「いいからやって見ろって!やったらわかるから!」
「まずやってみろよ!意見はやってから言えよ!」
よくこういう言い方をする店長がいます。自分が過去に体験し、成功したことのある方法や、ひとの成功事例を聴いて「これはいけるな」思った方法を、部下に薦めるのは別に良いのですが、何も説明しないでただ「やれ」とだけ言う店長がいるのです。私の経験上、こういう店長は少なくありません。非常に多いのです。しかし、残念ながらこういう店長の下では、スタッフは上手く成果を上げることが出来ません。
冒頭の言葉を言った店長もそのひとりです。彼は、あるカフェチェーンの店長。上司や本社が推奨する方法を積極的に行う元気で素直な店長です。しかし、過去に彼が担当した店は、業績が上がるときもありましたが、まったく成果が上がらない店も有り、彼の評価は高いところで安定していると言う状況ではありませんでした。
上司の言うことを、すぐに実行する素直な店長なのに、何故そのように業績が不安定になるのでしょうか。実は、その原因は、冒頭の様な「部下への指示の方法」にあったのです。
彼自身は、上司から指示をされると、すぐに実行します。二つ返事で行うのです。質問もしなければ、自分の意見やアイデアを言うこともありません。それは、彼のポリシーが「まずやってみる」「やってみてから理解する」「やればわかる」だからなのです。
この「まずやってみる」「やってみてから理解する」「やればわかる」と言うポリシーを部下が持っていると上司は楽です。部下にしっかりと納得をさせなくても、まず実行してくれるので、自分で勝手に上手く行く実感を持ってくれるのです。細かい説明がなくても、自分で理解をしてくれるのです。上司としてはこんな楽なことはありません。
しかし、部下は彼のようなタイプばかりではありません。先に身体が動くタイプばかりではなく、先に頭で納得が必要なタイプもいるのです。私が、ある企業で調査をしたときは、社員の70%が、そう言うタイプでした。そんな、頭で納得する必要がある、つまり腑に落ちないと動けないタイプの部下に対して、「いいからやれ」とか「やったらわかる」と言う言葉は、実はただの暴言でしかないのです。
「いやあ~自分では、まずキチンと説明をしているつもりなんですけどね。さすがの私も、いきなり『とにかくやれ』なんて言い方はしませんよ。けれど、スタッフ達はそれでも動かないんですよ。だから、ついつい業を煮やして『やれ、やったらわかる』って言ってしまうんですよ。」
冒頭の店長はこう言いましたが、これは明らかに彼の「相手軸に立っていない」「部下は自分と同じ」という感覚から来ている「自分勝手な自分軸」の発想です。なので、彼が過去に同じような方法をしていながら、上手く行った店と上手く行かなかった店の両方が出現してしまい、その結果、彼自身の評価が安定しないのです。
先ほどの私の調査結果では、頭で納得しないと動けない(もしくは動かない)タイプの社員が70%でしたが、最近は、このようなタイプの社員の割合がさらに増えてきているように思えます。しかし、上司の方はそれをわかっていないので、指示と行動に連動性が生まれないケースが増えているのですね。
さて、あなたは部下にどの様な指示や説明の仕方をしていますか?自分がしてきたからと言って、部下も同じようにさせようとしても、そうは上手く行かないのではありませんか?そんな時は、あきらめずに、焦らずに、手を抜かずに「相手が頭で納得する」まで、説明を繰り返して行きましょう。
え?それで上手く行くのですかって?
四の五の言わずに、まずやってみましょう!
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