金融庁から、全国の金融機関に対し返済猶予の要請があって、経営の厳しい企業でも何とか事業を継続していました。14年になって、金融機関の対応が変わるかと思われましたが、引き続き返済猶予は続いています。この次は、今年4月からの新年度の金融機関の対応ということになります。
大企業の業績は、上場企業の7割が増収増益を記録して、円安と内需の増加が追い風になっています。中小企業の場合、原材料や食材など輸入品を使う会社が多く、円安は経費の負担要因です。大企業と比べますと、景気のよい会社は少ないのが中小企業です。
そう考えますと、金融機関が返済猶予を継続している背景にあるは、日銀の金融緩和政策によって資金が余っているからと言えそうです。この時期、慌てて企業から資金を引き上げる必要がないからです。金融機関の業績がよいため、経営の厳しい会社を潰さないだけのことです。
今後、金融機関の経営が悪化しますと、途端に企業の倒産件数は急増すると思って間違いないです。以前、よく企業経営者から聞かされた話がありました。「銀行は、会社が本当に苦しいときには助けてくれない」 その代わり、金余りのときには、必要もない資金を貸し出そうとします。
そのため、自分の会社も信用がついたものと喜んでいたのに、ホントの大不況になったときにはまったく貸してくれません。必要のないときに資金を貸そうとし、大事なときには蛇口を閉めるのが金融機関です。この金融機関の本質は、起業する前からよく覚えていて損はないです。
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