日経記事;『東南ア 消費が成長主導 昨年120兆円、日本の4割 輸出中心型からシフト』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『東南ア 消費が成長主導 昨年120兆円、日本の4割 輸出中心型からシフト』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月23日付の日経新聞に、『東南ア 消費が成長主導 昨年120兆円、日本の4割 輸出中心型からシフト』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東南アジアで個人消費の拡大が続いている。2013年は主要5カ国合計で120兆円に達し、00年の約3.7倍、日本の4割程度の規模になった。

新興国経済は減速しているが、東南アジアでは今後も消費をけん引する中間層の拡大が続く見通し。成長エンジンが輸出から消費に変わっており、食品や小売りでは旺盛な内需を狙った日本企業などの進出も相次いでいる。

名目国内総生産(GDP)をもとに13年の個人消費支出を推計すると、5カ国(インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール)は合計で1兆1700億ドル(約120兆円)となり、前年比で1.6%増えた。

通貨安の影響で増加ペースは鈍ったが、現地通貨建てでは、インドネシア(12.8%増)やマレーシア(9.7%増)などが高い伸びを維持している。

個人消費が00年から12年にかけて5倍強に増え日本の水準に迫っている中国に比べると規模は小さい。今後は日本企業などの投資が集まる東南アジアで所得向上のサイクルが速まり、消費の拡大ペースが加速する可能性がある。

東南アジア主要5カ国の個人消費はインドネシアやマレーシアを中心に10年前後から急速に伸びた。1990年代からの外資系製造業の誘致によって自動車やIT(情報技術)関連の工場が相次ぎ立地し、都市部に住んでいる中間層の厚みが増している。

工場や企業への就業で収入が安定し、それが旺盛な消費を支えている。マイカーブームも起こっており、5カ国にベトナムを加えた6カ国の新車販売台数の合計は13年が356万台と、09年からほぼ倍増している。

消費意欲が旺盛な中間層は今後も増加を続ける見込み。英ユーロモニターは、主要5カ国で世帯の可処分所得が年5000ドルを超える中間層・富裕層の人口は、12年の2億9000万人強から20年には3億8000万人に増えると予測する。

「東南アジアは輸出の拠点から消費の拠点へと変わりつつある」(ニッセイ基礎研究所の高山武士研究員)。進出企業の賃金に上昇圧力がかかっていることも東南アジアの経済構造を輸出中心から消費主導型にシフトさせている。

巨大な消費市場を狙って外資系企業も動き始めている。先頭を走るのは食品や小売りだ。

人口2億人超のインドネシアでは伊藤園が合弁会社を通じて茶飲料を販売する。カルビーはフィリピンでスナック菓子を生産する合弁会社を立ち上げる。

消費主導の成長を続ける東南アジアだが、今後は物価高が成長のリスクになりそうだ。マレーシアやインドネシアなどは財政を改善するために燃料などの価格を抑える目的の補助金のカットを進める。新興国不安に伴うマネー流出で通貨安が進んだ結果、輸入物価が上がっており、物価高が消費に悪影響を及ぼす恐れもある。』


東南アジアをASEANに置き換えますと、ASEANは2015年に経済統合を行います。経済統合されると、基本的にはASEAN域内での関税がゼロになりますので、域内で作った商品は、輸出入に伴う税金がかからずに移動できます。

ASEANが、この経済統合でさらに一体化した地域、あるいは経済圏として発展することは、確実です。

自動車や電気・電子を中心とする国内メーカーは、ASEANの中で、特にタイに集中して投資してきました。

タイは、政治情勢が他国に比べて安定していたことと、勤勉かつ穏やかな国民性などから、ASEAN域内で最高の投資対象国となってきました。

投資した企業数は、「バンコク日本人商工会議所会員数(2013年4月)」でみますと、1,458社になります。

タイで産業集積が進んだ結果、日本と同じような産業構造ができており、バンコク周辺で、必要な部材・部品の調達、試作機製造、製品生産などが可能になるビジネスインフラが構築されています。

タイは、今まで製造業中心に投資優遇制度(BOI)を設けて、積極的に日本など外国企業の投資を積極的に受け入れてきました。

その結果、タイの失業率は事実上ゼロになっています。完全雇用の状態にあります。この結果、タイは新しいBOI制度を2015年くらいに導入して、今後は医療やバイオ技術などの高度産業への外資の呼び込みを図る計画です。

ASEANの中では、シンガポールとマレーシアが経済発展をとげて、先端を走っている国でした。タイは、上記産業集積の結果、急速に経済力を高めています。

製造業の観点からは、タイがASEAN域内の中心国になっています。私は、昨年10月にバンコクお訪問しました。4年ぶりの訪問でしたが、バンコクの変貌ぶりに驚きました。

道路はきちんと舗装されており、走っている自動車は新車が中心です。路上にはほとんど浮浪者のすがたなはなく、歩いている人たちの服などからタイの人たちが豊かになっていることを実感しました。

一般的に経済の豊かさや将来の成長性をはかるものさしの一つとして、15歳から64歳までの生産年齢人口をみるやり方があります。

生産年齢人口の視点でタイをみますと、以下のようになります。
国連が2008年に行った推計によりますと、タイの生産年齢人口は以下の通りです。

・2005年:約4613万人
・2010年;約4826万人
・2025年:約4921万人
・2050年:約4583万人

上記数字でみますと、タイの生産年齢人口のピークは、2025年ころとなります。タイはそれ以降日本と同じような成熟国家となる可能性があります。

生産年齢人口は、その国の中間所得層の厚みを表します。タイでは、完全雇用の状態になった結果、中間所得層の収入が増えて、大きな消費者市場になりつつあります。

同じようにインドネシアとフィリピンをみますと、生産年齢人口は以下のようになります。

★インドネシア

・2005年:約1億4487万人
・2010年;約1億5634万人
・2025年:約1億8394万人
・2050年:約1億8428万人

★フィリピン

・2005年:約5179万人
・2010年;約5826万人
・2025年:約7648万人
・2050年:約9684万人

インドネシアとフィリピンの生産年齢人口は、2050年くらいまで増え続ける予測になっています。製造拠点の観点からの新規投資は、記事にありますように、タイではなくインドネシアやフィリピンが対象国となります。

また、インドネシアとフィリピンは、タイのように産業集積を進めて、多くの雇用を生み出すべく、外資導入を積極的に進めています。

もっとも、インドネシアは毎年賃金上昇が続いていますので、当該国への労働集約型事業の投資は、慎重に検討する必要があります。

かって、ASEAN域内で生産した商品は、域外に再輸出していましたが、最近は域内で販売することが増えています。

これは、シンガポール、マレーシア、タイなどの主要な域内国家の経済力が伸びてきたことによります。ASEAN統合は、その動きを加速します。

このような経済環境下、多くの企業がASEANでの事業拡大を狙って動きを加速しています。ASEAN域内の各国別の経済状況などの情報入手や、入念な下準備と周到な事業計画作成によって、ASEAN域内での事業展開のやり方を決めて実行する姿勢が重要になります。

ASEANブームに惑わされずに、地に足がついた対応が必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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