日経記事;『資金,アジアで現地調達 三菱自,タイで借り入れ オリックスは社債 為替リスク回避』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『資金,アジアで現地調達 三菱自,タイで借り入れ オリックスは社債 為替リスク回避』に関する考察

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皆様、

おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月19日付の日経新聞に、『資金,アジアで現地調達 三菱自,タイで借り入れ オリックスは社債 為替リスク回避』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本企業が東南アジアで成長資金を調達する動きが広がってきた。三菱自動車はタイ、日野自動車はインドネシアで自動車生産に充てる資金の借り入れを増やしているほか、オリックスは社債を発行した。

事業状況に合わせて現地できめ細かく資金を手当てすることで為替リスクを避け、借り入れのコストを抑えるのが狙い。日本企業の現地化が一段と進みそうだ。

地域別の業績を開示する主な上場企業117社の2013年4~9月期決算では、アジア・オセアニア地域の営業利益が7312億円と前年同期比11%増えた。全体の2割強を占め、アジア事業の存在感が増している。

アジアで積極的な資金調達に乗り出しているのは、欧米よりもアジアで収益の大半を稼ぐ自動車などの製造業が多い。現地での事業規模が大きくなり、部材調達から生産、販売まで一貫して手掛けるようになってきた。

現地の市場に根ざすようになると、必要な資金も日本から送るより現地の通貨で調達した方が為替リスクを避けられ、相対的に有利と判断している。アジア各国の金融市場インフラが整い、安定して資金を調達しやすくなった点も影響している。

連結営業利益の過半をアジアで稼ぐ三菱自動車は、主力のタイで設備増強に充てるバーツ建ての資金をバンコク銀行から借りている。借入残高は前期末で318億円と、主取引銀行の三菱東京UFJ銀行(414億円)に次ぐ。

前期のタイでの販売台数は14万台強と日本を上回り、生産は40万台と海外では最大だ。増産投資を続けるため、「バンコク銀からの借り入れが最大になる可能性がある」(三菱自幹部)。

日野自動車は大型・中型トラックでシェア5割を握るインドネシアで、現地通貨建ての銀行借り入れを増やす。インドネシアで造る大型トラックの部品調達比率を足元の3~4割から7割に高めようとしており、現地通貨建ての資金需要が増している。

日本メーカー向けに工作機械などを提供するリース大手も、資金の調達先を広げている。オリックスは13年末までにタイバーツ建て社債を10億バーツ(約31億円)発行したほか、マレーシアの金融グループCIMBなど10社と総額約200億円の協調融資枠を設けた。マレーシアリンギットやインドルピーなど5カ国の通貨で資金を借りられる。

財務拠点をつくる動きもある。三菱重工業は17日、シンガポールにアジア域内の資金を融通する金融子会社を設けた。火力発電設備が伸びるアジアで資金を調達し、各事業拠点に振り分ける。

これまで日本企業は親会社が日本円などで資金を借り、アジアの現地法人に貸したり出資したりすることが多かった。アジア事業の比率が高まるにつれて経営が安定している現地金融機関と取引する利点が増してきた。』


アジア、特にASEANに対する国内企業の関心は、最近、非常に高くなっています。今まで国内市場を中心に事業展開してきた零細、あるいは中小企業も、ASEAN地域での販路開拓や工場などの拠点作りに動いています。

これは、国内市場が人口減少により、縮小することが起こりつつあることによります。国内のニッチ市場で、高シェアを取っていても、市場自体が縮小するので、体力のあるうちにASEAN市場を開拓する、あるいは工場や販売拠点などを確保するなどの動きが出ています。

この動きは、製造事業者だけでなく、流通や飲食業者、サービス事業者、ITベンダーなどの多くの事業者に広がりつつあります。

ASEANの中では、シンガポールは先進国と同等、あるいはそれ以上の国力をもっています。マレーシアも、社会インフラや経済環境では、ASEANの中で一歩抜きん出ています。

製造業の視点でみますと、タイは、電気電子機器や自動車関連の産業集積が進み、ASEANのハブになりつつあります。当然、港湾、鉄道、道路などの社会インフラも整備されつつあります。

インドネシアもタイを手本にしつつ、製造業の産業集積を進めようと海外からの投資受け入れに積極的です。ベトナム、フィリピンも同じような動きをしています。

ASEANの中で、シンガポール、マレーシア、タイで産業集積や成熟化が起きており、他国がそれを目指して動いているのがASEANの実態です。

それに拍車をかけるのが2015年を目標に行われるASEANの経済統合です。この経済統合には、幾つかの目標があります。

その中で最も重要なことの一つが、ASEAN域内の関税撤廃です。関税撤廃が実現しますと、ASEAN域内のものの動きがさらに活発になりますので、域内市場がさらに活性化します。

ASEANは、2030年から2050年にかけて、大きな消費者市場となります。国内企業は、縮小する国内市場に集中するだけでなく、ASEAN域内の需要を取り込まないと事業拡大することは、難しくなることが予想されます。

国内企業がASEAN域内で事業拡大していきますと、通常の営業活動から得られる運転資金では、まかなえない規模の投資資金の必要性が高くなることがあります。

このような新規投資のための資金は、今まではほとんどの場合、日本本社から調達していました。
これは、ASEAN域内での資金調達が難しかったことによります。

しかし、最近ではシンガポールやマレーシアを中心に金融市場が充実しています。特に、シンガポールの場合、金融、サービス、ITの分野での自由化や活性化のための環境整備された結果、多くの外資系企業が、資金調達をここで行っています。

国内のITベンダーの中には、日本での資金調達を諦めて、シンガポールで資本家から投資してもらったり、株式上場(IPO)する企業も出ています。

金融市場環境でみますと、シンガポールは日本より進んでいます。

将来、マレーシアやタイでも金融市場環境がさらに整備されることは確実です。現在、シンガポールやマレーシア、タイ、インドネシアで、社債発行、株式上場、あるいは地元金融機関からの融資を受ける企業は、中堅・大手が大半です。

今後、シンガポールのように、地元での金融市場が整備されると、中小企業も同じように投資資金をローカルで調達する動きが増えるとみています。

地元で資金調達した方が、為替リスクが低いことも理由の一つになります。

1月17日付の日経新聞に、インドネシアやベトナムは、今まで地元企業を守るために外資系企業に制約を設けていた規制を一部緩和して、外国からの投資を活性化する方針であることが報じられました。

これは、国内からの資金流出を防ぐために、海外からの投資を増やす狙いがあります。このような規制緩和は、日本を含む海外からの投資を呼び込みますので、ASEAN域内での資金需要も高まります。

外資系企業にとっては、ASEAN域内での資金調達方法も多様化し、より容易に資金確保ができることが期待されます。

ASEAN域内でのこれらの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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