「店長!『お客様からの要望』に〇〇村の▲▲を取り扱って欲しいとリクエストが書かれているんですけど・・・どうします?」
と、ある中堅スーパーの売り場主任が店長に尋ねました。この店は、店頭に「お客様からの要望」をお伺いするためのアンケート用紙が置かれています。この日は、担当の売り場主任が、そのアンケートの中身を確認して店長に報告する日でした。そして、そのアンケートの中の一つに、この店が今まで扱ったことの無い商品の名前が書かれていたのです。
アンケートには、このように書かれていました。
「ご担当者様。いつも、楽しくお買い物をさせて頂いております。さて、お願いなのですが、和〇山県の〇〇村の特産品で▲▲という商品があるのです。先日旅行で伺ったときにお土産として買って帰ったのですが、これが非常に評判が良かったのです。非常に美味しいものですし、私もまた食べ達と思いますので、出来れば貴店にて取り扱って頂けないかと思い筆をとりました。どうぞ、宜しくお願い致します。」
このアンケートを読んだ主任は、「店長、どうします?売れますかね?でも、お客様のリクエストをいちいち聴いていたらうちの店は、在庫の山になっちゃいますよ・・・」と、困った顔でつぶやきました。主任からの報告を聞いた店長は、少し考えてから言いました。「いや、主任。この商品取り寄せましょう。どれくらいのロットか調べてくれませんか?」
店長の指示を受けた主任は、この商品の発売元を調べ、最少発注単位を確認しました。「店長、この商品、かなりまとまった数でないと取り寄せできないようですよ。どうします?余っちゃうかも知れませんね・・・返品は効かないみたいですし・・・やっぱり止めますか?」
「いや、出来るだけご要望に応えましょう。主任、ひとまず、この商品のサンプルを至急手配して下さい。」
数日後、届いたサンプルを確認した店長は、「確かに美味しいね。こんなのがあるなんて知らなかったな。これは店頭に並べようよ。」と主任に言いました。主任は「確かに美味しいんですが・・・売れますかね?誰もこんな商品知らないですよ。」と不安そうに答えました。「売れます。いや、売りましょう!売れる様にすれば良いんです。では、発注をお願いします。私は、お客様にご意見の返事を書きますね。」と、言って店長はアンケート用紙の返信欄にコメントを書きました。
「お客様、このたびは、〇〇村特産の▲▲をご要望頂き、ありがとうございました。早速、発売元に発注をさせて頂きました。来週月曜日には、納品できそうです。お客様のご来店をお待ちしております。ありがとうございました。」
店長には、この特産品▲▲が「売れないかも?」と言う発想はありませんでした。
「お客様が、『評判が良い』とおっしゃっています。私も確かめてみて『美味しい』と思いました。せっかく頂いた、新しい商品との素晴らしい出会いです。この商品は、この機会を活かして、私の店にしか扱っていない商品として、しっかりと育てます。」
店長はそう言って、要望された商品を店頭に並べ、さらに認知度を高めるために、「和〇山フェア」を実施し、その他の特産品も一緒に並べたのです。そうすることで、イベントによる集客効果に合わせて、新商品告知、要望されたお客様の満足度向上、さらに、商品ラインナップを増やすことなどを合わせて、この店の「強み」を積み重ねていったのです。
お客様の声を聴き、その要望お応えすることは、その地で商売をさせて頂いている以上、全力で実現に向けて取り組むべきことなのです。しかし、店にも店長にも会社にも色々と事情があります。その為、アンケートに書かれているご要望(未扱い商品の取り扱い要望など)を全て満たしていくことなどなかなか出来ないのが現実です。でも、この店長は、このご要望を元に、この店の強みを増やし、さらに、お客様にも、満足していただこうと考えたのです。
さてさて、あなたはこう言う時にどの様な判断を下しますか?
いつもお読み頂きありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
※クリックして人気ブログランキングへ
■松下雅憲の著書について詳しくお知りになりたい方はこちらの画像をクリック!
■松下雅憲への「コンサルティング依頼」「講演・セミナー・研修依頼」についてはの公式ホームページへどうぞ
■松下雅憲が紹介されたページはこちら