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日経記事;『車部品 受託組み立て 三井物産、米最大手に出資』に関する考察

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皆様、

こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月2日付の日経新聞に、『車部品 受託組み立て 三井物産、米最大手に出資』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『三井物産は自動車部品の組み立て事業に参入する。ゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手3社から生産工程の一部を請け負う米最大手の受託専業会社に33%超を出資、筆頭株主になった。

米ビッグスリーはリーマン・ショック後に外部委託を加速している。三井物産は生産コストの抑制につながる外部委託が世界各地で拡大すると判断し日本の自動車メーカーなどからの受注も狙う。

出資先はアンドロイド・インダストリーズ(ミシガン州)。発行済み株式の33.4%を米投資ファンドからこのほど取得した。取得額は30億円強。米ファンドの出資比率は30%に低下し三井物産が筆頭株主となる。

アンドロイドはテキサス州など米国内に12カ所、中南米4カ所、欧州1カ所に組み立て工場を持つ。タイヤにホイールを取り付ける作業や、サスペンションなど様々な複合部品(モジュール)を組み立てる作業をビッグスリーから受託。2013年の売上高は8億ドル強(820億円強)。

三井物産は北米で自動車部品の輸送事業などを展開。自動車メーカーが必要とする時に必要な量を届ける「ジャストインタイム方式」のサービスを提供できるとし、組み立て事業への進出を検討していた。

00年に72カ所あったビッグスリーの北米工場は13年に41カ所に減少。リーマン・ショック後に工場閉鎖を加速し、内製していた組み立て工程の外部委託を増やした。

米国の自動車生産は09年の580万台から13年に1090万台に回復。14~16年も1150万台前後が続く見通しだ。受託会社を使えば、工場新設などの投資リスクを抑えながら生産増に対応できる。

アンドロイドは自動車メーカーの出資を受けていない独立系で、早く正確に組み付けなどができる装置を自前で開発するなど、高い技術力で成長してきた。13年も売上高が前年比10%強増加したもようだ。年内にもカナダ工場を新設する。』


国内では、中小企業間での分業体制が進んでいます。商品企画・開発、製造、販売など企業の一連のビジネスプロセスを、各中小企業が自社の得意分野に特化して、専門性を高めて差別化・差異化を実現することで、収益拡大する事業モデルです。

製造業者の中には、商品企画・開発、販売を自社で行い、製造を第三者に委託するファブレス企業が増えています。

ファブレスの特徴は、自社に工場をもたないことで、固定費や投資負担の軽減を図り、迅速に動ける経営を可能にすることがあります。

従来から、中小企業間の分業体制はありましたが、ほとんどのケースは、近隣地域にある企業間の連携・協業に限られていました。

現在、その状況は大きく変化しています。インターネットの活用で、地域という物理的な距離やや時間差を超えて、分業できるようになっています。

私が今まで支援してきました、商品企画・開発を自社で行うファブレス企業は、インターネットを活用して新規商品の製造に適した製造委託先を探して交渉し、製造リードタイムや購買価格などの取引条件と合った会社と契約して発注するやり方をとっています。

インターネットを活用して日本国内外から適した製造委託先を探します。円高状況下では、海外企業に製造委託先して輸入していました。

現在は、円安傾向になっていますので、国内企業に製造委託しています。最近は、3Dプリンターをもった製造専業事業者に、金型の試作品や製品の試作品を依頼する企業も増えています。

また、ファブレス企業と製造専業事業者とのマッチングサイトも充実してきています。

ファブレス企業と製造専業事業者は、インターネットを活用して会話や取引を行うことで、当該企業が存在している場所に関係なく、時間とコストを圧縮して取引を行えるようになっています。

製造専業事業者数は増えていますので、専門性を全面に打ち出して、徹底的な差別化・差異化を実現しないと勝ち残れません。

国内の中小企業は、今後とも自社の得意分野に特化して専業化・分業化の傾向が進むとみています。

今後の日本は、少子化で製造に従事する作業者数は減少していきます。特に、中小企業は、中堅・大手企業に比べて、製造要員の確保が難しくなることが予想されます。

この事業環境下で、中小企業が国内製造を行う方法の一つが、ファブレス企業と製造専業事業者の分業化の進展です。

製造専業事業者は、ITの徹底的な活用と部分的な自動化を含む省力化で、得意な製品分野の特定、製造リードタイムの短縮、品質や信頼性の維持向上、製造コストの圧縮、物流リードタイムの短縮などを実現することが勝ち残るために必要になります。

また、現在の円安状況を生かして、海外からの受注を目指すことも重要になります。

私の支援先企業の中には、3Dプリンターも揃えて、国内外からのファブレス企業から受注している製造専業事業者もいます。


さて、本日の記事は、三井物産が自動車部品の組み立て事業を専業に行っているアンドロイド・インダストリーズへの投資を決めて、33%超の筆頭株主になることについて書いています。

日経電子版の記事によると、「自動車部品組み立て受託の世界市場規模は現在約6000億円で、20年には1兆円超に拡大する見通しだ。三井物産はアンドロイドへの出資で成長分野の足掛かりとする。」とのこと。

米国では、シェールガスやシェールオイルの自国内生産を起点にして、製造業復活のきざしが出ています。

自動車産業は、今後も市場拡大が続くとみられています。しかし、GMやフォードなどの米国自動車メーカーは、投資リスクを軽減するために、すべての製造設備を自社内にもたず、アンドロイドなどの製造専業事業者に部品生産や本体組み立てを委託する事業モデルが今後も増加するとみます。

三井物産も、自動車の製造委託事業が増えるとみており、アンドロイドへの出資を決めました。。

日本国内の自動車関連の製造専業事業者にとっても、同じような事業機会が生まれます。米国内だけでなく、北米自由貿易協定(NAFTA)に加入しているメキシコやカナダに拠点をつくれば、基本的には関税ゼロで米国に輸出できます。

国内の中小企業は、国内外の市場を開拓して、収益拡大を図っていくことが重要です。そのときに、自社の強みを最大化して集中投資を行い、徹底的な差別化・差異化を実現することが必要であり、重要になります。

中小企業にとって、自社の強みを最大化する方法の一つに、分業化して、他社との連携・協業で投資リスクを最小にしながら、事業するやり方があります。

同じような動きが大手企業でも行われています。アンドロイドの動き方は、参考情報の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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