- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
(初出:8/31/2013 専門家プロファイル)
「お菓子のレシピ本には『ハンドミキサー使用』と書かれていますが、必須でしょうか。買うかどうか迷っています」という質問がありました。
まずハンドミキサーがなくても、(特殊なものをのぞいて)その気になればたいていのものは作れると思います。たとえば卵白1個を泡立てるなら、ハンドミキサーを使って行きすぎる(=「離水」といって、せっかく泡だった卵白のタンパク質が崩壊して元のような液体状に戻ること)くらいなら、泡立て器を使ったほうがよいときもあります。夏場のゆるんだ卵白はとくに早く泡立ってしまいますのでなおさらです。
しかし卵白を3つも4つもを手で泡立てるのは少し大変です。もっとも腕力にご自信があるなら、ちっとも問題ではありません。
厳密にいうと、手で立てた卵白とハンドミキサ-で立てた卵白とでは、できあがりの生地に若干の違いが出ることもあります。(技量によっては手で泡立てたときのほうが、メレンゲの目が細かく緻密ではあるがボリュームにかけ、がしっとした焼き上がりになることがあります。)
ふわっと焼き上げたいときは、ハンドミキサーのほうが早道だと思いますし、圧倒的に楽です。
泡立て器も、各社いろいろ使い勝手が違います。卵の泡立てに使いたい場合は、本体が大きい方が早く、またワイヤーの数が多いほうが早く泡立ちます。またしなりのある製品のほうが楽です(たとえばマトファー社)。バターを柔らかくするのに使いたい場合は、ワイヤーががっしりとしてぶれないほうが楽です(たとえばホテイ印)。本体のグリップの太さも、手の大きさによって、合う、合わないがあります。
ハンドミキサーも各社で違い、羽根の大きさやその角度によって、使い勝手も泡立つ速度も違います。
いずれにしてもネットなどで買うよりも、いったんは売り場でご自身の手で握ってみて、使い勝手を体感されるのをおすすめします。ご自身の身体に添うと感じられるものがよいと思います。一番いいのは、実体験です。お友達のお家で、あるいはお菓子教室で。
それと余談ですが、お菓子作りにおいて、自分の持つ道具というものは、フォルムや色や可愛さなども重要ですよね。よいお道具に巡りあわれますように!