日経記事;『車4社、電気自動車普及へ新会社 共同で充電設備』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『車4社、電気自動車普及へ新会社 共同で充電設備』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月12日付の日経新聞に、『車4社、電気自動車普及へ新会社 共同で充電設備』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車、ホンダの4社は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の普及に向け、共同出資で充電インフラ整備の新会社を設立する。

充電器設置の費用を一部負担するほか、課金や決済サービスも提供し様々な事業者が設置しやすくする。新会社を通じ、国内のインフラ整備を加速する。

共同出資会社は来月末にも設立し、出資比率は均等になる見通し。競合する自動車大手が共同で会社を立ち上げるのは珍しい。将来は燃料電池車(FCV)用のインフラ整備も視野に入れる。

急速充電器と普通充電器があり、3月末の国内設置台数はそれぞれ約2千台と約4千台。4社は昨年7月に充電インフラ普及で連携し急速充電器4千台、普通充電器8千台の新設を掲げる。新会社は年内の新設を目指すほか、中期的に設置目標を上方修正するとみられる。

設置費用は急速充電器で最大500万円以上かかり、新設目標の達成には単純計算で300億円程度が必要になる。充電器については設置費用の最大3分の2を政府が補助する制度がある。

新会社は残りの設置費用のうち相当部分を4社で分担。ガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどの設置者は国の補助金と合わせれば負担がゼロになる可能性もある。

新会社は充電の課金や決済システムも提供、1枚のカードで全国どの充電器でも充電と決済ができるサービスを目指す。

現状では充電料金は1回ごと500~1000円程度で、設置事業者が独自に設定。決済は店頭での現金払いやクレジットカードなど様々だ。今後も料金設定は設置者に委ねるが、課金と決済の仕組みを用意することで、個人事業者も充電サービスを手掛けやすくなる。』


政府は、2015年に次世代環境対応自動車の最終形の一つとなる、「燃料電池車:FCV」の販売を開始する施策を実施します。

燃料電池車:FCVは、日経記事から抜粋しますと、「水素を燃料に使い、酸素と反応させて作った電気でモーターを回して走る。水を電気分解すると水素と酸素ができる反応を逆にした仕組みだ。水しか出さず、二酸化炭素など排ガスはゼロとなる。電気が発生する小さな部品「セル」を重ねて電源システムを作る。FCVはFuel Cell Vehicleの略。」とされます。

国内自動車メーカーでは、トヨタ自動車とホンダがFCVの販売を2015年中に開始する予定になっています。

FCV普及のカギは、自動車本体価格の安さと、FCVに供給する水素ステーションの普及にあります。

いったん、FCVが商品化されて市場導入が始まりますと、競争原理が働いて製造コストの低減現象が発生しますので、そう遠くない時期にFCVの本格的な普及が始まるとみています。

FCVの本格普及前に来るエコカーは、HV、PHV、EVになります。HVあるいはPHVは、国内および米国市場で本格普及段階に入りつつあります。

HVは、市場導入時の販売価格が高くなっていたため、当初の販売数量は伸びませんでした。しかし、技術革新や量産効果により、HVの製造コストは大幅に下がり、ガソリン車並みの販売価格になる水準まで来ています。

PHVは、必要な時に自宅やオフイスで充電できるHVです。しかし、現状では、PHVの充電可能場所は、自宅やオフイス外ではほぼゼロに等しい状況です。

HVの場合、電池に充電された電気残量が少なくなれば、ガソリンエンジンでガソリンを給油すればしのげます。

しかし、EVは電気のみを動力源とするため、充電設備が全国にないと、長距離移動が可能にならず、当該車両の普及を妨げていました。

今回、トヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車、ホンダの4社が共同で、PHVやEVの充電設備を増強する動きをかけることは大いに意義があります。

特に、EV普及に貢献すると考えます。現在のEVは、販売価格が高い、航続距離が短い、真冬や真夏時にエアコンを使えないなどの根本的な課題を抱えています。

四社の共同事業は、EV普及の足かせの一つになっている航続距離が短い課題解決の一助になります。

上記しましたように、EVの販売数量が増えていけば、技術革新と量産効果でさまざまな製造コスト削減効果が生まれ、販売価格が下がるようになります。

EVやHVの更なる普及をうながすものは、次世代リチウムイオン電池の開発・実用化です。蓄電時間の拡大、製造コストの大幅削減、レアメタル無使用の実現が必要になります。

車載用リチウムイオン電池の改良を促すモチベーションは、PHVやEVの販売数量拡大にあります。その視点から、4社共同で行う充電設備の普及促進は大きな意義があります。

東京オリンピックが開催される2020年までに、HV、PHV、EVがさらに普及すれば、日本の環境状況を大いに改善してクリーンな状況で選手を迎えることができます。

充電設備設置候補として、ガソリンスタンドに加えて、コンビニエンスストアが上がっています。
コンビニエンスストアは全国に点在していますので、充電設備設置場所として最適になります。

充電設備の技術的課題は、充電時間の短縮です。普通充電設備での充電時間短縮化が、充電設備普及のポイントになります。

もうひとつのポイントは、4社共同で行う充電設備が国内のデファクトスタンダードになることです。

4社が開発・製造するすべてのPHVやEVが、国内にある充電設備で充電できることになり、PHVやEVの普及に拍車がかかり、本格普及ためのポジティブスパイラルに入ります。

ガソリンスタンドにとっても、充電設備の設置はPHVやEVの需要を取り込んで事業収入の安定化につながります。

現在、多くのガソリンスタンドが、高騰するガソリン代、燃費効率向上、ガソリン車の使用台数縮小などからガソリン消費量が落ち込んでいるため、廃業しています。

将来的に、ガソリン車の需要が減少は、環境対応には良い効果を生み出しますが、急激なガソリンスタンドの減少は、現在の車社会を維持するインフラ弱体につながります。

この観点から、ガソリンスタンドが充電設備や水素ステーション機能を取り込んで事業安定化させることは意義があります。


国内自動車メーカーは、ASEANなどの新興国市場で、PHVやEVを普及させることにより、CO2排出量抑制などの環境改善に貢献しながら新規需要を取り込めます。

国内自動車メーカーは、PHVやEV普及のカギの一つになる充電設備増加を実現することが重要です。

充電設備は、国内で実証試験を行うことで、さまざまなノウハウ蓄積することができるため短期間で実現できます。

日本のPHVやEVをデファクトスタンダード化するためにも、ASEAN地域で充電設備を高速に普及させることが必要であり、重要です。タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアなどの自動車普及国から始めることが現実的なやり方になります。

FCVの本格普及までは、HV、PHV、EVが環境改善の切り札になります。環境改善のニーズを取り込んで大きな新規事業機会を獲得するたには、PHVやEVの普及を後押しする充電設備普及などに関する国内自動車メーカーの積極的な対応を期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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