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閲覧数順 2017年02月27日更新

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カナダ留学か日本での教育か

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留学

こんな質問をいただきました。

他にも同じような内容のご相談が最近多いです。
回答を寄せるたびに、逃げ道が非常に限られているか、またはマイナス点の方が多い現状にイライラしてしまいます。

それでも、現実をバラ色に変えてアドバイスするわけにはいきませんので、厳しい回答になってしまうこと多々ですが、多くの方が興味のあることだと思い、コラムにて公開致します。

(ご質問の内容は個人情報のため公開向けに変更してあります。)

 

カナダの高校留学と大学進学について検索をしていてこちらにたどりつきました。
中1(13歳)の息子の進路と、それに向けての英語学習方法について相談させてください。

息子は家族共々3年超アメリカに滞在し田舎町の公立小学校に通いました。 日本では集団主義になじめず、いじめの対象にもなっていた息子ですが、アメリカ生活が大変肌になじみ、日本人のほとんどいない環境で、生き生きと学校生活を送りました。 成績もよく、生徒会にも立候補するほど適応しておりました。

現在、また日本の義務教育に戻ってしまい、同じ困難を経験するよりはと、北米での教育を考えています。 いろいろな場所を調べた結果、カナダ・バンクーバー近郊にある学区でのインターナショナルプログラムに1年半、とりあえず通わせることにしています。 カナダの教育制度が魅力的なことももちろんですが、日本の教育制度にはおいておけないという後ろ向きな理由もあります。

1年半後、そのまま高校に行くか、日本の高校に戻るべきか迷っています。 本人の希望はカナダですし、それが一番合っているのは分かっていますが、日本語能力の低下を心配しています。 現在でも漢字は小学3年生程度です。 そんなデメリットを思うと、高校はいったん日本に戻り、カナダの大学進学への準備をする選択肢も考えています。

大澤先生のコラムにも、同じ仕事を英語と母国語でできる能力が必要、とありますが、今でも読み書きは英語の能力が上なので、カナダ生活が長くなると日本語がますます遅れるのではと思います。この点について、アドバイスをいただけましたらうれしいです。

また、カナダの高校を卒業したとしても、UBCやトロント大学などへの進学は難し
いと聞きましたが、日本の高校からTOEFLの点数などでインターナショナルの生徒としてアプライするのとどちらのほうが入りやすいと思われますか?

 

複数の質問が含まれているようですので、ひとつづつ考えて行きます。


. British Columbia 大学(UBC)やToronto 大学などへの入学について。

カナダの大学入学には二つのルートがあります。

 直接UBCのような大学に入学を許可されるためには、高校でかなりの好成績をおさめていることが必須です。 カナダの大学レベルは世界的に見てもかなり高く評価されており、日本のように各大学のレベルの差はほとんどありませんが、リサーチで世界に有名な大規模な大学(UBCのような)はやはり人気があるようです。 特にアジア圏内からカナダの大学に子供を留学させる親たちに人気です。 世界的な知名度でしょうか。

 ふたつ目は、もっと小規模で教授にも近い大学か、カレッジ(国により、この「カレッジ」意味は大きく変わりますが、カナダでは大学と同じレベルのコースが取れ、その単位は大学にtransfer 可能です。)からの入学です。 高校卒業資格があればほぼ入学が許可されます。 (留学生はTOEFLが必要ですが、ある一定年数以上カナダで教育を受けており、English 12 がB以上であればTOEFL免除になることもあります。)

カレッジで30単位~60単位ほど取得したあと(好成績が必要)、希望の大学にapply し、そこから移籍します。 卒業資格は移籍した大学の名前です。

留学生などは、直接大規模な大学に入っても独立した勉強についていけずドロップアウト する可能性が大きいので、ほとんどカレッジ周りのルートを勧めます。 私の教え子たちは、このルートからカナダの有名大学を卒業しています。


2. 日本の高校卒業後、UBCなどへの留学をするルートも1番とほぼ同じです。

異なる点は:

日本の高校の好成績が必要になります。 高校間の格差も調査されますが、かなりの高い成績を取った留学生が世界中から応募しますので、競争率はかなり高いです。
もちろんTOEFLは必要です。 この場合100点以上は必要だと思います。

カレッジルートの場合は、成績よりも高校卒業していること、高校で何を履修したかが考慮対象です。 TOEFLももちろん必要です。

 

3. 日本の高校に戻るべきか否かについて

カナダのCritical Thinkingの中で脳が大きく発達する中学生時期を過ごし、時代遅れも甚だしい日本の高校に戻ってくることは、子供さんに大きな試練を強いることになると思います。

Critical Thinking 欠如の日本では、せっかくカナダで頑張って身につけたことをきれいさっぱり忘れることを要求され、自己主張を封印することになります。

従ってこの「中学はカナダ、高校は日本」というのは子供さんにとって少々残酷な選択肢だと考えます。

 

4. 日本語能力の低下について

日本の中学・高校での日本語教育を欠かした場合、これは致し方ない結果だと思います。 ご両親が日本人であれば日常会話には支障ないのでしょうから、あとは本人の努力次第ですね。

それよりも心配なのは、Semilingual の危険性です。

母国語も、移民先(息子さんの場合は留学先)の言葉も中途半端な能力で終わってしまうことです。 これは将来に渡り、どちらの社会でもうまく自己表現出来ず心理的な問題を抱える危険性をはらんでいます。

(最近問題になっているテーマです。 以前にひとりこの悲惨な状態に陥った生徒に出会いました。)

大学で何を学びたいのか、そのあとはどのような希望があるのか、それにより慎重な選択が必要だと思います。



5. 最後に。 予定されているインターナショナルプログラムについて。 正直、これが一番私の心配な部分です。

メールでのご質問にある教育学区(このコラムでは特定名は使っていません)は、私の経験上はお勧め出来ません。

私自身は1994年から2004年までカナダBC州の公立高校のインターナショナルプログラムに深く関与していました。

まだ、数校しかプログラムを始めていなかった頃から立ち上げにも協力しました。 しかし年を追うごとに、カナダの高校生は学費を払わない公立高校に年間100万~150万の学費を持ってきてくれるインターナショナルプログラムは、財政難の各学区の大きな財源となり、次第にビジネス化していきました。

「これはしてはいけない。」「あれはダメ。」「この権利はホストにはあるが、留学生にはない。」などなど、インターナショナルプログラムを確立させるためにどんどん規則が増えて行きました。 

縮小する権利の中で、留学生を守るために教育委員会のお偉方や政府相手で大立ち回りを演じたこともあります。

そんなプログラムにでも、高いお金を出してカナダに来る子供たちの質は必ずしも高いとは言えませんでした。 動機も行動も。 問題を起こす子供が出るたびに「これはしてはいけない」リストはどんどん長くなりました。
(ご質問の学区のlegal agreement も読まれたと思います。 長い禁止リストですね。)

「留学生は人間ではなく、商品だ」と最終的に判断した結果、いわゆるインターナショナルプログラムというものとは2004年に手を切った次第です。

2004年頃には異常に増えて来たインターナショナルプログラムの中でも、worst の中に入ったのが、残念ながら、おたずねの学区です。

高級住宅地であり、裕福なカナダ人たちが多く住むこの地域では、それを売り物にプログラムを展開しています。 経済的にも恵まれ、優秀なカナダの高校生も多いです。 

しかし残念ながら、インターナショナルプログラムはその地元とは隔離された存在で、いわゆる評判のあまりよくない「留学生」というステレオタイプの中に置かれます。 そのステレオタイプ留学生の数が非常に多いこの学区では、その中から「自分の存在」を作り、現地のカナダ人に受け入れられることはほぼ不可能だと感じました。

(見切りをつけてからほぼ10年ですが、きらびやかで表面的なwebsite からは留学生を取り巻く環境が劇的に180度変化したとも思えません。 ただ、現在はBC州の高校留学には直接関与しておりませんので100%確実ではないことをお断りしておきます。)

 

6.13歳で親のいない留学生活はお勧め出来ません。

アメリカで過ごした3年間はご両親と一緒で、精神的にも安定したよい経験が出来たと思います。 それと、今回予定されているカナダでの単独留学とはまったく異なるものであることを認識してください。

13歳では親のいない単独の留学は難しいものになると思います。 ホストファミリーは親ではありません。 毎月お金を払うビジネスの関係です。 13歳でも独立した人間としての付き合い方が必要です。 その準備の出来た13歳は稀だと思います。

高校生でも親の不在が大きな挫折につながったケースがバンクーバー周辺でも星の数ほどあります。

将来カナダでの大学進学、ひいては移民を目指す韓国・中国などの富裕層は子供を小学校の時から留学させます。 しかし、子供だけをポンと送るのではなく、まず家を買い、そこに母親と子供がやってきて住み着きます。 子供は母親の庇護のもと、留学生活を送ります。 

それでも家族という安定感からは少し離れるので、うまくいかないケースが後を絶ちません。 母親が英語が出来ず孤立してしまうことも問題です。

もし、息子さんの中学留学にお母さんが同行なさるとか、近い親類が現地にいるとかであれば、状況はかなり違うと思います。 そして、その場合でも、大きなインターナショナルプログラムを避けられることを心からお勧めします。

 

ご質問内容に合わせて、それぞれ別個の回答になりました。
それほど、若年層の留学とは難しいものであることをご理解下さい。

質問者の方と同様、日本の教育制度を否定し、Critical Thinking での教育をと希望されている親たちは非常に多いと感じます。 しかし、現状、若年層がマイナス点なしで留学をするには障害が多すぎるのも事実です。

 

余談ですが、そんな障害を少しでも取り除けたらと、今年からまったく新しい形での留学プログラムに乗り出すため思い腰を上げました。 

日本の留学業者や、授業料ビジネスのインターナショナルプログラムの手の届かない小さな町で、まず地元の中に入るのが目的の高校・大学(準備)プログラムの一歩を開始します。
その準備を日本で始めるCanada Club も3月からスタートします。


北アメリカの教育の超速進化に比べ、日本の教育のあまりの古さと、変わらなさの中でつぶれる子供たちを見ていられないというのが大きな動機です。 しかし、そんな重大決心をした再開プログラムでも、中学生・小学生の留学は「サポートの及ぶ範囲ではありません。」と言わざるを得ないのが正直なところです。

 

子供さんの適正、能力、家庭環境など、すべてを考慮なさって、現状最適な選択をしてあげて下さい。

I hope this helps.

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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」
Super World Club (大澤眞知子、Robert McMillan)

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