少し前のことですが、世界各国の国民が、日々の暮らしに満足し、幸せを感じているかどうかを調査したという報告書が発表され、ランキング首位はデンマーク、日本は43位だったそうです。
単純にうらやましいなどと思っていましたが、あるところで目に留まったデンマークに留学している方が書いているコラムによると、デンマーク人はこのことについて、「世界一幸せなわけではなく、野心的でないから失望することもないだけで、満足しているという言葉の方が合うかもしれない」と言っていたそうです。競争を捨てて、平等な高福祉社会に満足しているだけだということでした。
またデンマーク人の国民的な価値観に、“ジャンテロウ”というものがあって、その中身は「自らを特別であると思うな」「私たちよりも優れていると思い上がるな」など、十数項目の“平等”について説いた内容で、日本人の礼儀正しさと同じように、ここに価値を置く国民性なのだそうです。“自己アピール”が良しとされないので、就職活動などは実はやりづらいのだそうです。
幸せとは、本当に主観的なもので、自分が幸せと思えばその人は幸せということです。これを見ていてその思いをなおさら強くしましたが、日本人との違いとして一つ思ったのは、“心の余裕”ということです。平等で高福祉という背景はあるにしろ、他人の境遇をねたんだり、肩書で先入観を持ったりせず、自分なりの幸せを享受しています。
私は“競争”も“上昇志向”も“野心”も必要だと思いますが、これらが行きすぎるとねたみや嫉妬の感情につながり、結局自分が幸福感を感じられなくなってしまうのだと思います。
今一度、自分の“心の余裕”を見直したいと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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