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日経記事;『パナソニック,テスラと車用電池工場米に建設,1000億円投資 車両価格ガソリン車並』に関する考察

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皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月26日付の日経新聞に、『パナソニック、テスラと車用電池工場 米に建設、1000億円投資 車両価格、ガソリン車並みに』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは米電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズと共同で、米国に電気自動車向けの電池工場を建設することで最終調整に入った。国内の複数の部材メーカーにも参加を呼びかけており、総投資額は1000億円を超えるとみられる。

2017年の稼働をめざす。日米の主力メーカーが協力し、大量生産でコスト低減が進めば、環境性能に優れるEVの普及に弾みがつきそうだ。

パナソニックとテスラは材料から電池の心臓部であるセル、組み立てまでを一貫して手掛ける「電池コンビナート」型の工場を建設する計画。パナソニックやテスラ、材料メーカーなどが同じ敷地内にそれぞれの生産拠点を構える。自動車向けでは世界最大規模の生産拠点となる見通し。

小型軽量のリチウムイオン電池を生産する。テスラが自社のEVに搭載するほか、トヨタ自動車など他社への供給も検討、家庭用蓄電池などへも用途を広げ、コスト低減を進めるとみられる。

テスラは03年設立のEVベンチャー。米ナスダック市場に上場し、パナソニックやトヨタが出資している。主力セダン「モデルS」は環境性能とデザインが支持され14年は前年比で55%増の3万5000台を販売する計画。さらにSUVを14年中に発売するほか、17年ごろの発売を目指して新型EVを開発している。

現在、米国での最低価格は約7万ドルだが、新型は3万5000ドル程度で販売し、一段の普及を目指す。EVは原価に占める電池の割合が大きく、販売価格を引き下げるカギを握る。新工場立ち上げでガソリン車に匹敵する価格帯の実現を狙う。

パナソニックは、13年3月期まで2期連続で7500億円超の最終赤字を計上。プラズマテレビの撤退など構造改革に取り組んできた。自動車向け事業を成長分野の一つに位置付けており、テスラとの共同生産で販売を伸ばし、反転攻勢に弾みを付ける狙いだ。

EVでは日産自動車が「リーフ」を世界累計で10万台販売。シェア首位の45%を握る。電池と車両を生産する米テネシー州の工場では最大約1500億円を投資、うち半分強を年20万台分の電池生産にあてる計画を表明している。三菱自動車も「アイ・ミーブ」を販売中。独BMWやフォルクスワーゲン(VW)も発売するなど新規参入が続く。

日産はNECと共同出資の電池メーカー「オートモーティブエナジーサプライ」から電池を調達。パナソニックもトヨタと共同で「プライムアースEVエナジー」を運営している。

三菱自は三菱商事やジーエス・ユアサコーポレーションとの共同出資会社から調達しており分野を超えた協力関係の構築が進んでいる。』


パナソニックは、本日の記事にありますように、2013年3月期まで2期連続で7500億円超の最終赤字を出しました。赤字解消のため、プラズマディスプレー事業からの完全撤退や、人員削減などのリストラを実行しました。

パナソニックは、2016年3月期に赤字事業をゼロにする目標を打ち出しています。BtoC事業の中で市場縮小や赤字状態にある事業のリストラを表明しています。例えば、デジタルカメラ事業やエアコン事業がその対象の一つになっています。

合理化を行う一方で、パナソニックは、産業・業務用途(BtoB)を新規成長分野の一つとしてとらえて、本格的な事業展開をすると表明していました。

最近、パナソニックは、新規事業分野への積極参入を具体的に表明・実行しつつあります。一つの事例として、2月24日に法人向け堅牢タブレット「TOUGHPAD(タフパッド)」シリーズで、音声通話対応の「FZーE1」「同X1」を2014年6月中旬から順次発売すると発表しました。

電池については、パナソニックは新規成長分野を支える中核事業の一つとして表明していました。本日の記事は、パナソニックが自動車メーカー向け(BtoB)に新型リチウムイオン電池の開発・実用化への本格投資について書いています。

何度か本ブログ・コラムで書いていますように、電池は今後の社会的、あるいは経済的なインフラを支える重要な基盤事業の一つになります。

現在の電池事業においてリチウムイオン電池は、小型製品から航空機のような大型製品に広く使用されている唯一のものです。

将来的には、リチウムイオン電池をしのぐ新型蓄電池が開発・実用化されますが、当面の主力電池であることは明白です。

パナソニックは、自動車用蓄電池でさまざまな技術やノウハウを蓄積できれば、他の工場、オフィス、家庭用途などの応用分野に生かせます。

蓄電池は、上記しましたように、あらゆる社会・経済活動を支える基盤の一つですので、市場規模は巨大です。

蓄電池に求められる顧客からのVOCは、高耐久性、蓄電時間の長期化、小型化、軽量化、充電時間の短縮化、適正価格などであり、具体的で客観的です。

また、上記VOCは、BtoBの顧客企業や所属する事業分野により異なります。自動車の場合、上記VOCをすべて満たさないと、当該リチウムイオン電池を搭載するEVは、ガソリン車と同じような価格、性能、機能を出しません。

現在のEVは、高価格、低い蓄電時間、長い充電時間がボトルネックになっており、普及しない現実があります。

自動車ユーザーは、EVにガソリン車と同じような快適性(例えば、エアコンやカーオーディオが問題なく使えることなど)を当然のごとく求めます。

残念ながら、現在のEVは自動車のVOCを満たすレベルになっていません。

現時点でもっとも実用的なエコカーは、パラグインハイブリッド車(PHV)になります。PHVは、トヨタ自動車とホンダが他の自動車メーカーより、先行しています。

政府は、2015年度から水素自動車(燃料電池車)の実用化を実施します。トヨタやホンダが積極的参入を表明しています。

水素自動車の普及には、自動車価格の低減化や水素ステーションの設置数の増加などが課題になります。

水素自動車は、究極の環境対応車と言われていますので、各国の政府や産業界が本腰を入れれば、本格普及する可能性があります。

EVも走行時にCO2やCO,NOx,SOxなどの有害な排気ガスを出さない点では、究極の環境対応車になりますので、EVが当面の本格的環境対応車になる可能性があります。

パナソニック、GSユアサ、NEC、東芝、日立などの自動車用電池メーカーが、リチウムイオン電池の改良を本格化すれば、現在のEVがもっている課題をクリヤーできる見込みが出てきます。

本日の記事によると、パナソニックやテスラが米国で展開する工場には、部材メーカーなども参加しますので、レアアースを使わない新方式や低コスト化が期待されます。

また、リチウムイオン電池を車載用途に使うときの最適化についても、ITの積極活用や部品メーカーとの協業で実用化されると考えます。

その観点から、テスラとの協業や工場の建設地がシリコンバレーであることは、パナソニックに有効に働くとみています。

ここで、車載用途に適したリチウムイオン電池の開発・実用化に成功すれば、電池本体だけでなく、周辺部品も含めてトヨタなどの他の自動車メーカーにも販売できます。

パナソニックの今後の動きに注目しつつ、大きな成果が出ることを大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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