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丹多 弘一
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山本 雅暁
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閲覧数順 2016年12月03日更新

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日経記事;『企業秘密 漏洩罰則厳しく 新法検討 海外流出を抑止 被害の立証しやすく』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月16日付の日経新聞に、『企業秘密 漏洩罰則厳しく 新法検討 海外流出を抑止 被害の立証しやすく』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『政府は、企業が持つ営業秘密を守るための新法をつくる検討に入った。製造方法、設計図、顧客情報といった秘密が海外に流出した場合の罰則を厳しくする。

企業が秘密漏洩を立証しやすくする案もある。グローバル化で企業の国際競争が激しくなるなか、日本企業の稼ぐ力を左右する高い技術が海外に出ないように抑止力を高める。

経済産業省などが今春にも有識者らによる検討会で議論を始め、6月に改定する政府の成長戦略に盛りこむ見通し。2015年の通常国会への新法提出をめざす。

新法の柱は、秘密の海外流出への罰則強化だ。いまの不正競争防止法は企業への罰金は最高3億円で米国の3分の1。

個人への罰金も最高1千万円で「上限のない米国や英国と比べると抑止力が働きにくい」とされる。海外に秘密が流出した場合に限って罰金や懲役を引き上げる。

背景には、高い技術が海外に漏れると日本企業の国際競争力に直ちに影響が出るとの危機感がある。いまの不正競争防止法では流出先が国内でも海外でも罰則は変わらないが、米国では流出先が海外の場合は国内案件より罰金が重い。ドイツや韓国では、海外企業に秘密を漏らしたほうが個人の懲役が長い。

政府は、被害を受けた企業が秘密の漏洩や盗用を立証しやすくすることも検討する。加害企業が無罪を主張するには、裁判所に証拠提出を義務づける案が出ている。

企業の営業秘密にくわしいTMI総合法律事務所の佐藤力哉弁護士は「米国では被告が情報を開示する義務を負う。日本は民事訴訟だと相手企業が情報を盗んだ証拠を自ら収集する必要があり、立証に時間がかかるケースもある」と語る。

新法が守る企業秘密は製品の製造方法、販売方法、顧客情報など。特許をとっても守れるが、規制のゆるい新興国でまねされることを懸念し、特許をあえてとらない企業も多い。その分だけ秘密が海外に漏れると被害が大きくなる。

新日鉄住金は12年、特殊な鋼板の製法を不正に入手したとして、韓国鉄鋼大手ポスコを日米で提訴した。新日鉄側は1千億円の損害賠償を求め、国際競争での企業秘密の重要性が日本でも広く認識された。政府内には新法ではなく、不正競争防止法改正で対応する案もある。』


私は、製造業者やITベンダーの中で、最先端の技術やノウハウをもつベンチャーや中小企業から、時々機密保持の方法について実施支援を求められます。

そのときに、まず薦めますのは、経済産業省が2011年年12月1日に公表しました「営業秘密管理指針(改訂版)」を読むことです。

ここで言う営業秘密は、「 企業が他社と差別化を図って収益を得るための秘密。独自に開発した技術や顧客情報、マーケティングの成果など」です。

「営業秘密管理指針(改訂版)」のURL;http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/111216hontai.pdf

この「営業秘密管理指針」は、以下のことがポイントになっています。

1.「営業秘密管理指針(改訂版)」では、改正不正競争防止法において刑事罰の対象とされた行為の明確化を行うとともに、より現実的・合理性のある秘密管理の方法が提示された。

2.中国,韓国,台湾などによる営業秘密の侵害によって日本企業の技術的優位性が揺らぐリスクが増大し,実際に事例が発生している。また、競合企業による不正行為などに加えて,元役員や元従業員といった退職者を通じた営業秘密侵害が深刻化している。

2005年の不正競争防止法の改正では,(1)営業秘密の国外使用・開示処分の導入,(2)退職者への処罰導入,(3)法人処罰の導入,が主なポイントになっていました。

最新の改定では、中小企業を意識して営業秘密侵害を防ぐ手段についても書かれています。

ベンチャーや中小企業が機密保持することの必要性や状況は、2014年の今も変わりありません。

国内取引を主に行っているベンチャーや中小企業は、機密保持に関して総じて高い関心をもっていません。経済産業省の調査では、企業秘密をその他の情報と区別して取り扱っていない企業が全体の4割にのぼるとのこと。

全体の4割を占めるのは、企業数からみてほとんどがベンチャーや中小企業とみています。

今後、多くのベンチャーや中小企業は、縮小傾向にある国内市場だけを相手にしていては事業拡大できませんので、必然的に海外事業拡大を行う必要があります。

機密保持をきちんとしていない企業が海外展開しますと、機密情報の流出リスクは、当然のごとく高くなります。

また、最近、産業スパイの暗躍がときどき記事になっています。国内事業を主に行なっていても、機密情報流出リスクは高くなっていくと理解する必要があります。

本日の記事は、政府は、企業が持つ営業秘密を守るための新法をつくる検討に入ったことについて報じています。

企業は、自由な状態での競争がありますと、技術革新が起こりやすく、価値ある新商品やサービスが市場に導入されます。

この自由競争は大いに行われる必要があります。自由競争は企業や市場を活性化します。

同時に、自由競争は、公平なルールで行なわれる必要があります。不正に非合理的なやり方で、他社が開発した技術やノウハウを入手して使うことは、断じて阻止する必要があります。

この観点から、今回の政府が行うとしている、企業の営業秘密保持のための新法検討と実施に大いに期待します。

今回の新法は、秘密の海外流出への罰則強化と、、被害を受けた企業が秘密の漏洩や盗用を立証しやすくすることが柱になっています。

ようやく日本政府も他の先進国がもっている、技術やノウハウの海外流出防止を強化する動きを行うようになりました。

また、経産省は、2014年4月に産業界と企業秘密保護を協議する「官民フォーラム」を立ち上げる。情報漏洩や対策の例を集めたデータベースを官民で共有するように動きまます。

一般的に企業が自社で開発した技術やノウハウを守るために、特許化します。しかし、特許内容は公開されますので、当該ノウハウの開示を恐れる企業は、特許化しないで機密保持扱いします。

このような企業は、機密保持を徹底的に行う必要があります。従業員や機密情報を開示する相手企業との「機密保持契約」締結は、必要最低限なこととして、さらに機密情報の保持・管理に細心の注意を払って行うことが必要であり、重要になります。

以下の文章は、私が以前に書きましたブログ・コラムからの抜粋です。

「一番大事なことは、機密情報をどう防ぐかです。何でもかんでも機密情報にする企業がありますが、これでは本当に重要な秘密情報が埋もれてしまって管理しづらい状況に陥りやすくなります。

最も基本的な条件は,情報を区分して重要な秘密情報を厳格に管理していることです。情報の区分では,営業秘密の対象となる情報に加え,情報にアクセスできる人を特定する必要があります。

次に重要なことは、秘密情報の管理体制を確立しておくことです。具体的には、情報を収録した媒体(文書やCD-Rなど)や保管場所などの管理,あるいは情報を収めたコンピュータの管理,アクセス権者の明確化しておくことです。

最近ではパスワード設定したデータセンターで保管する方法が広がっています。

情報区分・管理を行う事により,秘密情報以外の情報が秘密情報に混入すること(コンタミネーションと言います)を防ぐ体制の整備が必要です。

現在、ほとんどの中小企業でパソコンやITを使っていますので、これらのシステムを上手く活用して、機密情報を不正アクセスすることを防止する方法も大型投資なしで導入できるようになっています。」

当社の機密情報を不正に入手することは、重大な反社会的なことであると認識して、より確実な機密情報保持を徹底的に実施することが必要です。

これからルール作りを再検討する企業は、上記経産省が行うとしている情報漏洩や対策の例を集めたデータベース閲覧が参考情報の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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