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日経記事;『休廃業・解散、最多3万社 後継者難、高齢化進む 昨年4%増、10年で倍』に関する考察

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皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月22日付の日経新聞に、『休廃業・解散、最多3万社 後継者難、高齢化進む 昨年4%増、10年で倍』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『資産が負債を上回っているにもかかわらず事業の継続を断念する企業が増えている。昨年に休廃業か解散となった企業数は約3万社と過去最多だった。背景には経営者の高齢化と後継者不足という構造的な問題がある。

新しい企業の開業は低水準のままで企業の新陳代謝は進んでいない。成長産業への構造転換を進めるには、開業を促す環境づくりが課題となる。

東京商工リサーチが資産が負債を上回った状態での企業活動の停止を「休廃業」、商業登記などで解散が確認された場合を「解散」として集計した。それによると、昨年の休廃業・解散件数は2万8943件に達し、前年比で4%増えた。2003年の1万4181社から2倍以上に膨らんだ。

02年以前の統計はないが「バブル期は開業が活発だった一方で廃業は少なかった。現在の廃業数は歴史的に最多水準」(東京商工リサーチ)という。

休廃業が増える一方、景気回復を背景に倒産件数は減っており、13年は22年ぶりに1万1千件を下回った。08年のリーマン・ショック以降、休廃業・解散と倒産の合計数は4万件でほぼ横ばいだ。

景気の回復局面でも休廃業が増えている要因は後継者不足と経営者の高齢化だ。群馬県伊勢崎市の金属メッキ加工会社「小泉製作所」は昨年2月に廃業した。経営者の男性は「地元企業とは順調に取引が続いていたが、息子たちをはじめ、後を継いでくれる人がいなかった」と語る。

都内で医療品の卸売業を営んでいた男性も「事業はうまくいっていたが、80歳を超えてしまい体力的に続けていけなくなった」と言う。

中小企業白書によると、小規模事業者の6割は後継者難を廃業の理由にあげている。帝国データバンクの調査では、社長の平均年齢は1990年以降一貫して上昇基調をたどり、昨年は58.9歳と過去最高を更新した。そのうち60歳代以上は半数を占め、70歳代も2割弱に上る。

東京商工リサーチの友田信男・取締役情報本部長は「高齢化や後継者難の問題のほかに、景気回復により業績が回復し、今なら痛みを伴わない休廃業や解散ができる環境が整ってきたという側面もある」と指摘する。』


私は、中小企業の経営環境や課題などを継続的にみるため、毎年春に中小企業庁が発行する「中小企業白書」を読みます。

中小企業白書には、毎年同じ定義や分類で統計データを取っているものがあり、経年変化をみることができるものがあります。

それらの連続データの中に、中小企業の開業率と廃業率の推移を取っていたものが最近の中小企業白書までありました。

そのデータによると、約30年くらいの推移でみた場合、毎年廃業率が開業率を上回っていました。

つまり、会社の起業・開業より会社を廃業する数が多いことを示しています。結果として、国内の中小企業数は、毎年減少しています。

廃業する理由の中で、最も多いのが「集客や販売の難しさ」であり、二番目に多いのが「後継者不在」でした。

私が経営コンサルタントとして行っている事業ドメイン(サービスメニュー)は、新規事業立上と販路開拓です。

販路開拓を主メニューの一つにしていることは、中小企業白書の調査結果からニーズが最も高いことによります。

ときどき、中小企業の社長から、後継者育成支援を依頼されることがあります。現在、私は多くの仕事を抱えているため、長い時間を要する後継者育成支援をお受けしていませんが、以前は複数件お受けしていたことがありました。

後継者育成支援は、事業を維持拡大したいという現経営者の切実な意志により依頼されたため、可能な限りお受けしていました。

後継者育成支援をお受けしたときに、後継者と意思疎通を図ります。後継者の本音や経営能力などを見極めるためです。

そのときに、後継者の気持ちの中に、「積極的に事業継承したくない」、「父親から言われて仕方なく継ぐ」などの気持ちを持った人たちが複数いました。

現在の経営者である父親が、苦労して注文を取ったり、資金繰りに奔走する姿をみて育ったことも一因としてありました。

後継者が積極的な気持ちで事業を引き継がないと、事業の維持拡大ができませんので、気持ちのもち方と経営スキル向上を狙った支援メニューを用意して支援しました。

2013年度中小企業白書によりますと、経営者の平均引退年齢は小規模事業者で70.5歳、中規模企業で67.7歳と上昇傾向にあり、経営者の高齢化が進んでいます。

当該中小企業白書の中で、事業承継のタイミングについては、「ちょうど良い時期だった」と回答する現経営者の承継年齢は平均43.7歳となりました。実際の承継年齢が平均50.9歳であることから、後継者への事業承継は総じて遅れています。

私の経験では、現経営者が自分の年齢を意識し始めたときに、後継者育成を真剣に考える傾向が高いようにみえます。

後継者が育った環境は、創業者のそれとは全く異なりますので、経営者が調査に答えているように、早めの40歳代後半からしっかり準備して、少なくとも数年間かける時間的準備と配慮が必要になります。

また、後継者の経営を支える経営幹部や中間管理職の育成も並行して行うことが肝要です。創業者を支えた現経営幹部や中間管理職と、後継者間で意思の疎通が上手く図れないケースもあります。

いずれにせよ、後継者がいる現経営者は、自分に余裕があるうちに、経営の引継ぎのための下準備を時間をかけて行うことが事業承継の成功要因の一つになります。


一方、多くの中小企業には、後継者がいない、あるいは、後継者候補がいても、事業を引き継がないケースがあります。

私の支援先企業の中に、子供がいなくて後継者がいないケースもあります。この企業は、売上確保しており、かつ、円安で収益拡大もしていますが、将来事業継承ができないリスクがあります。

この場合、部下の現経営幹部に引き継いでもらう、外から経営者を連れてきて引き継いでもらう、他社に企業や事業を売却するなどの方法があります。

理想は、現経営幹部に引き継いでもらうことですが、経営に必要な資金を手当てできないケースも多く発生しており、実現することは困難になっています。

外から経営者を呼んで引き継いでもらうことは、可能です。課題は、候補となる経営者の選択です。自薦、他薦がありますが、自社の事業内容を理解して、経営幹部や部下を引っ張っていける経営者の選択には、時間を要しますのでしっかりとした計画作成が重要になります。

また、現在は中小企業間同士のM&Aも活発になっていますので、よい相手先がみつかれば、会社や事業の売却も有効な事業継承の方法になります。

私は、支援先企業の社長には、事業承継の実行前に、黒字化しておく、多額の借金がある場合の返却の促進、係争中の法務案件がある場合の解決促進を積極的に行うようアドバイスしています。

どんな中小企業でも、事業承継するときは、当該企業を身軽にしておくことが成功するための大きな条件の一つになることによります。このことは、短期間に解決できないものであるため、上記しましたように入念な下準備と周到な実行力が必要になり、時間を要します。

事業承継は、どんな中小企業にとっても、重要であり、克服するのに時間を要しますので、若い時から重要な経営課題として取り組む姿勢が重要であり、必要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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