- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
小谷武『新・商標法教室』(2013年)
著者は、主に商標権を専門とする弁理士として、約40年の経験を有するベテランである。
商標法の考え方に即して、最高裁判例はもとより、下級審裁判例・審決例・実例をもとに、商標法を解説する平易なテキストである。
ただし、旧著の改訂版のようで、法改正前の裁判例・審決例も多く取り上げられており、旧法に関する説明が長い箇所も見受けられる。法改正により、「~と解されている。」というようにコンパクトに記述をまとめられるのではないかと思った。約450頁の本だが、コンパクトにまとめれば、実質2/3くらいの分量になるのではなかろうか。
商標法に関する平易でありながら法的な考え方を披露してくれる本格的な解説書が少ない中、推奨されるべき本である。
また、実務家としての実務的な智慧・テクニックも披露されている。
今日は、第5章制度論のうち、以下の部分を読みました。
5・不使用取消審判と商標の使用
(1) 登録商標と使用商標の同一性
(2) 商標としての使用(商標的使用)か否か
① 意匠的使用
② 付記的表示・小さい使用
③ 素材・機能表示
④ 文脈中の使用
⑤ 表示位置
⑥ 他の目的(商号・題号・著作者名など)での使用
(3) 商品性・役務性
(4) 不使用についての正当な理由の有無
6・商標権侵害
(1) 民事上の責任
(2) 刑事上の責任
(3) 社会的責任
コラム 「真正商品の小分け・再包装・リフォーム・セット商品」
「真正商品の並行輸入」
ロビンソン・ヘリコプター事件は、商標権の損害賠償請求の事例として、昔熟読した田村善之『商標法概説』で取り上げられていた著名な事例で、懐かしく思った。