「あわてるな。しっかりと準備をしてからでも遅くない。準備8割、本番2割で仕事をすれば良いんだ。」
上司であるマネジャーからこう言われたのは、先週この店に着任したばかりの若い店長でした。彼は店長歴1年。新店のオープンによる玉突き人事のあおりを受けて、始めて店長になった店での成果がしっかり見えないままたった1年で、今度は少し難易度の高い都心の店舗に異動になったのでした。
その為、この店長は、「今度はもっと早くしっかりとした成果を出そう。前の店舗ではのんびりやっていたので、結局1年では眼に見える大きな成果は出せなかった。同期の連中は、もう立派に店長としての成果を上げている。自分もがんばらなくては・・・」そんな気負いを持って、この店に異動してきたのでした。そんな彼の気持ちを理解している上司のマネジャーは、冒頭のように、彼にまずはしっかりと準備をしろと、アドバイスをしたのでした。
このマネジャーの言う「準備」とは、「スタッフとの信頼関係の構築」そして「スタッフのサービス力の向上」の2点でした。新任店長がしゃかりきになってキャンペーンなどを行っても、店長との信頼関係が築き上げられていなかったら、やらされ感を持ったまま取り組むことになります。これでは、上手くいくはずがありません。また、たとえ信頼関係が出来上がったとしても、スタッフ自身のサービス力や販売力のスキルが低かったら、思うようには売上は伸びないでしょう。信頼や目的理解、意欲は売上げ向上に不可欠ですが、スキルが無いままだと高い成果を得ることは難しいのです。マネジャーは、この2つの「準備」を全くしないままで突っ走ろうとしていた新任店長に、「あわてるな。まずは基本の2つをしっかりと準備しろ。」と言ったのです。
仕事における「完璧な準備」は、全ての仕事に対してその効率を大きく向上させます。例えば私は前職のとんかつチェーンで経営分析の仕事をしていました。その中で、毎月発行する「MOR・・・Monthly Operating Report 月間営業レポート」と言う、売上や人件費などの詳細データを個店別、地域別、ブランド別、前者などの単位で取りまとめたものの作成を担当していました。そのレポートは450店舗あるチェーン店の細かい数値を、見やすくまとめたレポートです。その為、たくさんの「準備」が必要でした。私の前任者は、このレポートを全店舗分作成するために、3日以上かの時間をかけて作業を行っていたのです。その原因は、レポートに使用する「あるべきデータ」が作成されていないため、作業が遅々として進まない、と言うことでした。
関係各部が作成する最新データを使用して実施するような仕事は、そのレポート作成中に、他部のデータ作成遅れに気がついても、もうすでに就業時間が過ぎており担当部門の担当者は帰宅してしまっていて、後の祭りなのです。なので、翌日まで作業はストップ。こんなことを繰り返していました。しかし私は「準備」のひとです。作成予定日当日までに全てのデータを私に提出してもらうことに、いつも全力で取り組んでいました。取り組み内容は全てデータ作成を行う各部門の担当者へのネゴシエーションです。
その結果、レポート作成日には、全てのデータが揃い、その日のうちに難なくレポートを完成させ、店舗に配信していたのでした。前任者が、3日間かかっていた仕事をわずか2時間で達成していたのです。
店長の仕事でも、このような段取り8割で進めたら上手くいくような仕事はたくさんあります。閉店時の後片付けもそうでしょう、清掃道具の準備や、周辺の片付けを先にしていたらスムーズに作業が進みます。スタッフのワークスケジュールの作成も同じですね。パート・アルバイトの翌月の希望スケジュールを期限までに提出させて置けば、後は楽に作業が進みます。
さて、あなたの仕事の進め方は如何でしょうか?「やりながら考えよう」と言うのは良い方法ではありません。まずは、「準備」を確実に進めておきましょう。それが成功の秘訣ですよ。
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