「超臨界圧石炭火力発電」で使うことができる石炭が調達コストを最小化できる解になります。

しかしながら、化石燃料を使用する火力発電は、CO2排出量抑制はできても、いずれにせよCO2排出を蓄積していきます。


CO2排出量をさらに抑制できる再生可能エネルギー活用による発電設備として期待されていますのが、太陽光、風力、地熱などです。

現在、日本では、太陽光発電のブームが起こっています。政府が太陽光発電の売電価格を保証することと、各電力会社に当該発電の電力買取を義務付けたことによります。

太陽光発電の課題は、発電量が天候に左右されることと、高い発電コストです。太陽光発電のコストは、需要家である企業と家庭が負担することになっています。

太陽光発電のコストが今のままで高止まりし、当該発電量が飛躍的に増えてくると、国内企業の競争力や家計への負担増となり、大きな影響が出ることになります。

太陽光発電の先進国であるドイツでは、太陽光発電関連の業界団体(BSWソーラー)によると、2013年の太陽光による発電量は297億キロワット時と、ドイツ全体の電力消費量の約5%に達したとのことです。

ドイツでは、政府が電気料金の急上昇を抑えるため、それまでの半年に1回程度の見直しから、直前の発電コストの実勢価格を反映した毎月の見直しに転換しました。

買い取り価格は毎月引き下げられ、13年12月の太陽光の買い取り価格は1キロワット時あたり9.61セント(約14円)~13.88セントと2年間で約5割下落しています。

ドイツ政府の買い取り価格の低下から、新規太陽光発電事業者の参入が減っているとのことです。

ちなみに、政府が今年3月7日に公表しました2014年度の国内太陽光発電の買い取り価格は、以下のようになります。

・非住宅用太陽光(10kW 以上);;32円/kWh(20年間の買い取り期間)
・住宅用太陽光(10kW 未満);;37円/kWh(10年間の買い取り期間)

風力発電は、日本の各所で実証試験が開始されています。風力発電は、発電コストが太陽光発電に比べて安いことと、気象条件に左右されにくいことなどから、再生可能エネルギーの切札の一つとして期待されています。

政府が今年3月7日に公表しました2014年度の国内風力発電の買い取り価格は、以下の通りです。

・洋上風力;;36円/kWh (20年間の買い取り期間)
・陸上風力;;22円/kWh (20年間の買い取り期間)

現在、政府は、洋上風力発電への支援を強化しており、上記のように太陽光発電より高い買い取り価格を設定してインセンティブを高めています。

再生可能エネルギー発電が、安定、かつ、安いコストで可能になれば、ある程度まで化石燃料による火力発電量を抑えるようになります。

国内関連企業が更なる技術革新を進めて、素材の見直しを含めた耐久性の強化、発電効率向上などをインターネット活用を徹底化して行いながら、より低コストで安定化した発電装置の開発・実用化を強く期待します。

原子力発電がさまざまな課題を克服して、以前のように使用されるようになると、低炭素発電事業の垣根中で中核的役割を果たせます。

現時点では、原子力発電の本格的再稼働の目処が立っていませんので、低炭素発電事業は、上記の太陽光発電や風力発電などに依存することになります。低コスト化が本格普及のカギになります。


並行して、電力消費量削減の努力も継続・強化する必要があります。電力消費量削減の分野でも、国内企業は大きな貢献が可能になります。国内企業の省電力・省エネ対策の技術・実用化は、世界ナンバーワンのものを持っています。

エアコン、冷蔵庫、テレビなどの家電製品、多くの業務用途製品などで幅広く省電力・省エネ技術が実用化に成功しており、毎年、進化しています。

今後は、製品単体にとどまらず、製品間や製品を使うシステム全体でも、最適な省電力・省エネを図れるようにすることが、重要になりますので、この点でもインターネット活用を徹底化して、低コストで最高効率を実現することがポイントになります。

上記の再生可能エネルギー発電や、省電力・省エネ対応製品の更なる技術革新とより高高度な実用化には、2014年4月9日のブログ・コラムで書きました「IoT(Internet of Things);あらゆる商品がインターネットを通じて接続され、モニタリングやコントロールを可能にするといった考え・概念」の導入が必要不可欠になります。

多くの国内企業は、上記分野で、まだまだIoTの実用化に成功していませんので、これを実現できるところは、国内外の市場でで大きな新規事業機会を獲得できます。

すでに複数のベンチャーや中小企業が積極的にIoTを取り込んだ製品やシステムの開発・実用化に動いています。

何度か本ブログ・コラムで述べていますように、省電力・省エネ関連の製品や事業は、大きな新規事業機会獲得につながります。

多くのベンチャーや中小企業が積極的に動くことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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