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日経記事;『アジアでM&A最高 日本企業、中堅も進出 13年度223件、株高や収益力回復で余力』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月31日付の日経新聞に、『アジアでM&A最高 日本企業、中堅も進出 13年度223件、株高や収益力回復で余力』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本企業によるアジア地域へのM&A(合併・買収)が一段と活発になっている。2013年度のM&A件数は前年度より25%増え、過去最高となる。

株高や収益力回復を背景に成長市場を取り込む動きが大企業だけでなく、中堅企業にも広がっている。資本市場からリスクマネーを調達してM&Aなど攻めの投資に使う動きも鮮明だ。

M&A助言のレコフ(東京・千代田)によると、13年度の日本企業によるアジア企業へのM&A件数は26日時点で223件(前年度は178件)に拡大。

欧米企業向けの減少(7%減の251件)をカバーして、海外全体でも521件と過去最高になる見通しだ。海外M&Aは金額も6兆8567億円と7%増える。

世界全体のM&A件数が約3万5千件(米調査会社トムソン・ロイター調べ)と8年ぶりの低水準に落ち込む中、収益力を取り戻した日本企業によるM&A意欲の強さが際立つ。

景気減速や尖閣問題などを背景に対中国のM&Aが伸び悩む一方、東南アジア向けの伸びが目立つ。三菱東京UFJ銀行がタイの大手銀行を買収し、ユニ・チャームもミャンマーの日用品大手買収に動いた。

中堅企業の間でも成長市場に足場を築くM&Aが広がった。日本ペイントはシンガポールの塗料会社からアジア地域の塗料事業を約1千億円で取得する。

バルブ専業大手のキッツもインドの同業を買収した。人口減の続く国内市場は中長期の成長が望みにくく、「成長するアジア市場を取り込み、収益力を高めるのが狙い」(SMBC日興証券の牧野潤一氏)。

最近の円安で海外企業を買収すると円換算の金額は膨らむが、株高も追い風に日本企業のM&A意欲は強い。

海外M&Aで資本市場からの資金調達を活用する事例も目立つ。

昨年上場のサントリー食品インターナショナルは公募増資の資金で海外の飲料ブランドを買収。電通も増資資金を英広告大手の買収に充てる。従来は借入金や手元資金などを使う事例が多かった。

13年度の公募増資などによる資金調達額は2兆5300億円と、リーマン危機前の06年度(3兆8600億円)以来の高水準となる見通し。

資本市場で調達するリスク資金をM&Aなど攻めの投資に回すことで中期的に企業価値が高まり、市場も活性化する好循環につながる可能性がある。』


本日の記事にありますように、国内企業がM&Aを活性化させていることを実感しています。私は、ベンチャーや中小の製造事業者やITベンダーを主に経営支援しています。

M&A支援も私のサービスメニューに含まれます。ここ2年程M&A支援要請がほとんどありませんでした。

しかし、昨年後半から製造事業者やITベンダーからM&A支援要請が入るようになってきました。M&A支援は、エネルギーと時間を要しますので、私の支援を真に必要とするものに限定して対応するようにしています。

今までのM&A支援要請案件は、ほとんど国内企業が対象でした。ここにきて、海外企業、特にASEAN地域でのM&A支援要請が入るようになっています。

特に、ITベンダーはM&Aに積極的になっているとの印象をもっています。実力あるITベンダーは、国内市場で勝ち組になっても、生産年齢人口減少に伴う市場縮小で収益拡大が見込めないため、積極的に海外市場開拓を行うようになっています。

BtoBタイプのITベンダーの場合、既存取引先がASEANに拠点を拡大するのに伴って、同様に進出して拠点作りを行う企業も出ています。

この時に現地企業を買収して、短期間にローカルスタッフを含めて拠点作りを行うやり方をとるITベンダーも出てきました。

ITベンダーのM&Aは、製造事業者に比べて投資金額が総じて低く、失敗リスクも取りやすい傾向があります。

また、昨年には、国内で自社事業を売却して、その資金を元手にシンガポールで起業するITベンダーを支援しました。

このような中小のITベンダーや製造事業者のASEAN地域でのM&A拡大は、中堅や大手企業のM&A活性化に影響されている気がします。

国内の中堅・大手企業によるASEANを含む東南アジアでの、M&A件数は、2013年12月17日付の日経新聞によると、 M&A仲介のレコフ(東京・千代田)の情報から、「日本企業のASEANへのM&Aは16日時点で8163億円。12年年間の3.8倍に増え、過去最高だった07年(5576億円)を超えた。」としています。

中堅や大手企業が東南アジアでM&Aを活発化しているのは、ASEANを中心として拡大している市場を取り込むためです。

ASEANは、2015年に経済統合することが計画されています。この経済統合が実現しますと、人口は6億4000万人(2015年予測)の巨大市場が、ASEAN域内の関税撤廃が基本的施策として採用されますので、一体化したものとして、モノ、ヒト、商品が今以上に行き来しやすくなります。

また、生産年齢人口は、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどで拡大しつつあり、今後の産業集積で中間所得層の所得向上も見込めます。

国内企業は、中小から中堅や大手企業まで、ASEANを中心とした東南アジアの市場拡大を取り込むことが収益拡大の条件の一つになる可能性が高くなります。

M&Aは、ASEANで事業基盤を確保するのに最適な方法の一つになります。最近の国内企業は、M&Aを巧みに活用できるところが増えています。

ベンチャーや中小企業でも、M&A件数が増えているのは、上記しましたように中堅や大手企業の動きに刺激を受けている面もあるように感じています。

特に、ITベンダーの場合、製造事業者に比べてより柔軟に動けることや失敗しても経営に致命的な影響を与えるリスクが小さいので、米国シリコンバレーのITベンダーのように、事業拡大のために、M&Aを積極的に利用する企業が増えています。

ただし、多くの場合、ITベンダーはM&Aの経験やノウハウが不足していますので、専門家や専門企業の支援を受けた方が成功する可能性が高くなります。

私がM&A支援要請を受けて、支援を決める場合、本当に私の支援が必要かどうか確認するようにしています。

自分の経験から、M&Aを成功させるための大きなポイントは、買収後の新組織の確立と維持運営にあると考えています。

M&Aを実行しようとする企業が、買収後の組織融合が上手くできるかどうかが、私が支援することの決定要因になります。

M&Aを今まで行ったことのない企業は、簡単にM&Aの果実を取れないことを理解する必要があります。同業他社がM&Aを上手く活用できても、自社が同じようにできると錯覚しない慎重さが求められます。

ITベンダーといえども、海外企業のM&Aに失敗すると、相当な経営ダメージを受けます。M&Aを行う必要性、やり方、買収後の組織融合の可能性などを慎重に検討・確認して決めることが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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