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日経記事;『(革新力 The Company)殻を破る(3)売った後、3倍稼ぐ 生涯 顧客とつながる』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月9日付の日経新聞に、『(革新力 The Company)殻を破る(3)売った後、3倍稼ぐ 生涯 顧客とつながる』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『「ベアリングの油圧が高め。整備を早めては」

ロールス・ロイスは世界の4000機を24時間監視する。

アジア系の航空会社に最近、メールが届いた。成田空港に向かう航空機から送られたエンジンの数値に小さな異変が見つかったという。

メールを発信したのは英国中部、ダービーにある航空機エンジンメーカー、ロールス・ロイスのモニタリングルーム。室内には同社製エンジンを載せた約4000機の運航状況が映し出され、エンジンに設置したセンサーを通じて温度や油圧、振動音など数十項目を監視する。

航空機の整備は費用の発生時期が読みにくい。だが同社は「1時間当たり数十ドル」でエンジンの保守を受託、別料金を払えば運航中のモニタリングもする。航空会社は費用の発生が平準化されて予算が立てやすくなり、固定費削減につながる。

サービス開始から約10年。同社の顧客は世界の航空大手にも広がり、民間航空機エンジン部門の収入の7割がサービスになった。もはや単なるメーカーではない。「エンジンも造るサービス会社」が実態に近い。

航空機だけではない。米ゼネラル・エレクトリック(GE)会長のジェフ・イメルト(58)は最近、株主への手紙で「ソフトウエアへの重点投資」を明言した。イメージするのは「高度化した製造業(アドバンスト・マニュファクチャリング)」。発電、医療機器でも売った後の課金型サービスの拡大を狙う。

「課金型」は欧米企業に一日の長がある。

「荷物の重さ(トン)と運んだ距離(キロ)で請求します」。独ダイムラーがそんな手法で商用車を売り始めたのは1990年代初め。冷戦終結で欧州域内の市場統合が進み、商用車の価格競争が激化した。それを回避しようと考えたのが整備と金融サービスを組み合わせた事業だった。

最近は機械や製品をネットでつなぎ、稼働状況を把握する「IOT(インターネット・オブ・シングス)」の技術が進歩し、製造業のサービス化を一段と促す。英国、ドイツでは国を挙げて技術開発を後押しする動きも出てきた。

ボストン・コンサルティング・グループのシニア・パートナー、太田直樹(46)は「製造業の将来はライフタイム・マネジメントにある」と話す。製品が使われる間は顧客とつながり続け、手数料も入る。製品を売り切って終わる従来のメーカー型取引に比べ「1.5~3倍の収入増が見込める」と試算する。

火力事業を2月に統合した三菱重工業と日立製作所。「経営資源の有効活用」を掲げ、それぞれが人員などを集中的に振り向ける対象は「顧客とつながる」事業だ。

日立は米空調大手と共同で2月、海外でビルの省エネ支援サービスを始めた。ビル管理の世界市場は年間50兆円超。IT(情報技術)でコストを減らし、一定割合を対価として得る事業で高収益を狙う。

「日立の顧客リストを変えていく」。会長の中西宏明(68)は話す。現在の主要顧客には「売り切り型」の自動車や通信大手などが並ぶが、今後は世界の資源エネルギー会社やデベロッパーなどを開拓、「深くつながり稼ぐ」に軸足を移す。中期でめざすサービス事業の売上高比率は4割。巨艦日立の事業モデル革新が始まった。』


インターネットが世の中の既存事業の仕組みを根底から変えつつあると認識し始めています。特に、米国では、その動きが加速しています。

例えば、何度か本ブログ・コラムで取り上げています米アマゾン・ドット・コムは、1994年に設立されて以来、書店、小売り、コンテンツ会社、クラウド・データセンター事業など、様々な業種に多角化してきました。

電子書籍端末機器であるキンドルも商品化しています。最近、アマゾンは、低価格スマホの商品化を計画していると報じられています。

アマゾンがスマホを商品化した場合、スマホ単体で稼ぐのではなく、低価格スマホアマゾンスマホを大量に普及させて、インターネットの出口数を増やすことで、通販、ゲーム・音楽・映画・書籍などのコンテンツを配信するビジネスモデルにより収益拡大を図るやり方を取るとみています。

ASEAN域内では、1万円以下の格安スマホが普及しつつありますが、アマゾンスマホは、これらの商品とは異なる機軸で販売されるようになります。

より高速でインターネットに接続でき、Webサイトの閲覧やコンテンツのダウンロードが容易にできる機能をもつようになると予測しています。

アマゾンスマホは、ソニーのような国内家電メーカーのスマホ事業に影響を与える可能性があります。

一方、グーグルも、眼鏡型端末「グーグルグラス」の商品化を進めています。また、最近、無償公開している携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」を、ウエアラブル機器向けに提供する方針を発表しました。

次世代スマホ事業でも、グーグルやアマゾンなどの米大手ITベンダーの積極的な動きにより、今までソニー、パナソニック、サムスンなどの家電メーカーが専業的に扱ってきた事業の垣根が無くなろうとしています。

アップルは、その先駆けとなる動きをしました。iPod、iPhone、iPadなどの商品化です。製造事業の基盤をもたないファブレス企業として、開発力と商品企画力のみで、事業化して大成功しました。

ソニーやパナソニックなどの国内家電メーカーは、商品単体の企画だけではなく、インターネット活用を徹底化したサービスや付加価値、利便性などを顧客に提示できないと、今後、BtoCの家電市場では急速に足場を失うことになります。

インターネットの影響は、BtoBタイプの事業分野でも急速に広がっています。本日の記事にありますように、商品やサービスメニューの中にインターネットを組み込んだ形での事業が広がっています。

このような動きをIoT(Internet of Things) と言います。あらゆる商品がインターネットを通じて接続され、モニタリングやコントロールを可能にするといった考え・概念です。

IoTの代表としては、パソコン、スマホ、タブレット端末があります。これらの機器に組み込まれたインターネットは、情報のやり取りを主目的にして使われます。

これに対して、すべての商品にインターネットを組み込む考え方は、商品同士や商品とサービスが多面的につながって、連絡や連携が自動的に起こる仕組みになります。

例えば、個人向けサービスでは、ひとが自宅に近付くとエアコンに自動的にスイッチが入り、その外気の状態にあわせて室内の温度や湿度が調整されたり、電気釜にスイッチが入るなどの機能を言います。このサービスは、個人がいったんサービスメニューを設定すると、意識しないで享受できるものです。

BtoBタイプの事業分野では、自社商品の付加価値をつけるものとして、IoTに対する関心が高まっています。

国内企業では、建機メーカーのコマツが開発した建設機械の情報を遠隔で確認するためにGPS・通信機能を搭載したサービスが有名です、顧客はこの機能を使うことで建設機械の稼働状況や場所を把握できると共に、コマツも売った機械の状態を知ることで保守管理サービスを効果的にできます。

米GEは、IoTを商品力強化の切り札とする動きを加速しています。GEの主事業分野を、航空エンジンや医療機器といったインフラと各種のエネルギー事業に集中するBtoBタイプの専業事業者になることを宣言しています。

また、すべての商品やサービスをIoT化するため、ソフトウエアに大きく投資するとしています。新聞記事によると、GEは、ソフトウエアや分析機能強化を行うために、カリフォルニア州に研究所を設立しています。

多くのITエンジニアを確保して、自社商品に組み込んだIoTから入手するデータや情報の分析能力を高めて、本日の記事にありますように、発電や航空機エンジンなどの状態を継続的に把握して、問題が発生前に必要な処置を講じて、顧客企業が安定して自社商品を使い続けることができるようにします。

このサービス事業から、安定した保守料金を稼ぐことになります。GEのやり方は、日立製作所、東芝、IHIなどの国内重電メーカーにも大きな影響を与えます。

当然のごとく、GEは生産現場にもインターネットを取り込んで効率的なやり方で原価低減を図り、コスト競争力を高めます。この点からも、国内メーカーは、インターネット活用を徹底化する必要があります。

最近、AT&T、シスコシステムズ(Cisco Systems)、ジェネラルエレクトリック(General Electric)、IBM,インテル(Intel)の5社がIoT関連の標準化団体「Industrial Internet Consortium」(IIC)を設立しました。

センサー技術やネットワークの構築、データ共有などの標準づくりで協力していくことを明らかにしています。

IICの発表によると、同団体では製造や石油・ガスの探査、ヘルスケア、送電、輸送など、さまざまな産業分野での相互運用可能なシステムやソフトウェアの規格作りを進める。また、今後各種の端末や送電網、交通網、自動車などのネット接続が進むなか、これらに関するデータの収集・保存・分析の仕組み作りを行っていくとされます。

これが実現しますと、BtoBタイプの事業構造が大きく変わります。国内メーカーは、BtoCおよびBtoBのすべての企業は、IICの動きに注目して、必要な対応を積極的かつ迅速に行う必要があります。

国内メーカーは、単体の商品作りだけでなく、IoTの機能を取り込んで顧客に対する付加価値や利便性を訴求しないと勝ち残れなくなります。

同時に、IoTはベンチャーや中小企業にも大きな新規事業機会を与える可能性があります。アップルのように、ファブレス企業として、開発力と商品企画力で商品化・事業化して、インターネット通販で販売するビジネスモデルの構築・実現が可能になります。

現在、私の知っている複数のベンチャーや中小企業が、IoTとインターネット通販を最大限活用するビジネスモデルで事業化しつつあります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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