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日経記事;『1万世帯、10%超節電 電力利用 官民で把握  企業にデータ販売』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月23日付の日経新聞に、『1万世帯、10%超節電 電力利用 官民で把握  企業にデータ販売』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『経済産業省は民間と連携し、1万世帯の電力使用の状況を把握して節電につなげる事業を2014年度から始める。地域単位での省エネ事業としては国内最大規模で、10%以上の節電効果を見込む。

家庭から集めた電力利用のデータは企業などに販売もする。警備会社が一人暮らしの老人を見守るサービスなどデータを生かした事業が拡大する可能性もある。

電力の効率利用を1千戸規模で取り組む例はあったが、1万戸で電力使用の状況を把握するのは世界的にも珍しい。地域や時間帯に応じた電力の使い方をより統計的に分析できるようになる。節電を促すための電気料金の制度設計や、家電の省エネ化にデータを活用できる可能性がある。

1万戸の対象地域は、東京や大阪など都市部となる見通し。まず経産省が電力使用のデータを集める事業者を公募で選定。事業者はNTTグループやKDDIなど通信会社を想定している。

事業者は電力会社とも連携し、電力の使用状況を時間帯別に把握できる次世代電力計(スマートメーター)を各家庭に設置。その上でスマートメーターと家電製品をつなぐホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)を導入する。

HEMS端末は電機メーカーなどが開発や販売に力を入れている。経産省は1台が10万円程度するHEMS端末導入などのため、14年度予算に約40億円を盛り込む。

家庭はHEMSを通じてパソコン画面上などで電力利用状況が確認できる。エアコンの温度設定など細かな節電効果も把握可能。

HEMSから集めたデータを事業者が解析し、最も節電効果が高まる家電利用や生活スタイルを提案したり、より有効な電気料金のメニューを作ったりできる。

国内では電力需要が大きい時間帯の料金を引き上げて節電を促す事業が北九州市などで進む。同市では昨夏に9%以上の節電効果があった。

一方、HEMSを通じて集めた電力利用データを事業者が企業などに販売できるようにする。警備会社はお年寄りが突然電気を使わなくなったときに安否確認をするサービスなどを始められる。

従来はデータを集める規模が小さかったため、事業化がしにくかった。1万戸規模で地域の電力使用の状況がわかれば、広告など幅広い事業に応用できる可能性がある。

ただ、空き巣狙いなどに悪用される可能性もあるため、経産省は事業者にデータ利用に関するルール作りを求める。

利用の際も、まずは家庭が特定できない匿名データを統計解析などに活用できるようにする。実名データを取得したり、販売したりする場合は本人の承諾を条件とする。無制限なデータ利用につながらないよう、事業者に加えて経産省も監視する。』


環境対応技術や事業、あるいは省エネ可能技術の開発・実用化は、今後、国内企業が世界市場で大きな新規事業機会を得ることになる事業分野の一つになります。

日本は、現在、ほとんどの天然資源を輸入に頼っています。円安は、輸出事業にはプラスに働きますが、輸入価格の上昇も同時に引き起こします。

今の日本では、原子力発電が事実上止まっていますので、多くの発電を天然ガスや石炭、重油などの天然資源に頼っています。

日本の貿易収支は、天然資源の輸入量増加と円安のダブルパンチで、大幅な輸入超過になっています。

このような事業環境下にある日本では、環境対応しながら天然資源を使って高効率に発電する、再生可能エネルギーを使用する発電装置の増加などで、発電能力を上げる努力を行う必要に迫られています。

同時に、電力コストの低減化も進める必要があります。電力コストの上昇は、国内企業の収益にマイナス影響を与えると共に、家庭生活にも深刻な影響を与えます。


電力問題を考える時に重要なことは、同時に消費、つまり使用電力量の合理的な削減や制限も考えることです。

日本では、1973年や1979年に起こったオイルショック以降、企業と国民が一致団結して節電効果を出すために、新規技術の開発・実用化を積極的に行うと共に、家庭も生活様式を見直したり、積極的に省エネ家電商品を買うなどして省エネ化を実行してきました。

現在も一致団結して、省エネ・省電力化に動く国民性は変わっていません。

日本は、このような省エネ・省電力の事業が受け入れやすい国であるため、日本で当該技術・ノウハウの開発、実用化を行って、実証試験したものやシステムを海外市場に売るビジネスモデルが成り立ちます。

省電力化の施策の一つとして、政府が行っているのが、HEMSです。HEMSは、Home Energy Management Systemの頭文字を取ったものです。

HEMSとは、東京電力などの電力会社が、近々に各家庭に導入予定の次世代電力計(スマートメーター)を使って、ITを活用して、電力会社と、各家庭の双方で電力使用量を把握することで、電力使用の最適化を目指すものです。

さて、企業は、使用電力量はコスト上昇に直結しますので、節電に励むことになります。当然、企業セクターの電力使用量は、減っています。

一例として、何度か新聞記事になっていますように、資源エネルギー庁の調査では、2011年の産業部門の最終エネルギー使用量は1990年比で0.89倍に減少したとされています。

同調査結果では、逆に家庭部門は同1.25倍に増えています。日本全体の使用電力量を減らすには、家庭での節電を実現する必要があります。

今、太陽光パネルを設置する家庭が増えています。HEMSを活用することで、自宅のパソコンで電気・電子機器別の電力使用量をみれますので、不要な機器のスイッチを切ったり、あるいは、太陽光発電が使用量より多くなっていれば、売電することも可能になります。

また、将来、現在急ピッチで開発・実用化の検討が進んでいる蓄電池が、低コストで大容量化できれば各家庭に設置できますので、深夜電力で蓄電した電力や太陽光発電の電力を日中に使用することで、電力会社から供給される電力使用を抑えることができます。

家庭で余った電力は、当然売電収入につながります。また、スマホやタブレット端末で、外出中に電気・電子機器の使用状況を確認して、不要なもののスイッチを切ったり、蓄電や売電操作も可能になります。

家庭での電力使用、蓄電、売電がHEMSを使いこなして自由にできるようになれば、全家庭での電力使用量の低減や電力供給量の最適化につながっていきます。

このHEMSを使用しての家庭と電力会社、関連企業がそれぞれ使用ノウハウやデータを蓄積できれば、スマートメーターやITを活用した最適な電力使用・供給体制の維持運営を可能にします。

これらのノウハウやデータは、関連企業の大きな武器になりますので、将来、海外市場でスマートメーターとIT活用による総合的な電力供給体制の維持運営事業を確立できます。


この点から、今回の1万世帯の電力使用の状況を把握して10%以上の節電実現のテスト事業は大きな意義があります。

記事にありますように、個人情報の保護を徹底しながら、運用ノウハウやデータを蓄積して、スマートメーターの普及に合わせて、日本中への実施促進することを大いに期待します。

このノウハウやデータは、東芝やパナソニックなどの国内企業が、海外市場で家庭での省電力化実現する事業への参加を後押しすることになります。

また、多くのベンチャーや中小企業がITやセンサーデバイスなどを組み合わせて、関連事業分野で各種の新規事業機会を作れる環境構築につながります。

今後、上記1万世帯のHEMSを使用した実証試験の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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