日経記事;『ASEAN 消える国境 6億人市場 実現まで2年』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ASEAN 消える国境 6億人市場 実現まで2年』に関する考察

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こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月31日付の日経新聞に、『ASEAN 消える国境 6億人市場 実現まで2年』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東南アジア諸国連合(ASEAN)が予定する2015年末の「ASEAN経済共同体(AEC)」発足があと2年に迫った。域内関税撤廃をさらに進め、サービス分野の相互参入規制を緩和する。

人口6億の大市場が統合により活性化するのは確実。国境が“消える”ことを期待し、企業も走り始めた。

日通は製造業の荷動き増加に対応する。

製造業が先行

マレーシアの首都クアラルンプールの郊外。昼下がり、コンテナ車26両を連ねた貨物列車が出発した。日本通運がマレー鉄道上で運用する貨物鉄道便「BK1600」の第1便だ。

積み荷のほとんどは、ホンダがマレーシアの工場で作った樹脂部品。約1600キロメートルを走ってタイの首都バンコク近郊にあるホンダの工場に運び、完成車に組み込む。

日通はこれまでトラックで両国間の輸送を請け負ってきた。マレーシア国内だけでも200台を持つものの、物流が増え続けているため「荷動きに追いつけなくなった」と日通南アジア・オセアニア地域総括の高橋康紀氏は話す。トラックと同じ3日で大量の貨物を運べる鉄道便を追加し、さらなる需要増に備えることにした。

ASEANは経済活性化のため1990年代から域内関税の段階的な引き下げを行ってきた。通関手続きなどの手間は残るが、タイやマレーシアなど先行6カ国間では10年に相互の関税をほぼ撤廃済みだ。

15年末のAEC発足では、さらに後発加盟のベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーでも大半の物品の域内関税がゼロになる。18年には、域内関税がほぼ全廃される予定だ。

これまでの貿易自由化の効果で、ホンダのように製造業では域内拠点をあたかも1つの国の中にあるかのように活用する生産分業が大きく広がっている。12年の域内貿易額は6010億ドル(約63兆円)と09年から6割の増加。ASEANの経済成長を支えている。

GDP倍増試算

さらに後発国が域内貿易ネットワークに本格的に統合されることになれば、各国経済や企業戦略に与える影響は大きい。東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)は、ASEANの域内総生産(GDP)が20年に4兆5千億ドルと現在から倍増する可能性があると試算している。

企業もAECをにらんで新たな域内生産分業に踏み出している。タイ国境に面するラオス中部のサバナケットでは、ニコンが10月に工場を稼働。タイからデジタル一眼レフカメラの工程の一部を移管した。

トヨタ紡織も14年4月の稼働を目指し、自動車用シートカバー工場を建設中だ。新工場が製品を納入するバンコク近辺の工場地帯までは、いずれも車で数時間しかかからない。

またタイ、ラオス、ベトナムの3カ国はAECに先駆けて09年までに相互協定を締結。ラオスのトラックが西のタイ、東のベトナムを自由に走行できるようにした。

ラオスに登録した運輸業者であれば国境での荷物の積み替えは要らなくなる。これを活用し、日本の物流大手の日新(横浜市)は3カ国横断の輸送サービスを開始した。

自動車製造などを手掛けるマレーシア企業UMWホールディングスのヒシャム・ワジル最高経営責任者(CEO)は「AEC発足で市場が広がる。ラオスやカンボジアに進出する準備を進めている」と語る。』

本日の記事にありますように、ASEANは2015年に経済統合を行い、基本的にはASEAN域内の関税撤廃に向けて動き出します。

関税撤廃は、ASEAN域内で製造される製品の輸出入に税金がかかりませんので、記事にありますように、輸出入の観点からは国境がなくなることを意味します。

ASEAN域内で、自動車や電気・電子機器の産業集積がもっとも進んでいるのは、タイです。今後、製造事業者のASEAN域内での事業展開は、当面、タイを中心にして周辺国と一体になった形で動くようになることは確実です。

今まで、日本は最大の支援国として、あるいは、貿易相手国としてタイを中心に投資を行ってきました。

ASEAN域内の物流網も充実しつつあります。しかし、物流インフラの観点からは、ASEAN域内でまだ整備状況に差があり、一元的にEUのような状況にはなりません。

物流は、港湾、航空、道路網などの物理的インフラ整備を行いつつ、インターネットをより積極的に活用できる通信網の強化・充実で高効率な体制作りが必要です。

日本は、この社会インフラ整備に大きく貢献しながら、各企業の新規事業機会を創出するように動いています。

また、ASEAN域内では、今後、さらに電力需要が増大しますので、発電、送電、電力使用、などの面で、環境対応しながら、高効率な電力供給網の確立が必要です。この面でも、国内企業の出番が増えます。

今まで国内製造事業者は、タイを中心に長期間投資を続けてきました。その結果、上記しましたように、タイでは産業集積が進み、失業率はほとんどゼロに近い状況になっています。

タイでは、15歳以上65歳未満の生産年齢人口の所得が上昇した結果、中間所得層が厚みを増しており、消費者市場として大きな魅力をもっています。

現在、インドネシア、ベトナム、フィリピンが第2のタイを目指して、製造事業の産業集積を実現するように、投資を呼び込んでいます。

将来、これらの国ぐにもタイと同じように、大きな消費者市場になることは確実です。

タイの場合、ラオス、ベトナム、カンボジアなどの周辺国と産業の一体化が進みつつあり、周辺国の労働者がタイ国内で仕事する状況も生まれています。

関税撤廃になると、タイ国内で作るものと、周辺国で作るものの移動が加速しますので、製造コストの安周辺国での生産量が増えていきます。

必然的に、周辺国の生産年齢人口層の所得も比例して増えていきますので、生産拠点だけでなく、消費者市場としての魅力も大きくなります。

いわば、第二のタイがASEAN域内に生まれることになります。人口6億人のASEANは大きな魅力をもっています。

多くの国内企業が現在、大きな関心をASEANにもっており、投資を加速しています。そのような事業環境下、多くの中小企業から、ASEAN進出や投資に関する相談や支援依頼が増えています。

しかし、一般的には安易に工場建設や販売会社の設立などの海外進出を行うことには、単純に賛成して支援していません。

今まで海外市場開拓を行って来なかった中小企業が、いきなり海外投資を行っても、失敗するリスクが高いことによります。

それより、国内拠点から輸出事業の開始を行って、海外市場や顧客、あるいは販路などの開拓を実行し、顧客の要求や好まれる価格、適切な販路の探し方などを経験した後に、ビジネス環境に応じて、海外投資を行うやり方で支援することにしています。

輸出で売れない商品は、海外の工場で生産しても売れないのが実情だからです。

中小企業は、事前の情報収集や確認を行って、しかっりとした事業計画作成を行ってから海外投資を考えることが重要になります。


さて、本ブログ・コラムの2013年版は、本日最後になります。
来年もぼちぼちと書いていきます。

来年もよろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

 

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