日経記事;『電力需給 素早く調整 米欧勢、東電と組む 企業の利用抑え逼迫解消』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『電力需給 素早く調整 米欧勢、東電と組む 企業の利用抑え逼迫解消』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月9日付の日経新聞に、『電力需給 素早く調整 米欧勢、東電と組む 企業の利用抑え逼迫解消』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『電力が不足しそうな時に、最短で10分後に節電を始められる新サービスが日本で始まる。需給調整サービス最大手の米エナノック(マサチューセッツ州)と仏シュナイダーエレクトリックは2月中旬から相次ぎ、東京電力と組んで実証事業を開始。

企業が節電した分をまとめて電力会社に販売する。多くの工場や事業所が節電に応じやすくする高精度の仕組みをつくることで、需給逼迫を緩和できそうだ。

エナノックなどは自動車メーカーや小売業者など大口需要家との間で、事前に時間帯ごとに減らせる電力量を決め、電力会社からの要請に応じて節電する契約を結ぶ。

ネガワット取引と呼ばれる仕組みで、節電に協力した企業は節約した電気料金を減らせるうえ、電力会社から報奨金も受け取れる。

需給調整サービス会社は、契約企業の電力利用状況を調整・監視センターで把握。実証事業ではエナノックは東京電力からの要請を受けて、企業に対し節電する電力量を割り振り、最短10分で節電を実行する。専用機器を工場などに設置し、エナノック側が自動で電力を減らすケースもある。

報奨金の水準は未定だが、電力需給調整が普及しているフランスでは、電気料金の5~15%とされている。今回の実証事業では政府が負担する。

エナノックはこのほど丸紅と合弁会社を設立、日本市場へ本格参入する。5年後をメドに100万キロワット分の仲介を目指す。シュナイダーも6月から双日と組み同様の取り組みを始める。

1000万円規模を投じ、調整・監視センターを都内に新設。実証事業の結果を踏まえて、日本に本格参入するかを判断する。

これまで日本では3、4時間前に節電要請するのが主流で、規模も小さかった。より精度の高いサービスが実現することで、需給調整の信頼性が高まり、企業などが参加しやすくなる。

電力会社は長期的に夏季の最大需要期のためだけに保有している発電能力をより実需に近い水準に減らせる余地がでてくる。さらに天候の変化で短期に供給量が変動する太陽光や風力など再生可能エネルギーを電力会社が受け入れやすくなる。

エナノックの試算では、日本で取引可能な節電枠は750万キロワットと原子力発電所7.5基分に相当する。

エナノックの契約事業所数は1万2000以上。米英などで事業展開しており、調整可能な電力は約900万キロワットと原発9基分に相当する。米仏2社は東日本大震災後、原子力発電所が長期に停止し、電力需給が逼迫する日本で商機が広がると判断した。』


ネガワット取引とは、日経記事によりますと、『企業や家庭が節約した電力や、余った電力を取引すること。「負」を意味するネガティブと電気の単位であるワットを組み合わせた造語。
電力会社の要請に応じる形で電力を需給調整する「デマンドレスポンス」が代表例。減らした電力量に応じて電力会社が報奨金を支払う方式や、最安値を示した需要家に対価を払う入札方式などがあり、米欧で普及している。』とされています。

企業や家庭が努力して節電した電力量に応じて、電力会社が報奨金などを払う仕組みです。企業や家庭は、努力して節電すれば、お金で戻ってきますので、通常の場合、節電に協力することになります。

記事にありますように、国内でも同じようなサービスの仕組みがありましたが、3~4時間前に節電要請する形を取っていることと、原発不稼働状態になる前は電力供給の不足問題がありませんでしたので、節電サービスに対するニーズ自体も小さいものでした。

さらに、各電力会社は、地域別に発電、送電、売電の各事業を独占していますので、競争もなくわざわざ売上を減らす節電や新たな負荷となる節電サービスの導入、活用には消極的でした。

しかし、2013年11月に成立した電力システム改革法(改正電気事業法)は、電力事業への参入や電気料金設定について自由化することを施策として入れました。

2016年から、国内では電力小売業への参入が自由になります。最近、このビジネス環境下で、ソフトバンクが電力供給事業への参入を表明しました。

さらに、2020年以降には、発送電の法的分離や料金の全面自由化が実施されることになっています。

また、現在の電力料金は、電力会社がコストを積み上げる総括原価方式によって算定することになっていますので、基本的に既存の地域別電力会社は、無競争で自社の思い通りに電力料金を決めることができます。

既存の地域別独占体制となっている電力会社の経営基盤は大きく変わります。

本日の記事は、東京電力などが大口需要家の企業と節電に関する契約を結んで、節電に協力した企業に報奨金などを支払うサービスメニューの提供を考えていることについて書いています。

この報奨金は、電力需給調整が普及しているフランスでは、電気料金の5~15%とされているとのこと。

大口需要家の企業にとっては、節電に加えてこのような報奨金の獲得は経済的なメリットが生まれます。

この節電サービスの特徴は、電力会社からの要請を受けて、企業に対し節電する電力量を割り振り、最短10分で節電を実行できる迅速さです。

今回政府の後押しで行う実証試験が上手く行けば、ソフトバンクのような新興電力会社も含めて多くの企業が節電市場に参入することになります。

激しい競争が起これば、更なる技術革新が起こってより有効なサービスメニューが提供されるようになります。

東北大震災前の日本では、上記しましたように、電力供給不足は基本的にありませんでしたので、使用電力の調整や節電事業に対するニーズは極めて低い状況でした。

しかし、現在の状態では原発の再稼働が当面見込まれませんので、真夏や真冬に電力供給問題が起こる可能性は極めて高くなります。

このような状況下で、電力供給を調整する事業に参入する動きが活発化しつつあります。上記、米エナノックや仏シュナイダーの実証試験も、日本市場での潜在需要を見込んで行われます。
これらの事業者は、アグリゲーターと呼ばれます。

国内企業でも、例えば、NECは電力供給の調整を秒単位できる新技術を開発・実用化するとされています。

このような最新の技術やノウハウをもったアグリゲーターが国内にも出てくることを期待します。

電力供給問題は、経済発展が続くASEAN域内で共通する課題になっています。国内のアグリゲーターが、10分より短時間で節電のための調整や準備ができるサービスメニューを開発・実用化すれば、ASEANだけでなく、インド、バングラデシュなどの近隣地域で大きな需要を獲得できます。

国内で培った技術やノウハウをもとに、海外で事業展開するアグリゲーターの出現を期待します。国内に本格的なアグリゲーターが出現すれば、多くのベンチャーや中小企業に新たな事業機会が生まれます。

電力自由化は、多くの競争を発生させて、新電力会社やアグリゲーターなどの新規参入者を呼び込みます。

ここに多くの新規事業機会が生まれますので、今後の関連した動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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