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日経記事;『素材力でスマホ進化 より薄く軽く、電池長持ち 住化や東レ、日本勢が主導』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月30日付の日経新聞に、『素材力でスマホ進化 より薄く軽く、電池長持ち 住化や東レ、日本勢が主導』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。 (関連記事を含めます。)

『国内素材大手がスマートフォン(スマホ)の性能を高める先端素材の供給に乗りだす。住友化学はガラスの半分の重さのディスプレー用樹脂を開発。

東レは電池用フィルムを改良して電池の持ち時間を約1割長くする。炭素繊維を使った航空機で燃費が大幅に改善するなど、素材の技術革新は市場を大きく変える可能性がある。各社は世界的な需要増が見込めるスマホにも最先端素材を供給し、進化をリードする。

住友化学はディスプレー最前面にある保護ガラスの代替材料となる透明樹脂を開発した。保護ガラスは百数十グラムあるスマホの重量の約1割を占める。端末の軽量化につながり、落としても画面が割れにくくなる。同社はスマホに使われる高機能光学フィルムで世界シェア4割超を握る。2015年にも製品化する。

東レはリチウムイオン電池のショートを防ぐフィルムで、厚みを従来品の半分の5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルにした素材を開発した。電池内部のスペースが広がり、電気を約1割多くためられる。15年度までに約65億円を投じて栃木県内の工場の生産能力を増強し、新素材の生産に備える。

旭硝子は電気の流れやすさを約3割改善し、画面表示の応答速度を上げる基板向け樹脂の試作品の出荷を始めた。スポーツなど動きの激しい映像を鮮明に映し出せる。

腕時計型やメガネ型といった身に着けられるウエアラブル端末向けの素材開発でも日本企業は先行。日本製紙はパルプから作る変形に強い新素材量産に向け試験設備を建設。信越ポリマーは折り曲げた状態で触っても反応するタッチパネル向けフィルムを開発した。

素材大手、スマホに照準 新たな収益源

住友化学や東レなどがスマートフォン(スマホ)向け先端素材の開発に力を入れるのは、素材が今後のスマホの競争を左右するとみているためだ。

2013年のスマホの世界出荷台数は10億台を突破した。米調査会社IDCは今後4年で7億台近くの需要増を見込む。これまで米アップルと韓国サムスン電子が市場をけん引してきたが、ここにきて中国メーカーが急成長を遂げている。

各社は電子部品の軽量化や液晶画面の高精細化などを進めてきたが、激化する競争に勝つため素材にも注目し始めた。先端素材の開発で優位に立つ日本企業はこうしたニーズの取り込みを急ぐ。

米ボーイングは最新鋭機「787」、トヨタ自動車は高級スポーツカーには炭素繊維を採用、大幅な軽量化を実現した。東レはユニクロと共同開発した発熱保温肌着「ヒートテック」で、機能性衣料の市場を開拓した。

住友化学や東レなどは素材の抜本的な見直しで製品性能を高める動きがスマホにも広がると判断。新たな収益源に育てる。』


素材産業は、現時点で国内企業が得意とする分野であり、今後もこの状況が続くとみています。それは、現在の有力企業である東レ、住友化学、旭硝子、帝人、三菱レイヨンなどが継続的に研究開発投資を続けており、当該企業の競争力の維持強化が行われていることによります。

東レの場合、最近で最も重要な素材になりつつあるのが炭素繊維です。ボーイング社の787型機に採用され、注目をあげましたし、実際に売上も伸ばしています。

炭素繊維の売上をさらに伸ばすためには、自動車に使われる必要があります。例えば、トヨタは高級スポーツカーへの採用を実行しようとしています。

東レやトヨタ自動車、東京大学などが中心となっては2013年7月から、軽くて強い炭素繊維を全面的に使った自動車の開発を始めています。

加工技術などの研究が進み、2010年代後半には量産車向けに部品を供給できるメドが立ったとのことです。安全性を担保しながら、重量を6割減らすことが可能になるとされます。

炭素繊維を自動車に採用すれば、燃費が4割以上改善する推定されています。現時点の課題は、炭素繊維を部品に加工したときの価格が鉄の10倍以上することです。このため採用は上記した高級スポーツカーなど一部の上級車に限られています。

米ゼネラル・モーターズが炭素繊維の量産車への採用を目指すなど導入の動きも始まっています。量産技術が確立すれば、炭素繊維の製造コストは大幅に減少することは、確実です。

炭素繊維は、鉄の4分の1の軽さで10倍の強度があります。加工技術の確立と、製造コストの低下が実現すれば、一気に普及します。炭素繊維は、一時期話題になりました「軽薄短小」を実現する素材の一つになります。

この「軽薄短小」は、製品の軽量化・薄型化・小型化を実現することで、ソニーのウオークマンが普及したときに盛んに使われました。

現在、我々が公私にわたって使っています、パソコン、タブレット端末、スマホなどの端末機器は、「軽薄短小」が競争力のある製品を作るうえで欠かせない条件になっています。

製品の「軽薄短小」実現のためには、新規素材や新規部品の開発・実用化は必要になります。ノートパソコンは、タブレット端末の急速普及に押されていますが、軽量化に対するニーズは高いものがあり、バッテリーを含めて「軽薄短小」の実現を可能にする素材や部品の新規開発・実用化が求められます。

「軽薄短小」は、大型化しつつあるスマホにもさらに徹底して実現する必要があります。スマホ本体を少しでも薄く、かつ軽くするとともに、バッテリーの小型・軽量化および、持ち時間の長期化が必須になります。

さらに、スマホは、昨年からウエアラブル端末が新規分野として注目されています。ウエアラブル端末を違和感なく使うには、「軽薄短小」を極限まで追求する必要があります。

ウエアラブル端末の「軽薄短小」実現には、新規素材や新規部品の開発・実用化が必要です。この分野は、国内企業の独壇場となります。

国内企業は、今まで着実に行ってきた研究開発・実用化、製造ノウハウを蓄積しています。新規素材や新規部品は、今までのノウハウを取り込んでさらに継続して行うことで、実現します。

この事業展開のやり方は、IT事業とは異なります。IT事業は、短期間に一気に状況が変わることがあります。

素材や部品の新規開発・実用化は、継続的な事業展開から生まれます。国内企業が得意とする、このステップバイステップの階段を上がるやり方が、可能にするのです。

ウエアラブル端末は、スマホの新規用途を開拓します。娯楽から医療福祉まで幅広い活用が見込まれます。

ウエアラブル端末については、日本、米国、欧州、中国、韓国などの関連企業が開発・実用化に動いています。ソニーなどの国内企業が主導権を取ることを期待しますが、なかなか厳しい状況になるとみています。

しかし、どの企業が製品化しても、国内のメーカーが開発・実用化した素材や部品を使用することになるのは、確実です。

国内メーカーが開発・実用化した素材や部品が、スマホやウエアラブル端末を実現する事業基盤(プラットフォーム)になります。

今後の国内関連企業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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