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日経記事;『中小企業,過度に延命 円滑化法終了後も続く返済猶予 廃業/事業転換支援が重要に』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月30日付の日経新聞に、『中小企業,過度に延命 円滑化法終了後も続く返済猶予 廃業/事業転換支援が重要に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『銀行が返済期日の延期など中小企業の貸し出し条件を変更する件数が高止まりしている。4~9月は58万件と前年同期なみ。

申請に対する実行率は98.8%と過去最高に上った。銀行に返済猶予を促す中小企業金融円滑化法が3月末に期限切れとなった後も、なぜ返済猶予が続くのか。

「金融庁のプレッシャーは相当あった」。ある地方銀行の首脳はこう明かす。金融庁は円滑化法の期限切れ後をにらみ、4月に金融機関向けの監督指針に「貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めること」と盛り込んだ。幹部らが全国を行脚して中小企業の経営者に「貸し渋りがあれば、金融庁に言ってほしい」と呼びかけた。

円滑化法がなくなった後にかえって、返済猶予の実行比率が上がったのにはこんな背景がある。

「軟着陸」図る

円滑化法はリーマン・ショック後の非常時対応として民主党政権下で2009年12月に導入された。中小企業から借入金の返済猶予の申し込みがあった場合、できる限り応じるよう努力義務を銀行に課した。

返済条件の変更は返済期間を繰り延べて、毎月の返済額を減額する方法が一般的。金利を減免した例もある。

円滑化法の期限切れで政治家らが懸念したのは「倒産の急激な増加」。このため、金融庁は円滑化法の事実上延長とも取れる手法で「軟着陸」を図った。

倒産件数は過去20年で最も少なく、当初の心配は払拭できた。だが、一方で「本来退場すべき企業の延命につながっている」のではないかという懸念が消えない。

円滑化法で返済の猶予を受けた企業は推計で40万~50万社。8割の企業が複数回、返済猶予を申し込み、経営改善計画は3社に1社が計画を下回ったとされる。東京商工リサーチの坂田芳博・情報部課長は「改善計画すらつくっていない企業も多く、4万~5万社の存続が危うい」と分析する。

「景気回復説」も

中小の返済条件変更が高止まりしていることには別の見方もある。「景気回復説」だ。日銀の企業短期経済観測調査(短観)の12月調査では中小・非製造業の業況判断指数(DI)が21年ぶりにプラスに転じた。

景気が良くなると、返済条件を変更する際に必要な経営改善計画を立てやすくなる。通常、景気回復局面で増えやすくなる資金繰り倒産を金融機関が柔軟な資金供給で防いだともいえる。

金融庁は今秋、検査・監督方針を転換し、銀行にリスクをとって資金供給を拡大するように促している。銀行も貸し出しを増やしたいと考えており「返済猶予しても検査で不良債権に区分されないなら要請に応じない手はない」(大手銀幹部)という本音ものぞく。

とはいえ、過度に企業の退出を抑えると、産業構造の転換が進まず、経済の活力は低下する。銀行には企業の資金繰りだけでなく、事業転換や自主廃業を支援する姿勢も求められる。』


現在、事業継続している多くの中小企業は、ここ数年間続いた劣悪な経済環境下で、何とか歯を食いしばって生き残ってきました。

私の場合、新規事業の立上や海外市場・販路開拓の面で、中小企業を支援していますので、現在の円安は、輸出事業の収益改善に寄与しています。

今まで、多くの輸出事業者は、円高による価格競争力の低下で、中国、韓国、台湾などの企業にシェアを奪われてきました。

現在の円安は、輸出事業を行う中小企業に巻き返しの機会と可能性を提供しています。円高対策で、コストをギリギリのところまで削って事業を行ってきた、中小企業は価格競争力をもっています。

円安は、スリム化した中小企業には、海外企業との価格競争力回復に貢献するとともに、収益改善をもたらしています。

積極的な中小企業は、この円安を利用して、海外企業との競争に打ち勝つべく、新規事業立上も含めて投資を加速させているところがあります。

この投資に対するネックの一つになるのが、金融機関の融資条件です。まだ、多くの金融機関は、不動産を担保にして、融資するとともに、経営者個人に保証人になることを求めており、投資するための資金確保ができない中小企業経営者もいます。

中小企業がもっている特許や売掛金を担保に、融資してくれる金融機関も出てきていますが、まだ少数派であるとの印象をもっています。

ある地方の信用金庫の経営幹部が、当社の経営方針として、リスクを取る融資は一切行わない堅実なやり方に徹しており、不動産担保なしには融資しないと言っていました。

確かに、金融機関としての堅実な経営姿勢になりますが、ここからの融資を期待していた、ITベンダーは不動産担保がなく、必要な資金を集めることができませんでした。

現在、クラウドファンディングの仕組みを利用して少額の資金を集めて事業しています。近々にシンガポールでの資金集めと上場を狙っています。

このITベンダーは、出身地での事業拡大を狙っていましたが、結局故郷を出て東京、そして海外での事業拡大を図っています。

ITベンダーの場合、投資必要金額は製造事業者に比べて少額ですみますが、その金額でも地方では集められない実態もあります。

地方の金融機関には、技術力や商品力のある中小企業の実力を評価して、融資を実行する経営姿勢をもつ企業が増えることを期待します。

中小企業金融遠隔化法が、事業が低迷している中小企業の延命につながっているとの指摘もあります。

しかし、円高状況化で金融機関の支援を受けて何とか収益確保してきた中小企業の中には、円安による輸出事業の収益改善と、景気の好転で売上拡大になって、借金を返し始めているところも増えています。

このような中小企業にとっては、中小企業金融遠隔化法は苦しい時の資金繰りを支援してくれた援軍になっている実態もあります。


中小企業庁が、毎年発表しています「中小企業白書」をみますと、過去30年間くらい間、中小企業の廃業が開業を上回っています。

この傾向は、景気の良し悪しに関係なく続いていますので、中小企業の中で淘汰される会社は、毎年市場という土俵から退場しています。

廃業する理由の中で最も多いのが、競争激化と集客の困難さです。集客できていれば、売上確保できますので、運転資金も回る可能性が高くなります。

私が中小企業を支援するメニューに、新規事業の立上や海外市場・販路開拓をもっていますのは、まさに中小企業が直面する上記課題に対する解決策のストーリー作りと実行支援するためです。

また、最近、国内のニッチ市場で勝ち組みになっている中小企業が、市場の飽和状態から脱却するために、海外市場開拓を積極的に行うところが増えています。

輸出事業拡大のために、必要な資金を公的機関を含めて複数の金融機関から何とか集めながら、少額投資で事業拡大するために、知恵を絞っている中小企業もあります。

非常に多様な中小企業が存在しています。

本日の記事を読みながら、金融機関にはより柔軟な融資施策を用意してもらうことを期待しつつ、私たち経営支援者の実力向上の必要性を再認識しています。

さらに、専門能力の向上に努力していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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