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日経記事;『日産・ルノー、世界の生産 一体運営 工場、相互に活用 コスト年4000億円削減』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月24日付の日経新聞に、『日産・ルノー、世界の生産 一体運営 工場、相互に活用 コスト年4000億円削減』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日産自動車と資本提携先の仏ルノーは生産と開発を一体運営する。別々に開発・生産している体制を見直し、両社の工場で相乗り生産できるようにする。

各国の需要変化や為替変動へ素早く対応できるようにし、合計で年間4000億円以上のコストを削減する。両社の提携関係は経営の独立性を維持しながら、実質的な事業統合を進める新たな段階に入る。

一体運営を実現するため、4月にも両社の生産部門を統括する責任者を新たに置く。開発部門も同様の体制にする。

日産はグループで世界に約25、ルノーは同20の工場をもつ。傘下のロシア最大手のアフトワズを含めた2012年の世界販売台数は800万台を超える。現在は一部の工場での乗り入れにとどまっているが、今後は両社の車種を機動的に生産できるようにする。アフトワズも対象に加える考えだ。

日産とルノーは共通化した部品を組み合わせることで、デザインの異なる車を同じ組み立てラインで生産できるようにする。15年にも年産40万台規模のインドの合弁工場にこの手法を導入するほか、20年までに同様の工場を10カ国以上に増やす。

稼働率の低い工場に別のブランドの車種を機動的に投入できる。新しい国に工場を建設する場合、これまでは10万台規模の生産台数がないと採算がとれなかったが、共同生産することで進出が容易になる。欧州や中東に生産拠点を持つルノー、北米や中国に強い日産など地域補完もしやすくなる。

開発面では研究領域が重なる分野の整理・再編を進める。燃料電池車や電気自動車、自動運転車など先端技術の開発力を融合し、互いのノウハウを共有するなどして底上げを目指す。

日産とルノーは1999年に資本業務提携した。12年には共同購買での協業などを通じて、それぞれが単独で事業を展開した場合に比べて26.9億ユーロ(約3800億円)の相乗効果をあげた。世界規模で両社が生産・開発領域まで一体運営することで、これを上回るコスト削減効果を狙う。

日産・ルノー連合はアフトワズの共同買収のほか、独ダイムラーとも資本提携し、規模の拡大を追求してきた。しかし、欧州危機によるルノーの業績不振や日産の急速なグローバル展開によるひずみも出ている。

トヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)が販売台数や業績を伸ばすなか、経営統合に近い量産効果を生み出すことで巻き返しを図る。』


1990年代に日産自動車は、経営破綻の危機に直面しました。この危機を救ったのが、ルノーから派遣されたゴーン氏でした。

ゴーン氏は、大胆な合理化や迅速な経営手法で、日産自動車の経営を立て直しました。しかし、現在の日産は、トヨタやホンダに比べるとやや精彩を欠いています。

現在の自動車メーカーにとって、最重要課題は環境対応車の開発・実用化です。現在の環境対応者の主役は、ハイブリッド車(HV)です。

HVでは、国内自動車メーカーのトヨタとホンダが世界市場で勝ち組になりつつあります。日産は、電気自動車(EV)を環境対応車の主役として販売しています。

しかし、EVは現行のリチウムイオン電池の性能が大幅に向上して、ガソリン車並みの航続距離を出さない限り、環境対応車の主役になることは難しい状況です。

これに対してHVは、トヨタやホンダを中心に国内、欧米、中国市場などで売上が伸びています。現時点では、日産には本命となるHVはありません。

また、日本政府は2015年に燃料電池車;FCV (Fuel Cell Vehicle) の市場導入を決めています。
現時点では、FCVについても、トヨタとホンダが先行しています。

新聞報道によりますと、トヨタとホンダは販売価格が500万円位のFCVを開発・実用化するとされています。

政府がFCV普及のために、補助金を出せば、FCVの実質的な販売価格が下がりますので、普及が促進される可能性があります。

このままでいくと、環境対応車の主役は、HVちFCVになる可能性があります。

日産は、現時点でHVとFCVの主役になっていません。HVやFCVの開発・実用化は、トヨタでさえ、1社単独で行うには、巨大な投資をカバーすることは、難しい状況です。日産1社でHVやFCVの開発・実用化は、投資資金確保の観点から難しいと考えます。

一方、市場の観点からみますと、日産は中国市場開拓では、トヨタやホンダに先行して行い、両社より高いシェアをもっています。

しかし、北米市場では、日産はトヨタやホンダほど高いシェアをもっていません。兄弟会社のルノーも、低迷する欧州市場の影響を受けて、収益が落ち込んでいます。

今回の日産とルノーの密接な連携体制の確立は、次世代環境対応車の開発・実用化のための資金確保と、欧米市場での売上拡大を目指すことを目的に行うとみています。

もちろん、両社の共同による経営活動は、効率的な開発、資材調達や製造コストの大幅圧縮という合理化につながることは間違いありません。

2012年度世界自動車メーカーの販売台数は、以下のようになります。

・トヨタ;975万台
・GM;929万台
・フォルクスワーゲン;928万台
・日産・ルノー連合;810万台

日産・ルノー連合は、上記販売台数をもっていますので、各種の合理化活動は、必ずコスト圧縮や資金繰りの向上に寄与します。

もっと重要なことは、両社の共同活動から、売上拡大の成果を導き出すことになります。販路開拓・集客拡大と、新環境対応車の確実な開発・実用化がポイントになります。

上記視点から、日産とルノー連合が今後どのような施策を打って、事業展開していくか注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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