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日経記事;『ソフトバンクが電力小売り 家庭向け、通信とセット割も 今春まず企業向け参入』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月31日付の日経新聞に、『ソフトバンクが電力小売り 家庭向け、通信とセット割も 今春まず企業向け参入』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ソフトバンクは電力小売事業に参入する。今春から大口顧客の企業向けを始め、電力小売りの全面自由化が予定される2016年には一般家庭向けにも販売する。

同社は携帯電話などを中心に約5000万件の顧客を抱えており、通信サービスとのセット割引なども検討する。通信業界の価格競争を主導してきた同社の参入で電気料金の引き下げが進みそうだ。

政府の電力システム改革で16年に全面自由化されると、消費者は全国から自由に電力会社を選べるようになる。都市ガス、商社や通信など異業種の参入が相次ぐ見通し。ソフトバンクは太陽光発電などに大型投資を実施しており、異業種で最大シェアの獲得を狙う。

同社は今春、新電力(特定規模電気事業者)事業に参入し、企業の大口需要家向けの販売を始める。ソフトバンクの自然エネルギー子会社のSBエナジー(東京・港)が全額出資するSBパワー(同)が、経済産業省に新電力として届け出た。

ソフトバンクは太陽光など再生可能エネルギーで発電する電気を主力として販売する。再生可能エネを購入したい消費者のニーズを取り込む。

同社は1000億円規模を投じ15年度末までに約29万キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)や風力発電所を建設する計画。他社と建設を検討中の北海道の風力発電所などを含めると、90万キロワット規模と国内最大級の再生エネ事業者になる。他社からも電力を購入する。天然ガス火力発電所の建設も視野に入れる。

家庭向けでは携帯電話や、グループの「ヤフーBB」の固定光回線の契約とのセット割引を検討する。ソフトバンクグループの国内の通信系の顧客基盤は携帯電話を中心に、約5000万件。通信料金の課金システムを使い電気料金を請求できることも強みとなる。

通信業界では同社の参入により携帯電話やブロードバンドなどで価格競争が激化し、利用料金が低下してきた。電気料金についても業界内の競争を引き起こす可能性がある。

東日本大震災後の電気料金の上昇を受けて、地方自治体や企業が各地域の電力大手に比べて1割程度料金が低い新電力からの調達に切り替える例が増えている。

新電力ではNTTグループや東京ガスなどが出資するエネット(東京・港)が5割のシェアを持つ最大手で、顧客を拡大している。CATV最大手のジュピターテレコムは、現段階でも販売できるマンション向けに電力とのセット割り引きを提供している。』


ソフトバンクは、世界市場を視野に2013年に大きな動きをかけました。一つは、アメリカ第3位の携帯電話キャリアであるスプリントを買収したことです。

さらに、ソフトバンクは、このスプリントを通じて第4位のT-Mobile USを買収する方針を発表しました。

ソフトバンクがT-Mobile USの買収が成功すれば、ソフトバンクグループの日本国内ユーザー(ソフトバンク、イー・アクセス、ウィルコム)と足し合わせると、世界市場で1億4000万を超えるユーザー基盤を持つことになります。

孫さんは、ソフトバンクのスマホやタブレット端末の経営施策などを、サンフランシスコにある拠点で計画・実行していくと表明しています。

このソフトバンクの動きは、他の国内企業とは異なる経営視点や迅速さで進められています。通信業界でみても、NTTドコモやKDDIとは異なる土俵(例えば、米国を含めた世界市場)で戦いをしようとしています。

本日の記事は、このソフトバンクがすでに事業化している太陽光発電を中心とする再生のエネルギー発電事業の施策や実施方法などについて書いています。

政府は、2016年度から電力自由化を進めようとしています。電力自由化施策が実施されますと、企業や個人は自由にどこからでも電力を買えることになります。

通常、企業や個人は高い電気料金に強い関心をもっていますので、安い電気料金サービスを提示されれば、契約する可能性が高くなります。

当然のごとく、電力事業者間での競争が起きますので、電気料金も下がることになります。競争は、価格だけでなく、電力事業者間の提供サービス内容にも大きな影響を与えます。

今までの自由競争の結果をみていると、自由競争は、民間企業の活性化を促し、大きなビジネスイノベーションを起こしてきました。

大きな変革を行って、企業や個人の最終顧客に他社より優れた提供サービスメニューを提案できない企業は、市場からの撤退を余儀なくされます。

現在、多くの企業が高い買取価格に魅かれて、太陽光発電事業に参入しつつあります。2016年の電力自由化以降、激しい競争が起こり、競争に負ける企業が出てくるとみます。

ソフトバンクの動きは、発電事業に大きな影響・変化をもたらす可能性があります。一つの理由は、ソフトバンクは記事にありますように、携帯電話などを中心に約5000万件の顧客をもっており、通信費とのパッケージプランで今より安い価格を提供できれば、既存電力会社からソフトバンクに乗り換える企業や個人が出てくるのは確実です。

ソフトバンクから電力料金とのパッケージで低価格のメニューが投入されることで、既存顧客の流出が発生すれば、NTTドコモやKDDIは電力事業者との連携・協業で新サービスメニューを提供する可能性があります。

また、ITで各家庭の省エネを推し進める家庭用エネルギー管理システム(HEMS=ヘムス、Home Energy Management System)が2015年以降に本格普及する予測が出されています。

HEMSを使うと、家中の電気を一括してコントロールできます。個々の家電や照明の電力使用量をパソコンやスマホ・タブレット端末などでリアルタイムに表示します。

HEMSを使うことで、家全体の電力使用量が増えれば、スマホ・タブレット端末などから遠隔操作でエアコンの温度を調節したり、優先順位の低い家電の電源を落としたりできます。

また、各電力事業者は、インターネットによる双方向の通信機能を備え、家庭の電力使用量を自動的に計測する機器であるスマートメーターを2014年度から順次導入します。

このスマートメーターとHEMSを組み合わせて使うことで、家電と通信し供給状況の最適化を図ることが期待されています。特に、電力消費を抑える「デマンドレスポンス;DR(demand response)」技術との連携によって、家庭などの電力使用者が電力の使用を抑制する技術の開発・実用化が進んでいます。

実用的で重要なものは、自動デマンドレスポンスになります。例えば、NTTが実証試験を行っていますのは、HEMSサーバーを設置し、外部から制御通知を送付することで、エアコンの温度や照明の明るさを調整するなどの制御を自動実行するやり方です。

この自動デマンドレスポンスは、通信サービスの活用が必要不可欠になります。NTTが上記実証試験を進めていますのは、通信事業者として、ここに大きな潜在需要のあることを理解していることによります。

ソフトバンクは、通信事業者と電力事業者の二つの顔をもつことになりますので、NTTより一歩進んだスマートメーター・HEMS活用サービスメニューを提供する可能性があります。

今後の電力供給事業は、電力事業者、通信事業者、家電メーカー、ITベンダーなどの多くの関連事業者が電力自由の下で激しい競争が起こしつつ、展開されることになります。

ソフトバンクがその競争の中で、大きな一角を占めることは、確実です。この視点から、今後のソフトバンクの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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