- 下枝 三知与
- NPO法人健康福祉実践協会(理事)CST コミュニケーションサポートチーム(代表)
- ビジネススキル講師/カウンセラー
対象:ビジネススキル研修
共感問診力アップメディカルコーチの下枝三知与です。
今日も寒い一日でしたね(+_+)
今日は朝から群馬県のある場所で、日系人の方々に対して数カ月にわたって実施している、就労研修の最終日で講義を行いました。
私はキャリアカウンセラーもしていますので、このお仕事はもう5年目になります。
日系人というと、ほとんどの方はご存じないのですが、200年以上前に日本からブラジルやアルゼンチンに家族を連れて移住された日本人がたくさんいたのですが、その3世や4世の方々が逆に日本に来て、現在たくさんの方々が家庭を持ち生活されているのです。
そういう方々は、言葉や文化の違いという大きな壁を乗り越えて、たくましく生活されているのですが、多くの人がいわれのない差別を受けて心を傷つけられ、そのせいで日本人を遠ざけ、仲間内でかたまり、またそのせいでなかなか言葉を覚えられない・・・という悪循環の中で生活されています。
そして仕事といっても限られた仕事しか見つけられず、違う自分を試してみたいと思っても、なかなか門戸を開いてもらえない・・・
もちろん日本語の会話力や読み書きの力がないという「大きな問題」はあるのですが、それにしてもいわれのない差別が日系人の方々を苦しめていることは事実です。
前述のように、同じ日本人の先祖が南米に行って、その血筋を引いている我々と同じ日本人なのに、「差別される」事実をどう思われますか?
5年前に初めて講義をしたときは、敵意丸出しで私の講義を聴いていたある男性が「どうせ我々の気持ちは日本人にはわかってもらえないよ!こんな勉強をしたって意味がないんだよ!」と言って、私に詰め寄られたことがありました。
しかしそれはそういう事実があり、彼に対して差別をし続けた日本の人々が実際いたからそういう言葉が出たわけです。
その時は講義を中断し、全員(25名)の方に現在の正直な思いを語ってもらい、それを全員でシェアし合う時間にしたのです。
そうすることで、皆さんが私に心を開いてくださるようになり、それからは講義をスムーズに受けていただくことができました。
このことは「本当の意味の講義とは何か」という貴重な経験として、今でも鮮明に私の心に残っています。
「自分の意志で決めた人生なんだからしかたない」と言ってしまえばそれまでですが、外国で生きていくことは、想像できないくらい大変なことです。
日本語をとにかく使うこと、日本人の中に積極的に入っていく勇気を持つこと、お友達を作ること、周りのヘルプを遠慮せず受けることなど、いつもアドバイスしています。
今日も最終日の講義が終わって、皆さんからの心からの笑顔に癒されて帰ってきました。
みんなが「自分なりの人生を、自分の足でしっかり歩んでほしい」と心から祈ります。