日経記事;『パナソニック、営業益8割増 今期2900億円 住宅・車関連が好調』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『パナソニック、営業益8割増 今期2900億円 住宅・車関連が好調』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月21日付の日経新聞に、『パナソニック、営業益8割増 今期2900億円 住宅・車関連が好調』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックの業績が回復してきた。2014年3月期の連結営業利益(米国会計基準)は前期比80%増の2900億円前後に達する見通しだ。従来予想を200億円ほど上回る。

住宅、自動車関連が好調なほかコスト削減や円安も寄与する。収益構造の改革を進めたことで、デジタル家電の不振に直面するソニー、シャープを合わせた家電3社の中でいち早く回復基調が鮮明になる。

売上高は3%増の7兆5000億円前後の見込み。消費増税前の駆け込み需要もあって国内の住宅着工が増えたため、建材や配線器具、住設機器の販売が好調。

カーナビや電装品といった自動車関連も伸び、テレビや携帯電話などデジタル家電の減収を補う。社員の賞与カットや設備投資の抑制なども徹底した。

最終損益も3期ぶりに黒字となるもよう。テレビや半導体など不振事業のリストラの加速で構造改革費用が発生するが、ヘルスケア子会社の売却や年金制度の変更で営業外収益が膨らみ、吸収する。

年間配当も13円と2年ぶりに復配する。同社はデジタル家電の不振などで前期まで2年連続で7500億円超の最終赤字を計上していた。

15年3月期の売上高は今期推定比1%増の7兆6000億円前後、営業利益は3%増の3000億円強となる見通し。営業利益が3000億円を超えるのは11年3月期以来4年ぶり。

駆け込み需要の反動で住宅関連は伸び悩むが、自動車分野で好調が続きそうだ。構造改革の効果でエアコンやデジタルカメラ、半導体などの採算も改善する。』

日本の大手電気機器メーカーは、長らく収益改善が見込めない状況が続いていました。その中で、日立製作所と東芝は、先行してリストラを行うと共に、環境、エネルギー関連を新規事業の柱に育てるべく、M&Aなどの積極姿勢で経営を行ってきました

その結果、日立と東芝は、大手電気機器メーカーの中で、いち早く巨額の赤字状態から抜け出しました。両社とも、確実に収益拡大を実現しつつあります。

まだまだ絶好調というわけにはいきませんが、環境、エネルギーなどの世界市場で需要増加が見込まれる事業分野で勝ち組になるべく積極姿勢で動いています。

2年前の状況では、パナソニック、ソニー、シャープなどの大手家電メーカーも巨額損失に直面していました。

どの企業も大幅なリストラ計画を発表していました。どの企業もリストラは実行できます。しかし、リストラだけでは、収益が縮小均衡に入ってしまい、長期的に衰退してしまうのは確実です。

パナソニックの場合、新経営陣は事業基盤をBtoCからBtoBタイプの事業分野に軸足を移して、競争が激しく、急速な汎用化が進む家電事業への比率を下げる方針を発表していました。

パナソニックは2013年3月28日に、2016年3月期までの中期経営3カ年計画を発表しました。テレビや半導体など5事業の赤字を解消し、営業利益で13年3月期見込みの2.5倍となる3500億円以上、売上高営業利益率で5%以上を目指すとしました。売上高の目標は掲げず、収益重視を鮮明にしたのが印象的でした。

テレビ事業では、長年大きな赤字要因になっていた、プラズマディスプレーパネル(PDP)の生産を終了すると、2013年10月に発表しました。自ら立ち上げたプラズマディスプレー事業に終止符をうちました。

また、同様にパナソニックの足を引っ張ってきた半導体事業も撤退を実行しつつあります。最近では、富山県魚津市、同県砺波市、新潟県妙高市にある半導体主力3工場をイスラエル企業に株式の過半を売却することで大筋合意したと、2013年11月に発表しました。

並行して、パナソニックは、上記記事にありますように、住宅・自動車分野へのBtoBタイプの事業分野へのシフトを進めています。

この事業分野の基盤技術やノウハウは、旧パナソニック電工が手がけていた住宅設備・電気設備などの「住宅」、カーナビなど運転席関連や制御部品などがベースになっています。

自動車関連では、車載用途のバッテリー事業強化が目立っています。最近では、ブログ・コラムで書きましたように、パナソニックは米電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズと共同で、米国に電気自動車向けの電池工場を建設することを今年2月に発表しました。

パナソニックとテスラは、材料から電池の心臓部であるセル、組み立てまでを一貫して手掛ける「電池コンビナート」型の工場を建設する計画をもっているため、国内の複数の部材メーカーにも参加を呼びかけており、総投資額は1000億円を超えるとのこと。

この車載用途バッテリーの新規投資は、パナソニックにとって大きな新規事業立上の機会につながる可能性があります。

いろいろなリスクが想定できますが、三洋電機買収も含めて培ったバッテリー開発力を最大化できれば、大きな新規事業機会になることは確実です。

バッテリー事業は、日本経済にとっても大事な事業分野の一つですので、パナソニックの頑張りに大いに期待します。

パナソニックの構造改革は、まだ道半ばですが、新経営陣の積極施策が収益拡大につながりつつありますので、パナソニックは、日立と東芝に次いで回復基調に入りつつあると認識しています。


一方、ソニーの場合は、合理化の進展はありますが、新規事業立ち上げの道すじがまだ不明確と感じています。

確かに、専用ゲーム機であるPS4(プレイステーション4)は、米国や国内市場で売れていますが、ソニー全体の収益を支える柱になるとは考えにくい状況です。

ソニーは、スマートフォンを収益の柱とする方針を発表していますが、アップルやサムソンとの厳しい競争にどう打ち勝っていくのか明確になっていません。

テレビやパソコンなどの急速に汎用化していく民生用機器市場で勝ち組になることは、相当な難しさを伴います。

テレビは赤字状態が続くのであれば、パソコンのバイオ(VAIO)事業のように、完全撤退することも必要になります。

当然、ソニーは新規事業立ち上げを早急に行う必要があります。一時期、ソニーはパナソニックと同じように、医療分野などのBtoBタイプの事業分野を強化する方針を発表していました。

しかし、現時点までソニーからは、医療機器事業分野への具体的な展開計画が発表されていません。

また、ソニーはバッテリー事業をコア事業の一つとして位置付けたとのことで、一時期決めていました売却方針を変更しました。このバッテリー事業についても、新規事業計画が具体的に発表・実行されていません。

ソニーの動きは、パナソニックと比較すると事業改革の動きが遅い印象をもっています。ソニーもパナソニックのように、早く新規事業立ち上げとなる具体策の実行を期待します。

今後とも、パナソニックとソニーの動きに注目していきます。両社の動きは、中小企業が新規事業立ち上げを行うときの参考になることがあるためです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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