自分年金は必須時代に「確定拠出年金」を理解しよう - 個人年金・確定拠出年金401K - 専門家プロファイル

三島木 英雄
株式会社FPリサーチパートナーズ 代表取締役
神奈川県
ファイナンシャルプランナー

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閲覧数順 2024年04月24日更新

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自分年金は必須時代に「確定拠出年金」を理解しよう

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年金 401K(確定拠出年金)

何故「確定拠出年金」が必要とされるのか?

日本の公的年金は大げさな言葉を使えば「破綻」しているに等しい状況です。

将来の給付も現在の水準を保つことは厳しく、今後は多少の変化(給付減・支給開始遅)が見られるかもしれません。国民年金の納付率も平成24年度で約62%であり、この数年は4割が未納状態となっているのが現状であり改善が進みません。

日本の公的年金制度は「世代間扶養」の概念であり、年金保険料を払う人がいなければ成り立ちません。国民年金と別にサラリーマンが加入する「厚生年金」がありますが、こちらも運用が成り立っていません。

今後、日本を財政再建する為には大幅な社会保障制度の改革を迎えることが想定されます。年金受給年齢の引き上げ、公的年金の所得控除の削減、高額療養費制度の縮小など、安心であった社会保障は徐々に国民負担が高まり「自助努力」の方向へ向かいます。

例えば現在30歳代の現役世代の方の年金が、今現在は65歳から180万円受給できると想定されていても、将来の年金受給は68歳からで手取りは150万円ということが十分に想定されるのです。その為には、自分で準備する年金は必要不可欠となりますが、保険商品などは低金利の昨今、あまり意味がありません。

実際に公的年金の運用利回りは、平成17年からの5年平均で約1.25%ですが、本来目標の5.5%からは、相当なマイナス乖離です。平成24年度は株式市場の回復もあり10%程度で運用していますが不安定なことに変わりありません。そんな背景から自身で責任を負い「自分の年金を自分で作る」確定拠出年金が必要不可欠になっているのです。

 国に頼らない「自分年金」を作るには今出来ることとして最良の制度と言えます。

 

拠出金額

確定拠出年金(個人型401K)は人により掛け金の上限に差があります。厚生年金の無い自営業者などの1号被保険者は月額68,000円、サラリーマンなどの2号被保険者は厚生年金がある為月額23,000円となっています。

掛け金は全額が「所得控除」となり、所得税の削減効果が見込めます。また、公務員などの共済年金の方と3号被保険者は今現在は拠出することができません。

 

確定拠出年金「個人型」のメリット

確定拠出年金は完全に「自己責任」であり、自身で掛け金・運用商品を決め、状況に応じて投資先の変更等を行わなければなりません。しかし運用商品ラインナップは基本的に安定的な「投資信託」がメインです。投資先の選定は投資に詳しくない人でも運用できるよう、それほど難しい商品はありません。

また元本が保証されている「定期預金」という商品もあり、自己責任の為、過度にリスクが高い商品は少ないのが現状です。

メリット

・運用に対する利益は課税されない→複利運用効果

・拠出した掛け金は全額が所得控除の対象→所得税節税効果

・個人毎に分別管理されている→破綻リスクの除外

 

通常の投資信託であれば、運用益の20.315%は徴収されますが、確定拠出年金では、課税が繰り延べられることが大きなメリットです。

確定拠出年金による投資信託の利益は非課税ですから、運用に対するリターンが大きくなり、拠出金が増えやすいという特徴があります。また、所得控除の効果は非常に高いものがあります。一般的なサラリーマンが掛け金最大の月額23,000円を拠出した場合を見てみましょう。

・23,000円×12ヵ月=年間拠出額276,000円

276,000円が全額所得控除になります。仮に年収が800万円で所得税率が20%と仮定すれば、この人は276,000円×20%=55,200円の所得税節税効果が見込めます。さらに住民税も控除対象となりますので、276,000円×10%=27,600円の住民税節税、合わせて82,800円の節税です。

自営業者の方であれば月額68,000円ですので、68,000円×12ヵ月=816,000円の所得控除を作ることができ、非常に大きな節税効果が期待できます。

 

年利率30%の「定期預金」

運用商品によって将来の年金額が変わってしまう所がメリットでありデメリットでもあります。ようするに投資信託を選択すれば、損をすることも利益が出ることもあります。どうしても投資は苦手だという方は元本保証の「定期預金」の商品選択をすれば良いと思います。所得控除による所得税削減効果を考えれば、定期預金なのに実質年率30%の定期預金が作れる考えになります。※所得税率20%、住民税10%として

ただ、確定拠出年金の運営管理コストが発生する為、実際は手取り減少になりますので、所得税節税効果は少し薄れる点に注意をして「運営管理費」が安価な会社を採用すると良いでしょう。個人的にはSBIベネフィットを推奨しており、私の会社でも企業型確定拠出年金を採用しています。

 

運用商品選択

運用商品の選択はWEBサイト上から自身で商品を選択します。分散投資をする場合は「割合」や「掛金」の配分を選択します。拠出中、運用指図中も選択変更ができますので、年に一度は運営管理機関から送付されてくる運用報告書を見ながら、運用配分の見直し等をする必要性があります。可能であれば月に1度はWEBサイトにログインして状態をチェックすると良いでしょう。

一般的に3%のリターン、5%のリターンなどの目安がありますが、それを数十年続けるのはそれなりの運用テクニックが必要ですが、実現不可能ではありません。

ポートフォリオ

下図は私の現在の運用割合です。基本的にインデックスファンドを利用しており、先進国株式が主体で新興国株式、海外債券、コモディティ、海外REITで運用しています。市場のトレンドは変わりますので「ずっとそのままで運用はしません」新興国が伸びるタイミングを感じれば、投資割合を増やしたり、少し不安定な相場では債券などに避難させたりします。

年金ですから基本的に60歳まで受け取ることは出来ません。ですので50歳程度で運用ピークを目指す運用方法を行って行き、残り10年はリスクの低い債券運用にスイッチングしていくような形をとることがベターであると考えます。

 

少しの勉強で大きな得を

以上から投資商品を的確に選定し長く続けることでリターンを得ながら、拠出金を損金にしていくことが出来る確定拠出年金(401K)は、老後資金準備において非常に有効です。

少し勉強をするだけで、運用自体は誰もが行えるようになります。

「投資」ですから成果がでるまでには時間が掛ります。老後準備資金を検討する際には弊社のような専門家のアドバイスを受け、失敗しない適切な老後資金準備をされることをお勧めします。

 

「確定拠出年金」に関するまとめ

  • 確定拠出年金(401k)の運用方法を学んで自分の力で年金額を増やしましょう!

    最近多くの企業で導入されている確定拠出年金(401k)。いきなり確定拠出年金の導入が決まって、慌しく運用を始めてしまった方いませんか?せっかく確定拠出年金の運用をすることになったのですから、運用時の注意点や確定拠出年金のメリット、節税方法方法を理解して年金額を増やしましょう。 多くの専門家がオススメしている確定拠出年金(401k)。自分で資産を増やせるチャンスです!

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